ディズニー映画語り くまのプーさん ランピーとぶるぶるおばけ | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。

はいどうもぉ。


さて、今回は恒例のプーさんシリーズ語りです。


プーシリーズ大ファンなおときち。

どうしてもプー作品の語りはマニアックな内容になってしまう事をご容赦くださいw


これまでの記事でも語ってきましたが、ディズニーのプーさん作品は大きく分けて3つのカテゴリーに分類することができます。


①ディズニーアニメーションスタジオ、そしてディズニーピクチャーズ制作による「ディズニー本家シリーズ」

②ディズニー・トゥーン・スタジオ制作による劇場作品を中心とした「トゥーンシリーズ」

③ディズニー・テレビジョン・アニメーションが制作したテレビ向けの「カートゥーンシリーズ」


今回は②の「トゥーンシリーズ」最終作なったこちらのプー作品について語っていきます。

(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)

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  くまのプーさん/ランピーとぶるぶるおばけ

(原題:Pooh's Heffalump Halloween Movie)

2005年

監督

エリオット・M・バー

ソール・アンドリュー・ブリンコフ


データ

ディズニー屈指の人気を誇る「くまのプーさんシリーズ」第9作目となる長編アニメーション作品


トゥーン・スタジオ名義としては6作目となり、OVAとして2005にリリースされました。


「ティガー・ムービー」成功を受けて本格始動したトゥーン・スタジオの平成プーシリーズの1つ。


トゥーン・スタジオのソフト用プーシリーズではお馴染みの、過去作新作エピソードを組み合わせたオムニバス形式長編アニメーションとなっています。


一口にトゥーン・スタジオのアニメーションといっても実質の制作スタジオは作品によって様々であり、今作はフィリピンの外部制作会社トゥーン・シティによりメインの制作が手掛けられました。


監督は本家スタジオで「アラジン」「美女と野獣」「ライオン・キング」等のアニメーターを務めたエリオット・M・バー

そして同じく「ターザン」「ノートルダムの鐘」の制作スタッフだったソール・アンドリュー・ブリンコフの二人が務めています。


脚本は「ティンカー・ベル」シリーズや実写版「美女と野獣」等を手掛けたエヴァン・スピリオトプロス、そして多数のプーシリーズ脚本を手掛けるブライアン・ホールフェルドが担当。



音楽は「ミッキーのミニー救出大作戦」「アラジン」の続編シリーズも担当しているマーク・ワッターズ


前作の劇場作品「はじめましてランピー!」で初登場した新キャラクター・ランピーとその親友・ルーを中心に、100エーカーの森の仲間達がハロウィンを過ごす物語を描いたファンタジーミュージカル


新作長編作品ではありますが、新作エピソードの中に過去作品である1996年新くまのプーさんスペシャル【ハロウィンは大騒ぎ】を組み合わせたオムニバス方式になっているのが大きな特徴。


又、この後トゥーン・スタジオはジョンラセターの就任によりその制作スタイルを大きく変更されたのち閉鎖となった為、今作はトゥーン名義プー長編シリーズ最終作となったことでも有名です。


今作の主役となるランピー役をカイル・スタンガーが前作に続き演じます。当時わずか5歳であり、オーディションでランピー役に抜擢。

彼の演技はデビューとなった前作で多方面から絶賛されました。日本語版は醍醐侃幸さん。


プーさん役はお馴染みのジム・カミングス

日本語版は2代目の亀山助清さん。

ピグレット役のジョン・フィドラー

今作公開の直前にジョンは他界された為、今作は彼がピグレットを演じた最後の作品となりました。録り残したパート部分を代役としてトラヴィス・オーツが演じ、そのまま彼が後任のピグレット専属声優となっています。

日本語版は小形満さん。

ティガー役はプーと二役でジム・カミングス

日本語版は玄田哲章さん。

ラビットケン・サンソム

日本語版・龍田直樹さん。

イーヨーピーター・カレン

日本語版・石田太郎さん。

ルーを演じたのはジミー・ベネット

日本語は杉本征哉さん。


ナレーター役にはデビッド・オグデン・ティアーズ。日本語版は青森伸さん。最新作の「プーと大人になった僕」を含む全プー作品のナレーターを務めています。


2000年代前半プーさんシリーズにとって何度目かの再ブーム到来期であり、日本も含めて非常にプー人気が加熱していた時期でした。


東京ディズニーランドでのプーさんのハニーハントオープンやティガー・ムービーヒット等非常に勢いに乗っていて、関連作品も矢継ぎ早にリリース。


「ティガー・ムービー」「ピグレット・ムービー」等劇場作品が次々と制作された他、毎年のように新作OVAもリリース。


そんな中で前作の劇場作品「はじめましてランピー!」以で初登場した新キャラクターランピーをレギュラーキャラクターとして定着させるべく制作された新作長編OVAがこの「ランピーとぶるぶるおばけ」です。


トゥーンによるプー作品ではメインキャラクターを張ることが多いルーと新キャラクターランピー主役とした作品で、プーの長編としては初めて季節行事であるハロウィン主題としたアニメーション。


作画アニメーションの粗さや過去作の使いまわし、プー達が脇役に回りクリストファー・ロビンやオウル等のレギュラーキャラ多数未登場な物足りないストーリー等批判点も多く上がりましたが、新キャラクター・ランピーキャラとしての魅力ルーとの友情活かされた展開、組み込まれた過去作「ハロウィンは大騒ぎ」クオリティの高さなどは評価され、安心して子供に見せれるプーのハロウィンストーリー作品として、知る人ぞ知るプーシリーズのコアな長編作品として一定の人気を獲得しています。


トゥーン・スタジオ閉鎖になった為この後ランピーをレギュラーとしたトゥーン作品が作られることはありませんでしたが、このキャラクターは一部で高い人気を獲得し続けていて、パークやストアでのグッズ販売に加え、2007年〜ディズニージュニアのテレビシリーズ「プーさんといっしょ」では晴れてレギュラー入りを果たしました。


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あらすじ


※文字数の関係で今回は割愛させて下さい。


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感想



全体的には圧倒的に不評だったトゥーン・スタジオによる続編作品の数々ですが、そんな中でプーさんシリーズは間違いなくトゥーン・スタジオが残した大きな功績と遺産といえる数少ない1つです。


そんなシリーズの測らずも事実上の最終作となったのが今作。


ビデオ用作品の為全体クオリティは決して高いものではありませんが、トゥーンプーさんの培ってきたノウハウや、作り手の情熱や拘りがしっかり反映された佳作仕上がっています。


新作エピソードの中に織り交ぜられている新くまのプーさんのスペシャルエピソード「ハロウィンは大騒ぎ」ももちろん素晴らしい出来ですし、新作エピソードの方も前作「ルーの楽しい春の日」と比べると見違えるほど良くなりました。


キッズ向けシーズンエピソードとしてもファンが楽しめるプー作品としても非常に安定した1本ですね。


トゥーンの工夫



このブログでも何度か語ってきましたが、プーという題材は兎に角ストーリー映画にはむかない作品で、面白いストーリー作品にするのは本当に至難の業なんですよね。

ストーリーではなく、プー達のズレた世界感純粋無垢な童心の世界を楽しむのが原作から続く本来のこのシリーズの魅力だからです。

それにいち早く気づいて対策を講じたのがトゥーンスタジオでした。

その対策というのが【ルー】というキャラクターの活用です。

最年少で、途中から100エーカーの森に越してきたという設定の、仲間ではあるんだけども決してプー達とベッタリではないルーからの視点でこの世界を見せることでその少しズレた世界のプー達異様さがを浮き彫りになるんです。

第三者的な立ち位置ルー視点で見せることでプー達のしてることや考えるてることに「ちょっとおかしいんじゃないの?」「そうじゃないんじゃないの?」という思考を視聴者に許す。そこをルーを起点として修正するという流れにおいて感動やストーリー性を生み出すのがこのシリーズの手法

つまりルーを主役とするとそれだけで扱いにくいプーシリーズが普通の子供向けストーリーアニメーションに変身するんですよね。


あとはプー達に脇でいつものお間抜けをやらせれば、プーのストーリー映画の出来上がりな訳です。


個人的にはこの手法は諸刃の剣だと思っているんですが、このトゥーンが見つけたプー作品のノウハウは間違いなく画期的ではあったと思います。


この時代のほとんどのプー作品でこの【ルーの活用】大活躍していた事は間違いないんです。


そして今回の主役はランピー

【プーワールドで多様性への問題定義を…】というとんでも構想の為に前作で生み出されたキャラクターですが、今作ではそれだけではないキャラとしてのポテンシャルを十分に発揮しています。


さらに、これまで一人でプー達のコミュニティを客観的に見る役、そしてプー作品を観ている子供の視点役を担っていたルーの心強い味方ともなったわけです。


というか今作は正直この2人だけでストーリーが成り立っちゃってますけどねw


ストーリーをこの2人に完全に任せているぶん、プー達のらしさが思う存分発揮されている事も大きなポイントですよね。


さらにこの作品ではこの2人を使って【無条件の友情】というテーマもとてもうまく描けていました。


普通の子供向けアニメーションに見えるかもしれませんが、プーという作品にトゥーンスタジオが本気で向き合って生み出した様々なこだわりやノウハウが詰め込まれた作品なんです。



※「ハロウィンは大騒ぎ」



今作は新作エピソードの合間に「新くまのプーさん」シリーズのスペシャルエピソード「ハロウィンは大騒ぎ」が完全収録されています。


ただのオムニバスでなくしっかり一つの物語にまとめていますし、何より特筆すべきなのは単純な再録ではなく、なんと新規パートに合わせる形でキャラクターのカラーリングの塗り直し、英語版日本語版共に声優を統一させる為の全編にわたる再アフレコまで行われているという拘りよう。


日本語もしっかり一本の作品として整合性を保つ為に、プーの亀山助清さん、ピグレットの小形満さん等は全編再録が行われています。


この辺の細かな部分のこだわりは、ホントにこのシリーズ見事なんですよね。

本家スタジオの作品だってこの辺はワリとおざなりなのに(一部分だけ言葉を変えるためにそこだけ違う声優を使ったりとかよくするんです)。



アニメーションと音楽



アニメーション作画に関してはまぁやっぱりお世辞にも素晴らしいとは言えません


「ルーの楽しい春の日」よりはだいぶ良くなりましたけどね。


ただやっぱり新キャラクターだから気合いが入ってるのかランピーだけはかなり作画が良かった気がしますね。


音楽も「春の日」と同じワッターズですが今回はかなり良かったと思いますね。

シンプルなんだけど掛け合いが楽しい曲が多くてちょっと癖になります。


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まとめ



端的に言うとまぁ子供と安心して見れるキッズ向けハロウィンアニメーションということになるんですが、プーというシリーズをここまで育ててきたトゥーンの余裕すら感じられる、驚きはないですが抑えるところは抑えたプーのシーズンストーリーとして間違いない一本だったと思います。

思えばプーという作品は、本家スタジオではなくテレビジョンやトゥーン等のサブラインから本格ヒット化を果たした数少ないディズニー作品の1つと言えますよね。


本家がプー作品からパッタリと手を離してる間数々の名作を生み出し、プーという作品と世界を大衆の身近に定着させることに見事に成功しました。


この流れを受けて本家スタジオもついに2011年にプーの新作長編を制作しましたが、正直やはりこればかりはトゥーン作品にはまったく及んでいなかったと思います。


もう叶わない事ですが、願わくばまだまだこの先のトゥーンスタジオによるプーさんユニバースが観たかった。


そう思わせるには十分1本だったと思いますね。



理由はわかりませんが「くまのプーさん/ランピーとぶるぶるおばけ」は残念ながら現在ディズニープラスでの配信ありません

いつかまた再配信される事を願いましょう!



はい。というわけで今回はこの辺で!

今回は文字数足りなくなってしまい…特に長文駄文…大変失礼致しました!



また次回。


しーゆーねくすとたぁいむー。