ePSDには、見出し語として、「zub」(Old Babylonian) が載り、
意味は "bent stick (for throwing), throwing-stick"。さらに、
Akk. の「gamlu」(bent stick)に当たるとする。以下に同じだ。
アッカド語のコンサイス辞書に、やはり「gamlu」が出てくる。
"bent stick (as projectile), throwing-stick"と載る。Bab. の
[GIŠ.ZUBI]を記し、「epith. of gods, attribute of gods」と説く。(※諸々の「神」の性質を表す名前)
同じコンサイス辞書は、続けて[MUL.ZUBI]も記し、これを、(※「MUL.○○○」は「○○○座」の意)
"constellation Auriga"(also code name for Jupiter)とする。
要するに「gamlu」[ZUBI]は、「Auriga」(御者座)を意味する。(※また同時に「Jupiter」(木星)も意味)
#別のアッカド語の辞書を見れば…「gamlu」に対し、
#「shepherd's crook」(いわゆる羊飼いの杖)とあり、(※Syriacは【MQOLA】(shepherd's crook、372))
#上述と突き合わせれば、まさに「羊飼いの杖」とは、
#具体的には、「bent stick」(as projectile)ということ。
* * *

以上まとめると、アッカド語コンサイス辞書に載る[MUL.ZUBI](御者座)において、
[ZUBI]に当たるものを、ePSDは、「zub」(bent stick)とする。その楔形文字も載る。(※上に掲載)
ところが、同じ楔形文字に対し、もう一つの見出し語、「zubi」(watercourse)がある。
"a type of irrigation"の意味も載るから、当該の「zubi」(watercouese)は、「溝」、だ。
そして、この「zubi」(溝)に当たるアッカド語として、「miṭirtu」を載せるが、同じ言葉が、
アッカド語コンサイス辞書にも出ており、"watercourse"のほか、"a type of irrigation"、
と意味が載る。いずれにせよ、楔形文字は同じだから、「zub」(bent stick)のみならず、
この「zubi」(溝)に関しても、[MUL.ZUBI](御者座)を含意する。こう見なければならぬ。