ディズニー映画語り きつねと猟犬2 | すきなものしか語れない

すきなものしか語れない

元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。

はーいどーもー。


今回は恒例の今は無きディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。 



いっとき巷に溢れた所謂ディズニーヒット作のひどい続編主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実はとても素敵な作品もいくつも世に送り出しています。



今回はそんなトゥーンスタジオ作品群の中から、ファンから特に人気の高い1980年代ディズニー長編アニメーションの約25年ぶりとなった続編作品ついて語っていきたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



  きつねと猟犬2

(原題:The Fox and the Hound 2)

2006年

監督

ジム・カメルッド


データ

1981年に公開され「きつねと猟犬」から実に約25年ぶりの新作長編作品。


ディズニー・トゥーン・スタジオ系列によって制作され2006年にソフトダイレクトにて公開されました。


トッドとコッパーが出会ってから大人になるまでという前作の空白期間に起きた出来事を描いたスピンオフ的続編

原作はダニエル・P・マニックスによる小説を元としていますが、今作に関しては登場キャラクター以外ほぼ全てがディズニーのオリジナルストーリーとなっています。



監督を務めたのは「リトル・マーメイドⅡ」「101匹わんちゃん2」等様々なディズニーの続編作品を手掛けているジム・カメルッド


脚本はロジャー・SH・シュルマンリッチ・バーンズ「ムーラン2 」「ジャングル・ブック2」「ブラザー・ベア2」等こちらの二人も多数のディズニートゥーン作品を手掛けており、シュルマン「シュレック」の脚本家としても知られています。


音楽はトゥーン・スタジオの作品音楽を何本も手掛けてきた実力派ジョエル・マクニーリー

カントリーをベースとしたオリジナル楽曲多数のソングライターから提供されています。


本作の主人公であるきつねのトッド役を務めたのは子役のジョナ・ボボ日本語版は柴井伶太さん。

猟犬のコッパー役には同じく子役のハリソン・ファーン。日本語版は大隅祐輝さん。

コッパーの飼い主であるハンターのエイモス・スレイドを演じたのは数多くのディズニーキャラクターを長きに渡り務め続ける立役者ジェフ・ベネット。日本語版は前作に引き続き大塚周夫さん。

トッドの飼い主である農夫のトゥイード夫人役にはのルシー・テイラーミニー・マウスの専属声優として世界的に広く知られている名アクターです。日本語版はこちらも前作からの続投で新道乃里子さん。


他にも新キャラクターであるシンギン・ストレイズのメンバーとしてパトリック・スウェイジリーバ・マッキンタイア等のスター陣も配役されています。


長年ファンから人気の高かった作品まさかの続編という事で一部から高い注目を集めていた1本でしたが、リリース後は特に大きな話題になる事はなくセールス大ヒットとは言えない結果に終わっています。


評価面でも総合的には芳しくなく、前作とのテーマ性や作風の大きな乖離捻りのないストーリー批判を呼びましたが、キャラクターの愛らしさや本格カントリーを盛り込んだ音楽一定の高評価を獲得しています。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あらすじ



これはいずれ敵同士となる運命を背負ったきつねのトッドと猟犬コッパーがまだ幼かった頃の物語。

ある日2人は近くにやってきた移動遊園地へこっそりと遊びに出かける。
そこで出会った野良犬たちのバンド「シンギン・ストレイズ」にその歌声を見初められたコッパーはバンドのメンバーへ勧誘される。
自分への自信を失っていたコッパーは、バンドとの時間に夢中になりトッドとの約束を反故にしてしまう。

そしてそんな中、バンドを首になった元看板犬のディキシーは新メンバーのコッパーが気に入らず独自に妨害工作をはじめる。

トッドとコッパーの友情は果たしてこの試練を乗り越えることができるのか…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

感想





トゥーン・スタジオ続編映画の中でも前日譚等のスピンオフ系作品は、オリジナルと世界観やストーリー絶妙な塩梅でリンクさせた優秀な作品が比較的多いのですが…今作に関しては正直相当酷しいですね。

子供向けのミュージカルアニメとしてな卒なく楽しく良く出来ていると思いますが…本当にそれだけなんです。

端的に言うとズバリ…きつねと猟犬の続編にした理由が何1つ理解できない…といったところでしょうか。

この作品の骨格を担っている大切なテーマ根本の趣旨独自の精神性、、その全ての要素1つも引き継いでいないリンクさせようともしていない

どんなに作りがイマイチでもめったにこんな事は言わないんですが、こればっかりは「きつねと猟犬」の続編とは到底思いたくない作品と言わざるを得ません。

前作からのストーリー精神性繋がりなど皆無であり、よくあるような子供向けの友情ミュージカルきつねと猟犬ガワだけ無理矢理当て込んだような、そんな1本になってしまっていて、本当に残念でした。

正直スピンオフにもなれていない…というのが率直な感想ですね。

きつねと猟犬である意味



きつねと猟犬と言う作品はその登場人物や世界感のミニマムさ地味さと裏腹に【やがて敵同士になる悲しい宿命を背負った2人の友情】という重めのテーマを扱った意欲作でした。

多少の散らかりはあれど、このテーマが唯一無二のこの作品の個性でありそれが他の作品との決定的に違う部分だったんです。

主役のトッドとコッパーに関してもそれぞれ単体で見るとキャラクターとしての大きな個性や魅力がないように見えるのはこの宿命こそがこの2人の最大の個性だったからなんですよね。

トッドと夫人の関係性にしても夫人とハンターの関係性にしてもそれぞれそういう一種の緊張感があるからこそ観客は引き込まれて観ることができた。

この2はそういうこの作品をこの作品足らしめている大事な要素完全に無死してしまっています。


トッドとコッパーだけでなくそれぞれのキャラクター間の関係性も非常に薄っぺらいテンプレートになっているし、ストーリーは本筋と何の関連性もない、突如やってきた移動遊園地のバンド犬グループ

移動遊園地を舞台にしてるので基本的に自然界を舞台とし人間が2人しか登場しなかった前作とは世界感も趣きも全く違う物になっている。。

重要なキャラクターであったビッグママディンキーブーマーなどは一切登場も言及もされない…。


などなど…。

要は「きつねと猟犬」である意味が一切感じられないんですよね…。

蛇足的な続編が多いトゥーン作品はありますが、これはその蛇足にすらなれていない…といったところです。

制作側は本当にオリジナルをしっかり観ているのか、この作品に愛情があるのか、正直疑ってしまうレベルでした…。

キッズ映画として



きつねと猟犬続編である事を忘れればキッズ向けエンターテイメントムービーとしてそれなりにクオリティの高い作品だとは思います。

トッドとコッパーのわかりやすい友情ドラマ、そしてシンギン・ストレイズを使って魅せた【夢を追う為に見失った物】というテーマ性
遊園地という舞台を活かした華やかで賑やかな映像の楽しさ小気味よいギャグ
心地よいカントリーミュージックの数々。

ストーリーもよくまとまっているし、決して悪くないんですよね。

暗く重たい重厚感と複雑さがあった前作とは違って、お子様と一緒に観るなら今作のほうが楽しめるという方も多いとは思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まとめ



前述のように1本のカートゥーン作品として見処が全く無いわけではないレベルの高いキッズカートゥーンだとは思います。

ですが、やはり「きつねと猟犬」という映画の続編を語っている以上はこの作品を良作とは決して言えない…というのは間違いなくて。。

そもそもディズニー作品群の中では比較的地味な立ち位置にあたるこの作品の続編を、どういう経緯で作ることになりどういう経緯でこういうストーリーにしたのかはわかりませんが、、。

正直なところ、、、

【別にやりたくないなら無理して続編つくらなくても…】

と言う言葉が視聴後一番に浮かんできてしまいましたね…。

わんわん物語とか101匹わんちゃんとかおしゃれキャットとかのボツネタか何かですか?…と。


数あるトゥーンの続編作品の中でも、個人的には3本の指に入る程ガッカリしてしまった1本でした…。


こんなにも【観なくても何の問題もない】言い切れてしまう続編も…なかなかないです。


ちょっとネガティブ発言が多くはなっちゃいましたが、重ね重ね(幼い)子供が見るにはおそらくオリジナルより最適なのは間違いない1本ではあります。

それときつねと猟犬に思い入れが全く無い人とかだったら、ディズニーのいち長編カートゥーンとしてそれなりに楽しめる内容にもなっています。

もちろんどうしてもオススメしたい!という類の作品ではありませんが、未見の方はお時間のある時に一度チェックしてみるのも良いかもしれません♪

ただ、トゥーン・スタジオの続編群にはもっと素晴らしいものも沢山ありますので、それだけは誤解しないで頂きたいところではありますね……!



「きつねと猟犬2」は現在ディズニープラスで配信中です♪



はい。


というわけで今回はこの辺で!


今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪


しーゆーねくすとたぁいむー。