ディズニー映画語り プルートのありがた迷惑 | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。


はいどうも〜。


さて今回はディズニーの原点である短編映画シリーズについて語っていきたいと思います。


意外にもこのブログで初めてとなる、プルートの短編作品シリーズの登場です。


プルート1930年ミッキー・マウスシリーズ「ミッキーの陽気な囚人」で初登場。

ミッキー・マウスシリーズに何作かゲスト出演した後、そこから派生する形で1937年から単独シリーズがスタートします。


子供人気の高騰により温厚な性格に変化していったミッキーに代わり、喋らないながらも喜怒哀楽豊かトラブルメーカーなその性格ストーリーやギャグの起点として重宝され、1940年代〜1950年代にはミッキーシリーズへの出演と兼任しながらも年間3本〜5程の作品がコンスタントに公開される等、短編作品の主力キャラクターとして大活躍しました。


主演シリーズではミッキーの飼い犬という設定に囚われず様々なシチュエーション大暴れする一方で、ミッキーのシリーズでも後期では実質プルートを主役とした作品が多くなり、派手な行動が取れずマンネリ化に悩んでいたミッキーの真の相棒として最後まで2人で出演を続けました。


又、プルートシリーズはほとんどがパントマイムメインの作品ながらそのバラエティ豊かな展開が当時から全体的に高い評価を集め続けていたのも特徴的で、アカデミー賞を受賞した作品もあります。


現在でもミッキーの愛犬として、ディズニーのレギュラーキャラクターとして、圧倒的な人気と知名度を維持し続けているキャラクターです。



今回はそんなプルートの短編シリーズの中から、個人的にお気に入りの作品を1本ご紹介していきます。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  プルートのありがた迷惑

(原作:Pluto's Sweater)

1949年

監督

チャールズ・A・ニコルズ


データ


1949年に公開されたプルート・シリーズ第30作目(諸説により前後あり)となる短編アニメーション映画


監督はアメリカンアニメーション黄金時代の猛者、チャールズ・A・ニコルズ

「ピノキオ」の制作にも参加しプルートの短編シリーズの多くを手掛けた他「プカドン交響楽」ではアカデミー賞も受賞した短編アニメーションのスペシャリストです。


脚本にはイラストレーター・漫画家としても知られるエリック・ガーニー


音楽は短編・長編に囚われずこの時期のディズニーミュージックの要として大活躍していたオリバー・ウォレス



プルートを演じたのは初代担当声優であるピント・コルヴィクグーフィーのオリジナル声優としても有名です。


フィガロの声を務めたのは初代ドナルドの声優としても名高いクラレンス・ナッシュ


ミニーは四代目のルース・クリフォード

日本語版は実に27年もの間ミニーを演じた水谷優子さんが務めています。


1946年1947年に公開された「フィガロの短編作品シリーズ」の2本と共通のスタッフ・キャスト陣によって制作が行われており、実質的には続編に限りなく近い内容となっています。


プルートシリーズ比較的後期に作られたこの作品は、数少ない【ミニーの飼い犬】設定のエピソードであり、長編映画「ピノキオ」から輸入されたキャラクター・子猫のフィガロ最後の出演作品となった事でも有名な1本です。


ありふれた日常を描いたほのぼのコメディエピソードですが、そのある意味あるある的共感性の高い内容やミニーを含むキャラクターの愛らしさ好評を獲得し、特に日本ではファンから愛され続けている1本となっています。



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あらすじ



ある日ミニーはプルートの為に手編みのセーターを作りプレゼントする。

そのセーターが気に入らないプルートだったが、結局それを着て半ば強制的に散歩に行かされる事に…。

そんな様子を見て大笑いするフィガロや近所の犬達。

プルートのイライラは頂点に達し、何とかセーターを脱ごうとするのだが…。

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感想



基本的には新しさ斬新さあまり無い、プルートの短編作品の中では平均的な仕上がりの1本だとは思います。

ですが今作は、その日常を切り取ったような平和な作風や何よりもキャラクターの愛らしさが、他と比べても特に際立つ作品になっています。

【手編みのセーター】という非常に馴染みやすく共感性の高い題材も良かったですよね。

キャラクターの気持ちに感情移入しやすいのでより愛らしさが際立ちます。

ミニー、プルート、フィガロ、、
各々の特徴を本当に良く活かした巧みな描写が多くて、それぞれがホントに魅力的に表現されているんです。



少し脱線しますが…。

ディズニーと言えばやはり一流のエンターテインメント企業、そして映画企業というイメージが強く、当然ながらパークではアトラクションやショー、映画ではそのストーリーや音楽・アニメーションが注目されます。

しかしながら、その屋台骨を支えてるのはやはり【キャラクター】です。

ディズニーが他よりも圧倒的に優れているところはと聞かれたら、個人的にはまず一番にこの【キャラクター力】を挙げますね。

古くはオズワルド、正式にはミッキーから始まり、ミニープルートグーフィードナルドチップとデール、、登場するキャラクター達が作り手の意図を大きく超える形で次々とスターに駆け上がりました。

そして長編映画になってからもそのキャラクター力は全く衰えず、プーさんマリーティンカー・ベルスティッチクラリスマックス…そして新しい所で言うとウィッシュマグニフィコなど、映画の認知度以上人気をキャラクターが単独で獲得した例も多数あります。

ただこの【キャラクターに依存した人気】というのは諸刃の剣で、作り手側、そしてファンから時に嫌煙されがちな現象でもあるんですよね。

ディズニーも様々な趣向の作品パークのエンターテインメントで【キャラクターだけではない】事を証明しようとしてきて、それはある程度成功していると思います。

ただやはり、ディズニーはこの【キャラクター】とはどう頑張っても切っても切れない関係だと思いますし、個人的にはこの【キャラクター力】をもっと誇って良いと思うんですよね。

近いところで顕著だったのはやはり【東京ディズニーシー】です。

当初このパークは【キャラクターとは一定の距離を置いた大人のテーマパーク】として計画されました。

アトラクションやエンタメも、キャラクターに依存しない内容の物が多かったですよね。

ただ現在では、ディズニーランドに負けないくらい【キャラクターに依存したパーク】180度変貌を遂げました。

これを悲しむ声も多くてとても良くわかるんですが、でもこれはある意味ディズニーの最大の武器は何か…を顕著に示した現象だと思うんですよね。

【魅力的なキャラクター】をこんなにも沢山次々に生み出すのは決して当たり前の事じゃなく、、本当に物凄い事だと思うんですよね。

作り手側もファンも、このディズニーの最大の武器をもっと大事に、そして誇って良い事だと思うんです。



話を戻しますが、この作品のように内容は目新しさのないスタンダードコメディカートゥーンでも、キャラクターの持っている個性丁寧に描けば、それだけで十分に魅力的な、人を惹きつける作品に仕上がるんですよね。

これはやっぱり凄いことです。

↑のミニーなんか…もう本当最高ですよねw




そしてもう一つ。
 
この作品はギャグ後半の畳み掛けがもう最高なんです。

久々に見たら声出して笑っちゃいましたw

この辺もやっぱりもう職人芸の域ですよね。

個人的にこの時期熟練されたコメディセンスがホントに大好きなんです。

もうね、、今大人が見ても本当に普通に爆笑する程面白いですからねw


ぜひ実際に映像で見て、確かめてみて頂きたいですねこれは。



「プルートのありがた迷惑」は現在ディズニープラスで配信中です♪

約7分の短編作品になってますので、ぜひそのキャラクターの魅力的な愛らしさと、熟練されたギャグの畳み掛けを堪能してみて下さい!






はーい。



というわけで今回はこの辺で!



今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪



しーゆーねくすとたぁいむー。