こんにちは!(*・∀-)b
今回は、みんなが通る道である
「ホルモンの名前、毎回検索しては忘れる・・・」
「薬の名前、ややこしくてマジでわからない・・・」
「刺激法、アゴニストだのアンタゴニストだのアンタがたどこさ・・・」
という「調べたりしたけど、なかなか整理して理解するのが難しい!」という内容を解説したいと思います。
■ こんな方のためのブログです
今回のブログは
「タイミング法や人工授精から体外受精/顕微受精にステップアップを検討している」という方
や
「ホルモンや薬の関係がわからない・・・刺激法の違いも理解するのが難しい・・・」という方
向けの内容にしています!
ステップアップするとき、今までのクロミッドなどの服用薬だけではなく
「どうやら注射をたくさん打つらしいぞ・・・」
「自己注射ってなんぞや・・・」
「なんか、費用が高いらしいぞ・・・」
と人のブログやTwitterを見てビビると思います。
そして
「アゴニスト・・・アンタゴニスト・・・」
「ロング・・・ショート・・・」
「低刺激・・・高刺激・・・完全自然・・・」
ともう パニック (◎-◎;)!!
ということで、今回は丁寧に解説していきます。
ちなみに、
「ブログ読むの面倒クセェーーーーー!!」
「資料だけ欲しぃーーーーーー!」
という方は
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(もちろん、無料です)
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■ 目次
目次はこんな感じです。
ではまずは一つめ「ホルモンの種類と仕組み」から解説します。
資料にも書いた通り、
薬や刺激法について理解するには、まずは「ホルモンの種類と仕組み」を理解するところからです(´・ω・`)
ということで、「ホルモンの種類と仕組み(役割)」をまずは1枚の表で見てみましょう!
「グハッ・・・(◎-◎;)」
ってなったあなた!あきらめないで!(脳内再生:真矢みき)
一つずつゆっくり理解していきましょう!
まず、大前提としてホルモンは「伝言ゲーム」をしていると思ってください。
一つのホルモンが、別のホルモンに
「おーい、働けー(・д・)ノシ」
と指示を出すと
「ラジャっ (*・∀-)b」
と別のホルモンが働き、またそのホルモンが次のホルモンに
「次はお前だぞー(・д・)ノシ」
と指示を出して、また別のホルモンが働く。
そんな感じの「伝言ゲーム」が行われています。
まずは、体の上の方から、つまり脳から順に伝言ゲームを見ていきましょう。
□ GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)
不妊治療をしていると「FSH」とか「LH」って記号を見ますよね?
あれは、卵を育てたり排卵するために必要なホルモンなんですが、勝手に出ていくわけではありません。
「出て行けーーーー!!!(・д・)ノシ 」と命令をだす人(ホルモン)の存在が必要です。
それが、【GnRH】です。( よろしくやでー (*・∀-)GnRH )
これは脳の視床下部から放出されるホルモンで、脳の下垂体に対して
「FSHとLHを出すんやー!!(・д・)ノシ 」と指示を出しています。
□ FSH(卵胞刺激ホルモン)/ LH(黄体化ホルモン)
GnRHの働きによって、
脳の下垂体は、卵巣に対して【FSH】と【LH】を放出し、卵胞の成長や排卵を促します。
( 卵胞を育てて排卵を促すんんやでー (´▽`)FSH&LH )
FSHとLHの違いについては以下の通りです。
【FSH】
・卵胞の成長を促す
・卵胞が育つと出てくるホルモン「E2」の分泌を促進する
【LH】
・卵胞の成長や排卵を促す
・排卵後に黄体から出てくるホルモン「P4」の分泌を促進する
E2やP4は内膜を育てて、卵ちゃんが着床しやすいようにする働きをします。
なので、「FSH」と「LH」は「卵胞を育てて、排卵させ、内膜を育てる」というとても重要な部分に関係してくるホルモンなんですね!
( あたいは結構、重要な役割なんやで〜 (´▽`) )
□ E2(卵胞ホルモン)/ P4(黄体ホルモン)
「FSH」と「LH」によって卵巣内で卵胞が育つに連れて、まずは【E2】が分泌されます。
【E2】は子宮内膜を厚くする役目を持っているので、これもとても大切な働きですよね。
( 内膜を育てるのは、あたいに任せてやー (*゚▽゚*)E2 )
また、「LH」の働きによって排卵した後はもともと卵子を覆っていた卵胞が黄体に変化し、黄体は【P4】を分泌します。
【P4】は子宮内膜を厚くすると共に、着床後は妊娠を維持する働きを持っています。なので、また後述しますが、着床後はP4(黄体ホルモン)を薬で補充したりします。
( 妊娠維持を助けるのはあたいの仕事なんやでー (*゚▽゚*)P4 )
□ hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
さて、「E2」によって内膜が成長し、「P4」によって妊娠状態が維持されると、妊娠期間の長さに比例して上昇していくホルモン数値があります。それが、【hCG】です。
( 妊娠判定はあたいの値を見るんやでー。ホルモンジョークやでー (-ω- )hCG )
hCGについては、このパートでは説明は以上にしておきます。
さて、上記を復習するために、以下の資料を見てください。
どうでしょうか?
今までよりは、少しはホルモンについて、その働きについてご理解いただけたでしょうか?
ここまでは、ホルモン剤投与による刺激法について理解するための「前提知識」です。
ホルモンが大切なことはご理解いただけたと思いますが、ここからお話する「刺激法」を使った不妊治療というのは、
卵胞を育てたり、排卵させたり、内膜を育てたり、妊娠維持をしたり、
という大切な働きをするホルモンをサポートするために行うものです。
ホルモンの種類によって、対応する複数の薬がありますし、
それぞれのカラダの状態によって、薬の種類、投与量やスケジュールを柔軟に変更します。
なので、「アゴニスト法」とか「アンタゴニスト法」など名前があって、
こっちからしたら「ややこしくてわかんないよーーーー!!!」って状態なんですね。
ということで、ここからも順をおって見ていきます。
まずは「ホルモンと薬の関係」から理解して、それから刺激法の話に移りたいと思います。
資料に書いた通り、まずは「ホルモンと薬の関係」を見てみましょう!
先ほど、
・GnRH
・FSH / LH
・E2
・P4
の順にホルモンをみてきましたが、今回も同じ順で、それぞれに対応している薬を記載していきます。
(注:ここからは文字も小さくなるので、資料をダウンロードいただいた方がいいかもしれません)
まずは多くの方が服用経験があるのでは?という「排卵誘発の飲み薬」ですね。
クロミッドかフェマーラの方が多いような気もしますが、別にどれが一番良いとかって話ではありません。
大切なのは「しっかり効果がありながらも、副作用とカラダへの負担が少ないものを選択する」ことです。
では次に、
体外受精や顕微授精の「高刺激」と呼ばれる治療法で使用されることが多い注射と点鼻薬の資料を見ていきましょう。
これは、FSHやLHを補強するために投与されるものです。
ここでも、資料内には記載していない点を補足しておきます。
まず、一番上の「recFSH製剤」について見てみると、ほとんどの方が
「遺伝子組み換え・・・・って体に悪そうじゃない?」
と思うのではないかと。
この点について説明しておくと、まず卵を育てるための「recFSH製剤」「FSH製剤」「hMG製剤」には「遺伝子組み換え」のものと「女性の尿由来」のものがあります。
もともとは「女性の尿由来」のものが主流でしたが、技術が進歩して「遺伝子組み換え」の「recFSH製剤」が使用されるようになったんですね。
で、実は「女性の尿由来」には次のようなリスクがあります。
・「安定供給ができるかどうか」という懸念
・「製品による質のばらつきがある」という懸念
・「病原体が混入する」という懸念
それに比べて「遺伝子組み替え」は
・安定供給が可能
・製品による質のばらつきが少ない
・アレルギー反応も少ない
というメリットがあります。
なので「遺伝子組み替え」という言葉に過剰にネガティブな反応はしなくても良いと思います。
こんな話をすると、
「じゃあ全部recFSH製剤でいいじゃん!」
と思うかも知れませんが、「recFSH製剤」にはLH(黄体化ホルモン)が配合されていません。
なので、個人のホルモン放出の状況などをみて、どの製剤を使うかを医師が判断しています。
そして補足をもう1点。
採卵日の直前には「hCG製剤」の注射を打って「排卵を促す」ことがあります。(主にアゴニスト法)
ただ、「hCG製剤」は卵巣過剰刺激症候群になるリスクもあるため、採卵直前にhCG注射の代わりに点鼻薬である「GnRHアゴニスト製剤」を使用することもあります。(主にアンタゴニスト法)
そこで
「あれ?点鼻薬って、排卵をコントロール、つまり排卵しないようにしてるんじゃないの?」
と気づく方もいるのではないでしょうか?
基本的に、アゴニスト法においては周期前半で点鼻薬を使用して排卵を促すホルモンのLHの分泌を抑え「早期排卵」を防ごうとしているのですが、実は点鼻薬(GnRHアゴニスト製剤)には使い方によっては「排卵を促す」働きを発揮することもあるんですね。
なぜなのかの説明は、ここでは省きますが、だから「排卵を抑制する」ではなくて「排卵をコントロールする」と資料にも書いているんだとご理解ください。
では、次にFSHやhMGの投与によって卵胞が成長する過程で分泌されるE2について見てみましょう。
E2は子宮内膜を厚く成長させる働きがあります。FSHやhMGの投与によって卵胞が成長し排卵されたあと、卵管を通った卵胞が内膜に着床しないといけませんよね?
その際に、卵胞が着床しやすいように内膜を厚くフカフカのベッドのような状態にするのがE2です。
血液検査をしてホルモン数値をチェックする中で、E2の数値が低いと、資料にある薬を投与することがあります。
では次に、内膜が厚くなったあと、その内膜の状態を整え、
そして受精卵が着床したのちに「妊娠状態を維持」する働きのあるP4について見ていきます。
【※資料内誤字報告 2018年11月8日修正済】
プロゲストンデポーの分類に関して
誤)天然型
正)合成型
P4の投与は「黄体補充」と呼ばれます。
基本的には「天然型」の「腟錠」を投与することが多いようですが、治療方法によっては「筋肉注射」と呼ばれる注射や経口薬によって黄体補充することもあります。
さて、ここまで読んでいただけた方は、かなりホルモンと薬の関係はご理解いただけたのではないかと思います。
ここからは、「刺激法」についての解説に移りたいと思います。
おそらく、次のパートを読んでから、もう一度最初のホルモンについての資料を振り返ると、より明快に理解できると思いますので、現時点で
「やばい・・・ちんぷんかんぷんかもしれない」
という方も、もう少し辛抱して読み進めてくださいね。
では、刺激法のパートに移ります。
まずは、「刺激法」についてよく聞く
「高刺激 アゴニスト法」
「高刺激 アンタゴニスト法」
「低刺激法」
「完全自然法」
の4つについての概要を書いた一覧表を見てもらいたいと思います。
先ほどまで解説してきた「ホルモンと薬の関係」がなんとなくでも頭にあれば、
この概要に書いてある「どの薬で」「何をしているのか」の理解ができるかと思います。
各刺激法の具体的な投与スケジュールや解説は後ほどちゃんと書きますので、
現時点で完璧に理解する必要はありません。ご安心を。
具体的な解説の前に、まずは各刺激法でどの薬を使うのかをまとめた資料を見ていただきたいと思います。
まずは注射以外の薬から↓
もちろん、クリニックや医師の治療方針、患者側のカラダの状態によっては上記とは異なるケースもありますが、
基本的にはこうだと思っていただければと思います。
では次に、注射について↓
注意点としては、先ほどの注射以外の資料も同様ですが、「別に全部使うわけではない」ので、その点はご留意くださいね。
繰り返しになりますが、
クリニックや医師の治療方針、患者側のカラダの状態によっては上記とは異なるケースもあります。
上記二つの資料は、「刺激法」と「使用する薬」の基本的な関係一覧だと思ってください。
さて、ここまでで以下を見てきました。
①ホルモンの種類と仕組み
②ホルモンと薬の関係
③刺激法と使用する薬の関係
これで、刺激法の具体的な内容を見る準備運動は完了です!!
続きは 【徹底解説】ホルモンと薬と刺激法(パート2)で解説していきますね!
是非、資料をダウンロードして、ブログと合わせて読み進めてみてください!
ではでは〜!
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<自己紹介>
株式会社ヘルスアンドライツ 代表取締役
妊活/不妊治療に取り組む夫婦を支援する事業を展開中。
大阪大学卒業後、外資系消費財メーカーP&Gに入社。
その後、20代のキャリア支援事業を行うスタートアップに参画し執行役員に就任。
自分自身が不妊治療で生まれてきたというバックグラウンド、
そして、日本が世界一の「不妊大国」であるという社会問題を解決したいという想いから、ヘルスアンドライツを創業。
現在は、不妊治療に取り組む夫婦をサポートするWebサービス開発や書籍の執筆活動、また社会に対する生殖医療、生殖機能の知識の普及を目的とした「大人の性教育」という性教育イベントを開催中。
・メディア掲載
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YOMIURI ONLINE ヨミドクター 不妊と向き合う(3)男性も早めの検査を…高校保健で「加齢リスク」説明
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【注意書き】
・本資料の内容は、医師監修のもと制作しています。
・本資料の内容は、ホルモン治療に関する学術的な解説としての正確性よりも、患者側に立って「理解しやすいかどうか」に重点をおき制作をしているため、ホルモンに関する呼称や、ホルモンの働きに関する記述については一部正確性を欠く内容が含まれている可能性があることをご留意ください。
・本資料では、刺激法に関してのスケジュール表や使用する薬品について言及していますが、クリニックや医師によっては具体的な治療内容が異なること、また患者側の身体的特徴、症状によっては治療内容が異なることをご留意ください。
・本資料は、特定の治療方法を推薦するものではありません。ご自身の治療に関しては、必ずかかりつけの医師の診断、助言をもとに意思決定するようにお願いいたします。治療内容やその結果については、弊社および監修医は一切の責任を負いかねます。
制作 :株式会社ヘルスアンドライツ 代表取締役 吉川雄司
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監修 :産婦人科専門医 月花瑶子