はーいどうも。
今回はディズニー制作のテレビ用アニメーションについて語っていきたいと思います。
1980年代頃からディズニーはテレビカートゥーンにもかなりの力を入れていて、現在でもディズニーチャンネルを中心に沢山のテレビアニメーションの名作を生み出した続けているんです。
有名なところでいくと「フィニアスとファーブ」「ダックテイルズ」最近では「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」や「悪魔バスター★スター・バタフライ」「キム・ポッシブル」等が高い人気と評価を得ています。
今回はそんなディズニーのテレビ産業の歴史の中でもトップクラスの評価と人気を誇るこちらの大ヒット作ついて語っていきたいと思います。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
【但しこの作品はちょっと特殊ですので、大事な部分のネタバレはしないよう一応配慮はさせて頂いております。】
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![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240530/19/yuzupill/21/61/j/o0697108015445356405.jpg?caw=800)
怪奇ゾーン グラビティフォールズ
(原題:Gravity Falls)2012〜2016年
制作総指揮
アレックス・ハーシュ
データ
2012年〜2016年に制作・放送された全41話のディズニーのテレビアニメーションシリーズ。
ディズニー・テレビ・アニメーションにより制作されディズニーチャンネル及びディズニーXDにて放送にて、約4年の歳月をかけて公開されました。
製作を指揮したアレックス・ハーシュ原案によるディズニーの完全オリジナルストーリー。
夏休みにオレゴン州の架空の田舎町グラヴィティフォールズに住む大叔父に預けられた12歳の双子、ディッパーとメイベルが町に起こる超常現象とそこに潜む大きな謎に挑むSFミステリーアドベンチャー。
原案と制作責任者は前述の
アレックス・ハーシュ。人気カートゥーンシリーズ
「スイチュー! フレンズ」も手掛けており、本作が
初の総監督作品となります。
芸大在学中、元ディズニースタジオのチーフ、ジェフリー・カッツェンバーグからのドリーム・ワークスへの誘いを断ったハーシュが自主制作した、幼少期の実体験や自身の妹をモデルにした短編作品のアイデアがディズニーに認められる形で制作が開始されました。
クリエイティブディレクターは「スパイダーマン:スパイダーバース」等でも活躍するマイク・リアンダ。
脚本は総監督のハーシュがメインで手掛けた他、クリエイティブディレクターのリアンダ、日系アメリカ人脚本家のシオン・タケウチ等も複数話に渡り参加しています。
さらにアニメーター・スーパーバイザーとして「アウルハウス」の総監督であるダナ・テラスも参加。
主人公である双子の兄ディッパー役を務めたのは「アナと雪の女王2」「ふしぎの国 アンフィビア」等でもキャストを務める俳優ジェイソン・リッター。日本語版は泰勇気さん。
もう一人の主人公・双子の妹メイベル役にはトイ・ストーリーシリーズのトリクシー役でも有名なクリステン・シャール。日本語版は原島梢さん。
そして今作第三の主人公と言える大叔父のスタン・パインズを演じたのは総監督のアレックス・ハーシュ。日本語版は中村浩太郎さん。
ハーシュは他にもレギュラーキャラクターのスース、さらにヴィランのビル役等多数のボイスも務めました。
全41話2シーズンと、ディズニーチャンネル系列のカートゥーンシリーズとしては少ないエピソード数ですが、これは打ち切り等ではなく総指揮のハーシュによる判断の作品完結となっています。
視聴数の方はディズニーチャンネル、ディズニーXDの歴代カートゥーンの中でも上位に入る程の数字を打ち立てる記録的な成功作となりました。
アニー賞も二度受賞。
評価面ではこちらも世界中から記録的な大絶賛を獲得。
特に子供が楽しめる不条理コメディを中心としながらも、大人もどっぷり楽しめるSFミステリーとしての張り巡らされた伏線やその回収、キッズカートゥーンとしてはギリギリのミニグロ表現、絶妙なキャラクター描写等が批判家陣や幅広い視聴者層から圧倒的な支持を集める大人気作となりました。
放送終了から年月が経過した現在でもその人気は全く衰えることなく、特に大人達を中心に多くの熱狂的ファンを獲得し続けており、ディズニーチャンネル作品群の中でも飛び抜けて絶大なカルト的支持を誇っています。
その前衛的な作風やストーリーはその後のカートゥーン作品に様々な影響を色濃く与え、今も尚多方面から「テレビカートゥーン史上に残る最大レベルの高評価作品」と称される事も多い程の、沢山の人から愛され続ける名作アニメーションシリーズです。
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あらすじ
夏休みの間だけオレゴン州の田舎町グラヴィティフォールズで暮らす事になった12歳の双子・ディッパーとメイベル。
迎えたのはグラヴィティフォールズで観光施設&ショップ【ミステリーハウス】を営む2人の大叔父スタン・パインズだった。
粗野で乱暴、詐欺まがいの商売を行なう大叔父とどこか不気味な田舎町…。
そんな新しい環境に戸惑うディッパーと何でも楽しめるメイベル。
その矢先、ディッパーは森でとある分厚い日誌本を拾う。
そこには街の異常な現象や謎についてが事細に記されていた。
この街は普通じゃない事を確信したディッパーは妹のメイベルと【ミステリー・ツインズ】を結成し、町に隠された謎を暴くために調査を開始。
そんな2人の身には次々と異常現象が巻き起こる。
こうして不思議で奇妙で愉快な【2人の長く短い夏のひととき】が今、始まろうとしていたのであった…。
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感想
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240601/10/yuzupill/5b/24/p/o1080060715445951685.png?caw=800)
もうこれは
知る人ぞ知るお化け作品として非常に有名な一本ですよね…。
ディズニーのテレビ作品、そして2010年以降の全てのディズニーアニメーション作品の中でも随一の圧倒的支持と人気を誇るカルト作品です。
もう兎に角マイナスな評価や口コミをほとんど目にしません。
ずっと気にはなっていたし、ちょこちょこ放送で観たりはしてたんですが…今回遂に
意を決して全話イッキ視聴。
正直あまりにも評判が良すぎて、少々先入観というか期待値が高かったのは否めなかったんですが…。
いやぁ…。最高でした。
高かった期待値を軽く超えてきましたね。
最大の魅力とも言える大人も唸る伏線だらけのSFミステリー要素、そしてそれと共存するカートゥーン味爆発の不条理コメディ。
この2つは予想通り素晴らしかったんですが、想像していなかったのがシリーズを通したキャラクター描写の見事さと、所謂エモ要素。
そしてこれら全ての要素が最高のバランスでハイブリッドされている事。
シリーズモノというのはこのバランスが本当に難しいと思っていて、例えば同じく人気のディズニーカートゥーン「悪魔バスター★スター・バタフライ」とかは後半にいくに連れてこのシリアスとコメディのバランスが少々うまく行かなくなっていくのを感じました。
それが今作は全く無いんですよ。
作品としての破綻や無駄、間延びやダレがほとんどない。なのに決して急いでなくて遊び心もたっぷり。このバランスは本当に奇跡的な素晴らしさだと思います。
非現実的なSFファンタジー、しかもデフォルメカートゥーンなのに、手触りを感じるくらいリアルなんです。
最初から最後まで笑って悩んで怖がって時にはちょっぴりホロリとしながら、ディッパー&メイベルと一緒になって不思議で楽しくて切ないグラヴィティーフォールズのひと夏を体験してるような、本当に素敵な作品です。
人気から来る引き伸ばしを敢えてせず、構想通りのストーリーでしっかりと着地させて終わらせた製作者の英断に拍手を送りたいですね。
本格SFミステリー
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240601/14/yuzupill/ec/d6/j/o1080060715446018561.jpg?caw=800)
まずやはりこの作品で
多くの人を惹きつけた魅力がこの
本格的なSFミステリー要素です。
最近のカートゥーンシリーズと同様に今作も1話完結の単発エピソードの中に大きな縦軸のストーリーが通っているという構成なのですが、単発に見えるエピソードの中に縦軸のストーリーに繋がる様々な伏線が多数散りばめられています。
それはオープニングから本編、エンディングまで多岐に渡っており、普通に見てても気付く分かりやすい物から、コマ送りしないとわからないレベルのもの、さらには紙とペン片手に暗号解読しないとわからない物まで…バリエーション様々です。
子供には到底読み取り不可能な物も数多くあり、これらのミステリ要素が沢山の大人達の好奇心を掻き立て、今作は大ブレイクを果たしました。
もうこれは文句なし。
最高に面白いです。
前情報があったので注意しながら観ていましたが、多分それでも自分は半分も見つけられてないと思いますね。
文字通りホントにオープニングからエンディングまで気が抜けません。
しかも伏線に見せかけてそうじゃない…というミスリードも結構ありますので、これだけでも大人は非常に楽しく観れると思います。
盛り込まれた遊び心
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240601/14/yuzupill/d2/72/p/o1080060715446018571.png?caw=800)
上記だけ見るとディズニーらしくない
大人向けアニメか…と思いきや
全くそんな事はないのが今作の凄いところ。
あくまで基本はコメディカートゥーンです。
ギャグセンスも半端なくて、子供もわかる定番ギャグから超シニカルギャグ、風刺ギャグ、結構ディズニーではギリギリの暴力的な表現やギャグまで、ありとあらゆる【おもしろ】がふんだんに詰め込まれています。
社会問題やポリコレと言われる要素まで全部ギャグに昇華しちゃってます。
それだけじゃなく、表現や構成も様々な手法やシステムに手を出していて、有名他作品を結構大胆にオマージュしたり、クレイ・アニメと融合させたり、オープニングが急にヴィランバージョンになったり、はたまた突然実写映像が差し込まれたり……最早ジャンル分け困難ななんでもありの超ハイブリッドエンターテイメントとなっています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240601/15/yuzupill/9a/85/p/o1080060715446032238.png?caw=800)
製作者の
頭の中を
ひっくり返したような
カオスっぷりですが、それがまた
上手い塩梅で差し込まれるので、ここまでやっても作品が全く
ブレてないんですよね。
これは本当に凄いです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240601/15/yuzupill/11/c9/p/o0670036015446032240.png?caw=800)
登場キャラクターが皆それぞれ
違う方面にぶっ飛んでいて、
キャラクターショーとしても
一級品です。
ホントにエンターテイメントとして全く隙がないんですよね。
計算された人間ドラマ
そして、ここまで様々な要素が詰め込まれた今作において、その核となっているのが人間ドラマだというのが驚愕なんです。
この作品は、あくまで12歳という大人の階段の手前にいるディッパーとメイベルの成長物語が核となっています。
この不思議なひと夏を通して、子供時代へ別れを告げる2人の描写がまぁ細かくて切なくて…
そしてもう一人。
孤独によって屈折しまった大叔父のスタン。彼の成長もホントに丁寧に描かれていて…もう最後は泣かされますw
それとレギュラーキャラクターのスースとウェンディ。この二人もまたディッパー達との関わりを通して大きく成長する重要キャラです。
それぞれのキャラクターがシリーズを通してさり気なく、だけどとても丁寧に描かれているんです。
だからこそ最後は本当泣かされますw
まさかスタンやスースに泣かされるとは思いませんでしたよ。
全ての謎が解かれたあとに残る切なさと甘酸っぱさと前向きな気持ち…。
伏線でもギャグでもなく、やはりこれこそがこの作品の核なんですよね。
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まとめ
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240601/15/yuzupill/45/ca/p/o0780043615446040353.png?caw=800)
兎に角!
兎に角一度見て欲しいです!
ここまで沢山のエンタメ要素を詰め込みながら、最後まで丁寧に、隙なく、ブレずに、完璧に完結したアニメーションシリーズを自分は知りません。
色んな楽しさと色んな感動を一緒にくれる、ホントに素晴らしいカートゥーンの大傑作です。
ハッキリ言うと、ディズニー関係なくこれまで見てきた海外日本含む全ての実写ドラマほとんどの上を行く作品だと個人的には思っています。
ディズニーは苦手だという方…
アニメーションは苦手だという方…
テレビ作品には興味ないという方…
色々な事情はあるでしょうが、、
あんまりこういう言い方はしたくないんですが、今回は言わせて下さい。
これを観ないのはあまりに勿体ないです!
ましてやディズニーファンの方、カートゥーン好きな方、SFミステリが好きな方、そういう方には尚更です。
「怪怪奇ゾーン グラビィフォールズ」はディズニープラスにて全話配信中です!
お子様も勿論楽しめますが今作のメインターゲットは大人です。
もし、この記事を見て少しでも気になった方がいてくれたら、、何卒一度チェックしてみて下さい。
もっともっと沢山の人達に、この作品に触れて、知って頂きたい。
切にそう思いますね。
はい。
というわけで!
今回はこの辺で。
いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!
では、また次回!
しーゆーねくすとたぁーいむ。