ディズニー映画語り マレフィセント | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。

はいどうも。


今回は【ディズニーのアニメーション実写化映画】を一本語っていきます。


個人的な見解なんですが、実写映画に関してはアニメーション映画程「これはこうで、あれはこうで、」不用意に語れるものでもないと思っているんですよね。


それとやはり基本的にディズニーの最近のアニメーションの実写化押しには正直抵抗があります。

(ただし、リブートではなく続編として制作された「プーと大人になった僕」は例外)。


なので今まで基本的にちょっと避けていたんですが、今回「これは他の実写化とは毛色が違う」と思っていた作品を1本観てしまったので、観たからには今回頑張って語っていこうと思います!



(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)




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  マレフィセント

(原題:Maleficent)

2014年

監督

ロバート・ストロンバーグ


データ


1959年に公開された長編アニメーション作品「眠れる森の美女」及びシャルル・ペローによる同名童話を基に、独自の解釈と構想によりストーリーや設定を再構築したリメイク作品


元々は2003年頃からアニメーションでの制作が検討されていましたが、2006年にアニメーションスタジオの大きな内部改革(ジョン・ラセターがトップに就任)を受けて実写映画に変更されました。


基本的な大筋映画や原作童話を参考にはしているものの、ヴィランであったマレフィセントの人間への復讐とオーロラ姫との触れ合いに焦点を当て全体を再構成したオリジナルストーリーになっています。


監督は「アリス・イン・ワンダーランド」「アバター」等で美術監督を務めたロバート・ストロンバーグ。今作が初監督作品となりました。


脚本はアニメーション映画「美女と野獣」「ライオン・キング」等の名作を手掛けたリンダ・ウールヴァートン


音楽は「ダイナソー」「トレジャー・プラネット」等多数のディズニー作品も手掛けるジェームズ・ニュートン・ハワード


クレジットはされていませんが今作は制作途中であった2011年までティム・バートンが監督として指揮していた作品としても有名です。


主役のマレフィセントを演じたのは説明不要のスター女優アンジェリーナ・ジョリー

キャスティングが決まる前から制作陣はマレフィセントを彼女の想定で構想していました。当初赤子に呪いをかける…というストーリーに疑問を抱いたアンジェリーナですが脚本に惚れ込み出演を快諾しています。


オーロラ姫を演じたのはこちらも著名女優であるエル・ファニング


ステファン王役にはシャールト・コプリー


マレフィセントの相棒となる鴉ディアヴァル役にサム・ライリー


3人の妖精役にはハリー・ポッターシリーズイメルダ・スタウントンレスリー・マンヴィル、さらにドラマシリーズ「ファーゴ」での快演が記憶に新しいジュノー・テンプル



ディズニーによる半世紀以上ぶりの「眠れる森の美女」の長編作品、さらにアンジェリーナ主演とあって公開前から注目を集めていた今作は興行収入で予想以上の大ヒットを記録します。


評価面ではその原作やオリジナル映画を大きく改変した内容には批判が集まる一方で、アンジェリーナの演技捻りのあるストーリー世界中で絶賛され、まさに賛否両論となりますが、この作品の大ヒットはディズニーの今後の方針を大きく決定付ける事となります。


これをきっかけとしてディズニーは歴代アニメーション実写化を連発。

今作もすぐさま続編が制作されます。


さらに、前年のアニメーション「アナと雪の女王」と共に「新世代の価値観多様性を内包したディズニー」という新たな路線が決定的となり、これ以降実写アニメーション問わずディズニー作品は多様性の表現社会性の内包という要素に加速度的に傾倒していく事になりました。


又、これまでもディズニー人気のヴィランだったマレフィセント認知度をさらに高め、今ではアンジェリーナ・ジョリー新たな代表作として現在でも広く支持され続けています。


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あらすじ



昔々。


人間の国と妖精の国は互いに関わることを拒み、長い年月冷戦関係が続いていた。


しかしそんな中妖精の子供マレフィセントはある日迷い込んできた人間・ステファンと友人になり、それはやがて愛へと発展する。


しかしステファンは次第に人間の世界で純真さを失い、ついには自分の富と名声の為にマレフィセントを裏切り彼女の大切な翼を奪い去り、王へと上り詰める。


ステファンに裏切られたマレフィセントは悲しみと【真実の愛など無い】という失望の中立ち上がり、彼と人間達への復讐を決意する…。


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感想



正直……想像と全く違いましたね。

もっと、オリジナルのストーリー設定リスペクトした上で、ヴィランのマレフィセント側の視点でこの物語を見るとまた違った見方や事実がありました…

という構成になってると思っていたら、お話設定全てを作り替えた全くの別物でした。

ちょっとあんまり言葉が見つからないですね。

アンジェリーナ・ジョリー演技は流石だったしエル・ファニングサム・ライリー良い味出してます。

ストーリーも、もしこれがオリジナルストーリーの映画だったら、素晴らしい内容と言えるでしょう。

ただこれは、どう頑張っても「眠れる森の美女」という作品ありきの物語なわけで。
もちろんその1959年のオリジナルも、元を言えばシャルル・ペローの童話改変した物なのでそれはある種お互い様なのはわかります。

だけど今回はちょっと種類が違う。
オリジナルの都合の良いところだけを好きに使ってごちゃごちゃにかき混ぜて自分達が今やりたい価値観や内容無理矢理作り替えた…そういうある種の胸糞悪さがあります。

オリジナルが持っていた価値観やテーマさえも否定したいのであれば、わざわざこの題材でやる必要はなかったのでは?

と思わざるを得ません。

あんまり語るとなんか悪口ばっかになっちゃいそうなので、今回はサクッとどうしても語っておきたい事だけ綴って終わりたいと思います。

リブートでもリメイクでもない。



この作品は、やはりどう見てもリブートでもリメイクでもスピンオフでもありません。

やはり一番しっくりくる言葉はアンチテーゼ

贔屓目に見ても、オリジナルを否定しようとしている作品としか取りようがないんですよ。

自分達が見せたい物語や主張の為に、キャラクターもストーリーも好きに弄くり回してしまっています。

肉付けではなく、作り替えです。

確かに1959年オリジナル作品はディズニープリンセスムービーの中では最もストーリー性やキャラクター性の薄い作品だったとは言えるでしょう。

しかしディズニーのプリンセスムービーとして拘り抜いて大切に作り上げてきた要素がいくつもありました。

マレフィセントの絶対的な悪。

ステファン王や妖精達のオーロラへ対する無条件の愛。

それを感じながらも運命の出合いにあこがれてしまうオーロラの純粋な乙女心。

悪へ立ち向かうことで出会って間もないオーロラへの愛を証明するフィリップ王子。

などなど…。

それを1つ残らず根底から破壊してしまった今作を、やはり許容するのは自分にはなかなか難しいです。

正義や悪には色々な側面がある事を描いた…という人も居ますが、そうではなく、この映画がやった事は単に正義と悪を入れ替えただけです。

無理くり悪側の良さを見せる為に善側を落としただけの話。

マレフィセントの新たな側面や魅力を…という意見もありますが、マレフィセントの最大の魅力は何と言っても絶対的な悪にあります。

パーティに招待されなかっただけで逆恨みで赤子を呪い、王子を監禁して長年生かしヨボヨボにしてからプリンセスにキスさせようとする、陰険卑劣圧倒的な悪

マレフィセントにもそれなりの事情があった…くらいならまだしも、実は母性に目覚めて国を統一した良い人でした…と突然言われても、そこに独自圧倒的魅力到底見いだせません




やりたい事はわかるし、時代の流れで価値観は変わり、いくらエンターテイメントと言えどそこにはある程度順応していかなくちゃならない。

それもわかります。

だけど、その時代その時代の価値観世相、色々な物を踏まえて生み出された当時の名作達を好きに弄くり回して無理矢理作り替えるのは、個人的には絶対に間違っていると思います。

南部の唄などのように、もしかしたら現在の価値観では公開すらも出来なくなる作品もあるでしょう。

それでも、作品は時代の産物です。
それを見ないようにするならまだしも、無理矢理作り替えて見れるものにするのは、やっぱり違うと思います。

オリジナルのその魂や精神を、生み出した側が否定することはあってはいけない。
と自分は思っています。

これは映画に限った事ではないです。


これまでの作品達がそうしてきたように、その時代の価値観に合わせた、時には価値観も超越するような最高オリジナルエンターテイメントを、提供していく事ができるのがディズニーの強みのハズです。

「アナと雪の女王」がそうであったように。

もちろん実写化自体を否定しているわけではありません。続編としてオリジナルの先を描いた「プーと大人になった僕」、オリジナルの精神を受け継いだリメイク「101」素敵な実写化作品も沢山あります。

だけど願う事なら、これまでのディズニーがそうしてきたように、時代に負けないオリジナリティの溢れる最高のエンターテイメント映画を、また観たいです。

いつかまた必ずそういう作品に巡り会える事を、期待しています、、。


補足



もちろん、オリジナルへの敬意がゼロであったとは思っていません。

特に洗礼式のシーンは、間違いなくオリジナルシチュエーションやセリフに出来るだけ忠実に描こうとしていたのはわかりました。

逆に言うとそこだけでしたけど。。

でもこのシーンへの作り手側の意気込みはとても感じました。


それと繰り返しにはなりますがアンジェリーナ・ジョリーをはじめとするキャスト達の熱演は素晴らしかったですし、演出もかなり見応えのあるシーンも多数ありました。

ストーリーオリジナルに思い入れの無い人にとっては良く練り込まれた面白い物語になっていたと思います。

駄作とかそういう事では決してなく、あくまでも自分には合わなかったというだけの事ですので、ご了承下さいませ…。


「マレフィセント」は現在ディズニープラスで配信中です♪



はい。



というわけで今回はこの辺で!




今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪



ちょっとネガティブな記事になってしまってごめんなさい!




また次回。




しーゆーねくすとたぁいむー。