はいどうもぉ。
今回は前記事で語りきれなかった「リトル・マーメイド(2023)」語りの第二回となります。
是非ともこちらの記事にお目通し頂いてから読んでいただけると幸いです!
それでは早速いきましょう!
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リトル・マーメイド(2023)
(原題:The Little Mermaid)2023年
監督
ロブ・マーシャル
※あらすじや作品データ等は① の方で語っていますので割愛とさせて頂きます♪
音楽の継承と進化
とは言っても前回記事でだいぶ言いたい事の重要な部分は語っちゃったので、今回はまぁおまけみたいなものですが…。
ただやっぱり今作の語りで'音楽'について触れないということはどうしてもできなかったので…。
思えばオリジナルのアニメーション映画「リトル・マーメイド」の最も大切な要素の一つが音楽でした。
当時これが初のディズニー作品、そして初の映画仕事であったミュージカル畑の二人、アラン・メンケンとハワード・アッシュマンが至極の名曲達で作品に魂を吹き込み、ブロードウェイ風のミュージカルとアニメーション映画が完璧に融合したディズニーの新たなスタンダードとの大きな礎を打ち立てたんですよね。
そして30年後の実写リメイクとなった今作。
今作の音楽を担当したのはオリジナル同様のアラン・メンケン。
そしてハワード・アッシュマンが残した数々の名歌詞の多くをそのまま使用し、一部の変更と追加音楽を「モアナと伝説の海」や「ミラベルと魔法だらけの家」で多くの名曲を生み出したリン=マニュエル・ミランダが担当しています。
この音楽がお世辞抜きに本当に素晴らしいんです。
作品全体の方向性と同様、核となる部分は大切に全く変える事なく、あくまでも現代の作品として、そして実写映画としての取捨選択を絶妙に行い、見事に世界観を拡大しています。
まず劇伴からして本当に見事で。
もちろんアニメーション版とはアレンジも音質も全く違います。実写映画に相応しいようにその音圧を上げていたり、ドラマチック感を増していたり。
それでも。
数秒聴くだけでわかるんです。
これは紛れもなくリトル・マーメイドの音楽だということが。
これが本当に凄い。
そして個人的に最も好きなのが、アリエルの「part of your world」のアンサーソングにもなっているエリック王子の「wild uncharted waters(まだ見ぬ世界へ)」です。
この映画の中でおときちが恐らく一番好きなシーンがここです。
アランによる楽曲そのものと、海辺でエリックが熱唱するそのシーン自体がまず本当に素晴らしいのですが、何よりも感動したのはミランダによるその歌詞です。
ここではない広い世界の先にエリックを見たアリエル。
それに対して同じように果てしなく広い世界の先にアリエルを探すエリック。
この2人の対比と共通点をこの一曲を通して完璧に観客に示しているんです。
もうこれは圧巻でした。
前記事でも語りましたが、その後の2人がお城で世界中の品々を観ながら夜まで語り合う【真の出会いのシーン】も含めて、アリエルとエリックが惹かれ合う根本の理屈をこんなにも明確に掘り下げ示してくれていること。
これがこの作品は凄いんです。
改変ではなく掘りさげなんですよね。
そしてそんな2人の想いとトリトン達を絡めて(ここで姉達が7つの海に散らばっているという設定変更が効いてくるんです)ラストには、まだ見ぬ広い世界→1つの世界へ見事に着地させている。
これが重ね重ね本当に素晴らしい。
この一曲のシーンを見た瞬間に、この作品は今までの実写化映画とは絶対的に違うという事を確信しました。
忘れられないシーンですね。
キャラクターとキャスティング
アリエルとエリックについて。
オリジナルと「同じキャラクターか」と聞かれれば答えはノーです。
オリジナルのイメージに強い拘りがある方にとっては抵抗があるのも無理はないでしょう。
そして敢えて客観的に言うのであれば、この作品はどんな言葉を使おうが【実写リメイク】だし、監督が何と言おうがハリー・ベイリーのキャスティングに【アフリカ系アメリカ人】という事実が全く無関係だったワケがありません。
それを踏まえた上で言わせてもらうと【このリトル・マーメイド】において、このキャスティングは本当に大正解であり、非常に的確だったと思います。
アニメーションの【あのリトル・マーメイド】においては間違いなくマーク・ヘン達が生み出しジョディ・ベンソンが命を吹き込んだあのアリエル以外考えられません。
そしてそれと同じように【このリトル・マーメイド】においてのアリエルは、ハリー・ベイリー以外考えられないんです。
何を言いたいかは、リトル・マーメイドが好きな方にはこの実写版を観て頂ければきっとわかると思います。
前記事から何度も語ってきた「オリジナルの世界とテーマを拡大し掘りさげた」このリトル・マーメイドにおいて、ハリー・ベイリーによるアリエルは絶対に必要だったんです。
同一人物だとは思えません。
だけど、この作品のアリエルとエリックもまた、紛れもなく素晴らしいアリエルとエリックなんです。
それは間違いありません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まとめ
はい。
という事で。
長々と2記事に渡り語ってしまいました。
なんとなく言いたい事が半分でも伝わって頂けたら、そして少しでもこの作品に興味を持って頂けたら、こんな幸せな事はありません。
公開当時炎上していたそのトピックに対して、深く言及するつもりはありません。
ただ、1つだけ言いたい事があるとするなら
【こんなのリトル・マーメイドじゃない】
【こんなのアリエルじゃない】
そう言えるのは、やっぱりリトル・マーメイドとそのキャラクターを心から好きな人だけではないかな、、という事です。
明らかに作品にもキャラクターにもそれ程の思い入れがないような人の声が当時は本当に多くて、結構しんどかったんですよね。
そして、リトル・マーメイドを、アリエルを、好きな人であればある程、きっとこの一本は心を揺さぶる作品になっていると個人的には確信しています。
だから、ぜひとも自分の目で、耳で、感じて、作品と向き合って判断してみて欲しいです。
自分はこの作品を観たことで、より一層、これまで以上にリトル・マーメイドという物語と、そしてアリエルとエリックというキャラクターの事が大好きになりました。
この素晴らしい作品を、全力の情熱をかけて、そして愛をもって作り出してくれた制作陣、キャスト陣に本当に心から感謝ですね。
「リトル・マーメイド(2023)」は現在ディズニープラスで配信中です♪
今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪