ディズニー映画語り 101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険 | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。



はーいどーもー。


今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。 



いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実はとても素敵な作品もいくつも世に送り出しています。


今回はそんなトゥーンスタジオの作品の中から、あのディズニーの名作クラシック作品から約40年ぶりとなった続編作品ついて語っていきたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険

(原題:101 Dalmatians II: Patch's London Adventure)

2003年

監督

ジム・カメルッド

ブライアン・スミス


データ


1961年に公開され大ヒットを記録した「101匹わんちゃん」から実に約40年ぶりの新作長編作品。


ディズニー・トゥーン・スタジオ系列、そしてディズニー・テレビジョン・アニメーションによって制作され2003年にソフトダイレクトにて公開されました。


(※※厳密に言うと今作はトゥーン・スタジオ名義の作品ではありませんが、この時期のトゥーンとテレビジョンアニメーションは密接な関係でありクリエイター等も含めて垣根が曖昧な状況だった為【トゥーン・スタジオ】一纏めで紹介させて頂いています。)


前作の約1年後のキャラクター達を描いた後日談。

原作はドディー・スミス著の小説ですが、今作に関しては登場キャラクター以外ほぼ全てがディズニーのオリジナルストーリーとなっています。


ちなみに「101匹わんちゃん」テレビシリーズも何本か制作されていますが、それらの作品とはストーリー的な繋がりありません



監督と脚本を務めたのはジム・カメルッドブライアン・スミス1990年代後半〜2000年代中盤にかけて「リトル・マーメイド」「ポカホンタス」「ターザン」等様々なディズニーの続編作品を手掛けている2人です。


音楽は様々な会社の多種多様な作品の音楽を精力的に手掛ける音楽クリエイター、リチャード・ギブス



今作の主役はタイトルの通りダルメシアンズの一員の中からヒーローに憧れる子犬・パッチが務めます。演じたのはドラマや映画で活躍するイギリスの俳優ボビー・ロックウッド。今作が彼のキャリアの最初の仕事となりました。日本語版は稲垣謙介さん。


ダルメシアンズの父親であるポンゴを演じたのはサミュエル・ウェスト。日本語版は藤原啓治さん。クレヨンしんちゃんの野原ひろし、キングダムハーツのアクセル等でも有名なレジェンド声優さんです。


母親のパディータ役にはプーさんシリーズのカンガ等様々なディズニーボイスを演じているキャス・スーシー。日本語版を伊倉一恵さん。


さらに再登場となる最恐ヴィラン・クルエラスザンヌ・ブレークスリーが演じています。シンデレラの続編シリーズでトレメイン婦人を演じ、さらにキングダムハーツシリーズではマレフィセントを継続担当する等、ディズニーヴィランズに縁の深い人物です。

日本語版ではタレントの研ナオコさんがクルエラ役を担当しました。


パッチの憧れのヒーロー犬サンダー・ボルト役にはバリー・ボストウィック。日本語版を山寺宏一さん。


その相棒であるリトル・ライトニング役にはノートルダムの鐘のヒューゴ役でも知られるバリー・ボストウィック。日本語版をタレントの中山秀征さんが演じています。


そしてダルメシアンズの飼い主ロジャーアニータをそれぞれティム・ベンティンクアリエル役でお馴染みのジョディ・ベンソンが務めました。

日本語版な本間ひとしさん、りのさんがそれぞれ演じています。


日米共に一風変わった、癖のあるキャスティングが成されているのが特徴的です。



ディズニー名作続編への世間の悪評が最も強い時期にリリースされた本作でしたが、他の続編昨品とは違い概ね高い評価を獲得します。


クルエラやロジャー、ポンゴなどの既存キャラクターの扱い方や描写アニメーション演出のムラ等に関しては批判的な声も多く上がりましたが、それ以上に主役のパッチやサンダー・ボルト、そしてヴィランのリトル・ライトニング等のキャラクター性や、前作のコピーではなく新しい物語が展開されるプロット面等が主に称賛されました。


DVDX賞では何と4部門を受賞するという快挙も成し遂げています。


日本ではそれほど話題にならず流れてしまった感の強い今作ですが、サンダー・ボルトのキャラクター性子供受けするストーリー等から、ディズニーの続編作品群の中では比較的高い人気を維持し続けている1本です。



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あらすじ

 


クルエラによるダルメシアン窃盗事件から約1年…。


100を越えるダルメシアン達が家族となり大所帯となったラドクリフ家は、ロンドンを離れ田舎町への引っ越しをいよいよ実行しようとしていた。


そんな中テレビのスター犬であるサンダー・ボルトに憧れる子犬パッチは、沢山の兄弟達の中で小さな疎外感を感じ悩んでいた。


引っ越しの前日。

自分はただの【101分の1】なのではと寂しさを募らせ、群から離れて夜を越したパッチは翌朝なんと引っ越していく家族達に置き去りにされてしまう。ポンゴ達はパッチが不在なことに気づかぬまま出発してしまったのだ。

捻くれたパッチは、ちょうどロンドンにやってきていたスター、サンダー・ボルトのイベントに向かう。


そんなスター犬サンダー・ボルトは、相棒のリトル・ライトニングから自分が番組から降ろされるという情報を聞いて焦っていた…。


一方その頃…保護観察中だったクルエラはひょんな事からブチアーティストのラースと出会い、ダルメシアン達への執着を再燃させてしまう…。


パッチ、サンダー・ボルト、クルエラ…それぞれの思惑が重なり合い、自体は再び子犬達を巻き込む大騒動へと発展してしまうのであった…。


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感想



いやぁ。。

正直個人的にはかなりキツかったです…。

数あるトゥーン系列続編作品の中でもトップクラスでしんどい1本でした。

端的に言うと…オリジナルで【良い】と思った要素が1つ残らず排除されてしまった感じです。

一般的に評価されてる部分もわかるにはわかるのですが、、早い話が【ディズニーの良質なエンターテイメント映画】【ディズニーの良質なよくある子供アニメ】変貌した……という、この表現に尽きるかなと思いますね。

良い部分もあるんですけどね…。
「101匹わんちゃん」シリーズとしても長編アニメーションとしても…正直特筆すべき事の無いまさに蛇足的な仕上がりになってしまっているな…と。

3回観ましたが正直3回共最後まで観るのがキツかったです…。

二次創作として



他の記事でも語っていますが、このディズニーのトゥーン続編シリーズというのはあくまで公式公認二次創作です。

二次創作の面白い部分というのはある程度この作品でも成功はしていると思います。

オリジナルで登場した【テレビ番組】のキャラクターに着目・クローズアップして話を膨らませたり、新キャラクターによってまた違った視点での全く異なるストーリーをしっかり描けていたり…。

外側を替えただけでやってる事はオリジナルのコピー…という内容が多かったこれまでの続編作品とは違っていて、これは確かに良かったと思います。

あとはオリジナルの最大の特徴だったゼログラフィシステムによる硬く粗めな画風を出来るだけ再現しようとしていたのも良かったです。

ただ、良いと思ったのはホントにそこだけでしたね…。

二次創作では往々にして起こりがちな事ではあるんですが、おそらくこの作品の制作陣「101匹わんちゃん」という作品の良さというのをイマイチ捉えていないんですよね。

だから新キャラバンバン投入して全く違う趣旨の、よくある子供わんちゃんアニメに出来ちゃうし、クルエラという唯一無二のキャラクター魅力も全く再現出来てないんですよね。

【101匹わんちゃん】という作品はその名の通り101匹の犬主人公だから面白いんですよね。

だからオリジナルでも敢えて絶対的な主役作っていない

そこから一匹をクローズアップしてその子の成長物語みたいにしちゃったら、それこそ「わんわん物語」をはじめその辺のわんちゃんアニメの劣化版でしかない、無個性な子供アニメなんですよ。

そして、それ以上にクルエラという絶対的なヴィランクイーンの存在が、この作品を【他とは違うもの】としていた大きな要素だったんです。

今作ではそのクルエラの扱い非常に雑で、オリジナルにあった圧倒的なキャラクター性微塵も感じられません…。

もちろん今作から登場した新キャラに、彼女を越えるようなキャラがいるのかと言えばそうでもない

確かにストーリーとしてはちゃんと組み立てれているし、キャラの魅力もそれなりです。
普通に1本のアニマルキッズアニメとしては良質な方だとは思います。

ただ「101匹わんちゃん」である理由が全く見つけられないんですよね。
【ならでは】の魅力1つも表現できてない気がします。

クルエラに惚れるイカれた芸術家とか…誰が観たいのよ…とw

ギャグもなんか完全に子供向けで、オリジナルにあったシュールさ消滅してしまいました。


オリジナルの良さを見つけられてない人が作った二次創作…というのが、やっぱり個人的には一番しっくりくる形容なんですよね。

アニメーションと音楽



これも正直パッとしないです…。
画風は確かに再現しようと努力はしてますし、アニマル描写は悪くないんですが、人物作画アニメーションはやっぱりなかなか酷いです。。

特にクルエラホーレスジャスパー辺りは全く魅力的に作画出来ていなかった気がします。

音楽も…オリジナルの見事な雰囲気のある使い方は全く踏襲されてなくて、もう、なんていうか普通カートゥーンミュージックです…。

子犬の追走撃も前作に比べて大幅にパワーダウン…。

演出も良くなくて、最後に悪役四人揃って海に放り出されてじゃぶじゃぶしてるシーンなんかは見ててホントに、、スーッと冷めてしまいましたw

それとこういう事はあんまり語りたくないんですが、日本語版の声優さん……。
特にクルエラ役の研ナオコさん……。
上手いとか下手とかじゃなくて、、ただただクルエラじゃないんですよね…。
まったくハマってなくて…。

これも結構入り込めなかった大きな要因でした、正直。

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まとめ




まぁ、、仕方ないですよね。

トゥーンの続編というのは、見ていくとこういう事もそりゃ起こります。

低予算ソフト用作品ですし、二次創作ですからね。

ただそんな中でも時折素晴らしい名作にも出会えるのも事実なので。


あの作品の続編だ!と意気込んで観るものじゃなくて…

「お、今回は当たりたかな?」

「あ〜今回はちょっと外れかな…」

くらいの軽い気持ち楽しむのがベストなんだと思いますね。

まぁでも、前述したように子供向けのアニメーション作品としては優秀クオリティだと思うので、お子さんと観るには丁度よいと思います。

それと、101匹わんちゃんファンにとってもやはりオリジナルのその後が描かれたマスターピースなので、一度はやっぱりチェックして頂きたいですね♪



「101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険」は現在ディズニープラスで配信中です♪


はーい。



というわけで今回はこの辺で!



今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪



しーゆーねくすとたぁいむー。


 

 





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