ディズニー映画語り ロジャース&ハマースタインのシンデレラ | すきなものしか語れない

すきなものしか語れない

元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。



はいどうも。


今回は【ディズニーの実写映画作品】を一本語っていきます。


個人的な見解なんですが、実写映画に関してはアニメーション映画程「これはこうで、あれはこうで、、」不用意に語れるものでもないと思っているんですよね。


それとやはり基本的にディズニーの最近のアニメーションの実写化押しには正直抵抗があります。


アニメーションに比べて諸々事情要素が複雑であり、作品単体のみと向き合えない作品が多い気がするんですよね。


ただもちろん中には全てを超越するくらい素晴らしい作品も沢山ありますし、アニメーションではなく実写という手法で表現されるディズニーの世界というのはやはりまた違った広がりや魅力を持っているのも事実です。


という事で今回はそんなディズニーの実写作品の中から、世界中でお馴染みあの作品の隠れたもう一つの名作として知られるこちらの一本について語っていきたいと思います。




(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



  ロジャース&ハマースタインのシンデレラ

(原題:Rodgers & Hammerstein's Cinderella)

1997年

監督

ロバート・イスコヴ


データ

ディズニーのテレビ番組「ザ・ワンダフル・ワールド・オブ・ディズニー」用に製作されたテレビ映画


1950年ディズニーアニメーション映画ではなく、リチャード・ロジャースオスカー・ハマースタイン2世による1957年テレビミュージカル及びシャルル・ペロー版の小説を原作を原作としたファンタジーミュージカル


ロジャース&ハマースタイン版のシンデレラとしては、1957年のオリジナル、そして1965年版に続きく三本目となっています。


あの説明不要のトップスターであるホイットニー・ヒューストンプロデュースで、当時のテレビ映画としては規格外の予算をかけて製作が行われました。


シンデレラとしてははじめてアフリカ系アメリカ人の方がキャスティングされた作品でもあり(1978年の再解釈版「シンディ」を除く)、これはホイットニーはじめ製作陣の強い拘りと意思により実現した出来事でした。



監督を務めたのはロバート・イスコヴ

テレビ映画を多数手掛けるカナダのクリエイターです。


脚本は劇作家としても豊富なキャリアを持つロバート・L・フリードマン


音楽は今バージョンの原作者でもあるリチャード・ロジャースオスカー・ハマースタイン2世。

数々のブロードウェイミュージカルとその楽曲を手掛けた偉大なコンビです。

今作では彼らが遺した楽曲を、シンデレラ以外からも取り入れふんだんに使用しています。



主役のシンデレラ役を務めるのはミュージシャンとして非常に有名なブランディ・ノーウッド

当時役者としてはまだ経験の浅かった彼女ですが、尊敬するホイットニー・ヒューストン共演できるなら…と出演を承諾しています。


そのホイットニー・ヒューストンは今作ではプロデューサーに加えフェアリー・ゴッドマザー役として出演。当初はシンデレラ役を務める予定でしたが製作に遅れが発生しているうちに年月が経ち出産等を経験したことで自らシンデレラを降板し代わりにブランディを推薦したと言われています。


他にもクリストファー王子(通称チャーミング)役に

パオロ・モンタルバン女王役に「天使にラブ・ソングを…」で世界的に有名なウーピー・ゴールドバーグ継母役のベルナデット・ピーターズマクシミリアン王役には最近でも「ウィッシュ」にてサバ役を演じたビクター・ガーバー、さらに従者のライオネル役として「ノートルダムの鐘」でも活躍したジェイソン・アレクサンダーなど、、


豪華なキャスト陣が軒を連ねました。


「ザ・ワンダフル・ワールド・オブ・ディズニー」復活作、大物であるホイットニー・ヒューストンプロデュース、さらに元々人気のロジャース&ハマースタインのシンデレラリメイクという事で話題性が非常に高く、テレビ映画としては異例なほど大々的な宣伝が行われた末公開されたこの作品。


視聴数としては予想を遥かに超え、数々の記録を打ち立てる特大ヒットを達成します。特に女性や若者達から莫大な注目を集めました。


評価面では、批判家レビューとしてはある程度賛否両論論評となり、一部の演技構成とメッセージ性批判があがるものの一般評価を中心にトータルでは多大な絶賛を獲得。


さらに時の経過と共に批判家陣からの再評価も進み、各役者陣の演技ミュージカルパフォーマンスストーリーやメッセージ性の塩梅等が改めて称賛され、放送から25年以上が経つテレビ映画でありながら、ディズニーシンデレラ「もう一つの名作」として現在でも世界中沢山のファンから愛される一本となっています。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あらすじ




とある王国…。


シンデレラは継母達の買い物に付き合わされ、荷物持ちとして街に出ていた。


そこで、とある青年に出会う。

彼はひと目でシンデレラが気になり、執拗に声をかけるが彼女はあまり相手にしなかった…。


しかし、シンデレラはまだ気付いていなかった。

これが彼女にとって運命の出会いになるということを…。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

感想




しっかりとシャルル・ペローロジャース&ハマースタイン繋いだ伝統を継承するミュージカルに特化した、まさにディズニーもう一つのシンデレラ


友達のネズミ小鳥、意地悪な等は登場せず本来のシンデレラのストーリー忠実に、そしてそこに現代的価値観絶妙な塩梅で付与した非常に堅実なミュージカルファンタジーですね。


誰の心にも違和感なくスッと染み入る素敵なシンデレラだと思います。


もちろん時代テレビ使用の演出やセットなど現代に観るとそれなりにシュールな感覚は拭えませんが、それを補う程の作品のパワーを感じる作品です。


ミュージカル楽曲本場仕込みと言うか、、DCOMダンスミュージカルではない所謂ガチのやつなので見応えも充分です。



特にこう、、付け加えているエッセンスと言うのがまた本当に絶妙でして…



まぁ詳しくは↓以外↓で!



余白の上手な使い方




まず最初に少しだけ触れておきたいのは、キャスティングについてです。


これに関して現代に今作を知った人達「またディズニー…」と言っているのを見かけますが、これは、そうではありません


所謂現代のディズニーのそれではありません。


ホイットニー・ヒューストンや主役のブランディをはじめ制作側強い意志と拘りで、望んで実現させたキャスティングです。


主演のブロンディ「白人のシンデレラしかこれまで見てこなかった。それを覆し、私たちの子供達に希望を与えられる。これこそまさに魔法であり、これは私達の物語でもある。」という旨の発言をにしています。


この作品のキャスティングに関してそういった類の批判お門違いですし、個人的には許せません


…スミマセン珍しく少し言葉荒くなってしまいました。。


以後この話題は語りませんのであしからず…。



さて気を取り直して。


今作で個人的にとても好きなのは、シンデレラの物語余白を押し付けがましくない絶妙な塩梅埋めるような構成になっていること。


例えば継母

彼女はシンデレラに辛く当たり、本物の恋など信じていませんし、名誉やお金の為に娘達を王子と結婚させようとします。


これはほとんどのシンデレラでそうだと思うのですが、今作では、継母によるミュージカルシーンがあります。


そこでは、具体的に何があったかは明かされませんが、少なくとも過去に何か辛いキッカケがあり恋を信じなくなったこと、そしてシンデレラに辛く当たるようになった事が示唆されます。


さらにシンデレラと王子一目惚れに関しても、完全な一目惚れ婚にはせず、最初にちょっとしたニアミスをさせ「一目惚れなんてしても良いのか…これは恋なのか…」という趣旨の曲を2人に歌わせシンデレラに関しても【これは魔法の力では無くシンデレラ自身の力だ】という趣旨のメッセージをこれまたミュージカルをうまく使って匂わせています。


王子ただ親に従ってるだけじゃなく、ちゃっかり取引して舞踏会に参加してたり…




この辺の、物語の余白観客に意識させておいて具体的なところは「ご想像にお任せします…」的なやり方おしゃれだし小粋だし、すんごく好きです。


露骨じゃないんですよ。


シンデレラには不可能も可能にする力があるという趣旨を「あなたの中には音楽がある。」表現するところとか本当に好きなんですよね。


シンデレラという物語を良く読み解いて理解しているのがしっかり作品から伝わります。


この物語を愛しながら、さらに深掘りの余地を観ている人に与える…素敵な脚本だと思いました。



エンターテイメントとして




それと、やはり今作の見所はどうしたってミュージカルですね。


決して派手な楽曲とシーンばかりではないですが、本格的な、物語を伝えるための、物語と一体となったミュージカル


出演者のパフォーマンスもやはり物凄いですよ。


ブランディヒューストンウーピーに…ですからね。。


ブランディとかは正直まだ演技には初々しさが残りますがその歌声となるとやっぱり圧巻です。


演出はやはり少々時代や予算を感じる部分もあり、なんとなくディズニーランドのパレード彷彿とさせなくもないですが…それはそれでまた良いんですよね。


衣装とかは凄く凝っていて流石にとても美しかったです。


あと、ウーピービクター・ガーバーベルナデット・ピーターズ等の脇役陣のコミカル系の演技も本当に大きな見所ですね。


ウーピーとかもう…ちょっと遊んでるでしょ…みたいな所もありw


個人的にツボでしたw


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


まとめ




シンデレラという物語は、あまりに普遍的であり、世界中の人々の心に根付いているものです。

そんなシンデレラを映像作品にするにあたって、個人的にこの作品はとても誠意に溢れた素晴らしい一本だと思います。

オリジナルを尊重しながらも、様々な提案を決して押し付けがましくない塩梅で入れ込み、物語の根本の素晴らしさはしっかりと大切にしている。

さらにエンターテイメントとして適度な遊び心ミュージカル作品としての拘りもちゃんと盛り込んでいて、、

冒頭に語ったように、スッと入ってくる素敵なシンデレラなんですよね。

語彙力なくてスミマセンw

アニメーション、そして2015年の実写、、それ以外にもディズニーはこれまで沢山のシンデレラ作品化してきましたが、それらの名作に決して劣らない、製作者の情熱想い色んな物がしっかり乗っかった素晴らしい一本だと個人的には思っています。

ちなみに今作はテレビとしてはかなりの予算が費やされましたが、それでも終盤足りなくなり、ウーピー等がポケットマネーでそれを補ったという逸話も残っています。


現在では決して知名度の高い方のシンデレラではないかもしれませんが、是非ともまだまだ沢山の人達に観て欲しい「ディズニーが本気で作ったもう一つのシンデレラ」です。


「ロジャース&ハマースタインのシンデレラ」ディズニープラスにて現在配信中です♪

ちなみに!

2024年7月公開「ディセンダント」の最新作では今作のシンデレラと王子ブランディパオロクロスオーバーとして再登場します!

ぜひそちらの履修としてもこの機会にぜひ一度チェックしてみて下さいませ♪


はい。というわけで!


今回はこの辺で。


いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!


では、また次回!


しーゆーねくすとたぁいむー。







にほんブログ村 映画ブログ ディズニー映画へ