はいどうも〜。
さて今回はディズニーの原点である短編映画シリーズについて語っていきたいと思います。
最近短編ばっかでスミマセン…。
意外にもこのブログで初めてとなる、ドナルド・ダックの短編作品シリーズの登場です。
ドナルドは1934年のシリー・シンフォニーシリーズ「かしこいメンドリ」で初登場。
ミッキー・マウスシリーズに何作かゲスト出演した後、1937年から単独シリーズがスタートします。
その人気はミッキーマウスシリーズを上回り、1940年代〜1950年代には年間5本〜10本の作品がコンスタントに公開される等、ディズニーの主力キャラクターとして大活躍しました。
子供人気の高騰により温厚な性格に変化していっミッキーとは違い、短期で癇癪持ちなドナルドのその性格はギャグカートゥーンと相性が良く、ミッキーやグーフィーと組んだバディ、トリオモノからチップデールやプルートとの対決モノ、さらには戦争プロパガンダや教養モノなど、ありとあらゆる趣旨の短編に続々と出演。
その出演総数はミッキーマウスを上回り、現在でもミッキーと肩を並べるディズニーの世界的な代表キャラクターとして圧倒的な人気を維持し続けています。
今回はそんなドナルドシリーズの中から、個人的に特に思い入れの強い作品を1本ご紹介していきます。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
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ドナルドのダンス大好き
(原題:Mr. Duck Steps Out)
1940年
監督
ジャック・キング
データ
ドナルド・ダック短編シリーズの19作目となったディズニーの劇場用担当アニメーション映画。
ミッキー作品や他会社のカートゥーン、そして数多くのドナルド作品を手掛けた短編作品のスペシャリストであるジャック・キングが監督を担当。
スクルージ・マクダックの生みの親であり、手塚治虫もファンだと公言していた漫画家・ストーリーアーティストのカール・バークス等もストーリー制作に参加しています。
さらに今作はドナルドの永遠の恋人であるデイジー・ダックが初めて正式に登場した作品としても有名です。
ドナルドの声を演じたのは彼のオリジナル声優であるクラレンス・ナッシュ。
1985年にその生涯を閉じるまで、実に50年近くに渡りドナルドを演じ続けたディズニーレジェンドです。
今作ではドナルドだけではなく、甥っ子のヒューイ、デューイ、ルーイやなんとデイジーの声まで彼が1人で演じきっています。
ナッシュによるドナルドど同じ【ガーガー声】のデイジーを見る事ができる唯一の作品です。
その作り込まれたアニメーションとギャグアクションの応酬、キャラクターの愛らしさが高く評価されている今作。
デイジーのデビュー作として、そしてドナルドの代表作の1つとして現在でも非常に人気と認知度の高い1本となっていて、グッズやイラストにも頻繁に起用される他、デイジーが今作で着用している衣装は、その後の彼女の定番コスチュームとして長年引き継がれています。
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あらすじ
ドナルドは愛しのデイジーとのデートに意気揚々と出かける準備の真っ最中。
しかしそんなデートにイタズラ好きな甥っ子達が付いてきてしまった。
なんとか邪魔者を追い払おうと奮闘するドナルドだが…
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感想
ドナルドダックというキャラクターは、ミッキーの人気が下降線を辿り、長編アニメーションも赤字が続いていた1940年代のディズニーにとって、稼ぎ頭として実質的に会社を支えた救世主的なキャラクターでした。
「ラテン・アメリカの旅」や「三人の騎士」等のプロバガンダ映画が成功したのも、ドナルドというキャラクターが世界的に受け入れられたおかげと言えます。
短気で癇癪持ちで自分勝手でワガママ。
そんな彼のキャラクターはギャグカートゥーンとの相性が抜群であり、彼が繰り広げるドタバタ劇は瞬く間に世界を虜にしました。
チップデールやプルートと対決して負けて終わる…なんていうヴィランのような扱いの作品も実は結構多いんですよね。
そんな中でこの作品は比較的にドナルド作品の中ではオーソドックスな1本と言えると思います。
奇抜なアイデアは特に無く、恋人とのダンスがメインという古典的なギャグアニメーションです。
しかしそんな中でもドナルドと甥っ子達との小競り合いが観ている人を決して飽きさせません。
ドナルドは子供である甥っ子を騙したり、時には力尽くで追い払おうとします。
このドナルドのやりたい放題ぶりは、やはり最大の魅力ですよね。
後半のダンスパートも本当に見事で、小物等を使ったギミックや流れるようなアニメーション、ノンストップギャグと最後の畳み掛け等、まさに天下一品、見所だらけです。
しかし個人的にこの作品、そしてドナルドの短編に共通して言える最も好きな部分は何と言っても「溢れる生活感」なんですよね。
ドナルドの短編は他キャラクターのものと比べても特に日常を切り取った題材や設定を作品にしたものが多いんです。
今作もしかり、時計の音が煩くて眠れないだけの話とか食事を作ろうとするだけの話、ゲームセンターでゲームするだけの話…などなど。
ミッキーに多かったその作品独自の時代設定等やグーフィーの教室シリーズみたいな非日常の縛りもほとんどなく、ドナルドが普通に生活してる中で起きるドタバタをクローズアップした物が多くて。
子供の頃、ビデオでディズニーアニメーションを良く見ていたんですがドナルドの物が一番楽しみでした。
次のお話は何だろうって時に彼の顔がバーンと出てくると嬉しかったなぁ。
やはり日本とは、そして現代とはまったく違う「日常」のリアルな切り取り具合が好きだったんですよね。
特にドナルド作品は背景や小物のディテールが特に良くて。
おそらく当時のちょっとお金持ちの暮らしを再現してる感じですよねドナルドの生活って。
知らない文化、風習、作り込まれた小物、、
そういうのに凄く憧れたのを覚えています。
この家具ってこんな形なんだ、この道具ってこうやって使うんだ、、壁にめり込むベッドなんてあるんだ!とかねw
その中でも今作は特に、ドナルドやデイジーの家や服装のおしゃれさや、プレゼントのハート型の小箱、アイスクリーム、ポップコーン、ジュークボックス、おしゃれな音楽とダンス……出てくる物全てに憧れを抱きましたね。
このエピソードを何度も何度も繰り返し見てました。
映画には往々にしてこういう異文化の疑似体験という魅力があります。
ただディズニーの長編アニメーションに限っていうと、ファンタジーやおとぎ話の設定が多いのでこういう魅力に関してはあまり強くないかもしれません。
お城とか森や妖精等は、非現実的すぎてまた憧れとは違いますからね。
その中でドナルドの多くの短編は、実際の当時のアメリカ人の暮らしがわりと生々しく伝わってくるんです。
それが凄く好きでした。
今はアニメーションも脚本脚本の時代。
だけど映画には、昔からこういう楽しみ方もあるんですよね。
特に短編作品はクリエイターの肩の力が良い意味で抜けているぶん、ドナルド以外にもそういう楽しみ方ができる作品が多くあります。
「ミッキーの移動住宅」でキャンピングカーに憧れた人はきっと多いでしょうw
短編だからと馬鹿にせず、たまにはそういう視点で気軽にドナルドと当時のアメリカの生活を楽しんでみるのも良いかもしれませんね♪
「ドナルドのダンス大好き」は現在ディズニープラスで配信中です♪
はーい。
というわけで今回はこの辺で!
今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪
しーゆーねくすとたぁいむー。