ディズニー映画語り シャーペイのファビュラス・アドベンチャー | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。


はいどうも!


今回はディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーの作品について一本語っていきたいと思います。


ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーとはその名の通り衛星放送ディズニーチャンネルオリジナル作品として制作されたテレビ映画作品郡のことです。


衛星放送専用のオリジナルテレビ用ムービーでありながら非常に凝った作りのハイクオリティな作品も多く、「キャンプ・ロック」「ディセンダント」ヒット作も多く排出しています。


その他の配信用や劇場用の作品と違い、衛星テレビシリーズ用ならではのコアでマニアックな作風、もしくはティーンが活躍する青春劇が多いのも大きな特徴です。



ラインナップとしては実写映画が圧倒的に多いのですが、その中でも「キム・ポッシブル」「フィニアスとファーブ」といった人気アニメーション作品の長編等も制作されています。


実に多作なコンテンツ力が武器で1997年にシリーズが始まってから現在までで実に100を有に越える作品を公開し、コンスタントにヒット作も生み出す、ディズニーのもう一つの作品ラインとして長年秘かに一定の注目を集め続けているパッケージでもあります。



今回はそんなディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーの中でから、社会現象と言えるほどの大ブームを巻き起こした空前のNo.1ヒットシリーズのスピンオフ作品について語っていきます。





(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  シャーペイのファビュラス・アドベンチャー

(原題:Sharpay's Fabulous Adventure)

2011年

監督

マイケル・レンベック


データ


ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーのヒット作ハイスクール・ミュージカルシリーズ

のスピンオフとして2011年に公開された長編作品。ディズニーチャンネルでの放送に先駆け先行ソフトリリースが行われた珍しい作品です。


ハイスクール・ミュージカルシリーズの人気キャラクター・シャーペイが高校卒業の1年後、ニューヨークの地でスターを目指して悪戦苦闘する青春ミュージカル映画


制作を指揮したのはシリーズ過去作も手掛けたビル・ボーデンバリー・ローゼンブッシュ。さらにシャーペイ役を務めるアシュリー・ティスデイルが自ら制作総指揮も行っています。


監督は俳優としても知られるロバート・ホーン


脚本はディズニーチャンネル作品を多く手掛けるマイケル・レンベック


音楽は「モータルコンバット」等の映画音楽を手掛けるジョージ・S・クリントン


楽曲は倖田來未さんや安室奈美恵さんにも楽曲を提供しているマシュー・ティシュラーエイミー・パワーズらが制作しています。


主人公のシャーペイ役を演じたのはもちろんオリジナル同様アシュリー・ティスデイル


今作でのシャーペイのパートナーを務めるペイトン役には今や超売れっ子俳優のオースティン・バトラー


シャーペイが憧れるブロードウェイスターのアンバー役はキャメロン・グッドマン


さらにオリジナルからシャーペイの役のロバート・カーティス・ブラウン役のジェシカ・タック


そしてディズニーチャンネル放送限定verのみですが弟のライアンルーカス・グラビールゲスト出演しています。


シャーペイ以外の主要メンバーが登場しない完全なスピンオフ、そして先行ソフトリリースが行われたにも関わらずディズニーチャンネル初放送時には好調な視聴者数を叩き出し、HSM人気の健在さを証明しました。


評価面としては相変わらずのストーリーの安直さやミュージカル映画としてのスケールダウン批判点も多く上がりましたが、それ以上に3年ぶりのシリーズ最新作として待っていた沢山のファンを大いに喜ばせ、人気キャラクター・シャーペイ健在ぶりを堪能できる最高のファンムービーとして好意的に受け入れられました。


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あらすじ



イースト高校卒業から約1年。

シャーペイは相変わらずミュージカルに夢中であり、父がオーナーを務めるカントリークラブでチャリティーショーに出演していた。

ショーの後ニューヨークのスカウトマンに声をかけられたシャーペイは反対する父親をなんとか説き伏せて、一ヶ月で結果を出すという条件でニューヨーク行きを決める。

すったもんだあった末、母親の友人の息子・ペイトンの助力もありなんとかニューヨーク生活をはじめたシャーペイだったが、勇んで向かったオーディション会場で彼女は衝撃の事実を告げられる事になる…。

目的の為なら手段を選ばない不屈の女性・シャーペイはブロードウェイスターへの道を駆け上がる事が出来るのだろうか…。
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感想



ハイスクール・ミュージカル屈指の人気キャラクターであるシャーペイが主役を務めた3年ぶりのシリーズ作品

ストーリー的には初見でも問題ないくらいの薄めの内容なのだけど、この作品を楽しめるかどうかの1番はやはりシャーペイというキャラクターを理解してるかどうかなので、そういう意味ではやはり完全なファン向けの作品である事は間違いありません。

個人的には結構好きですね。

このシリーズの売りであるミュージカルシーンがちょっと力不足だったのは残念でしたが…。

シャーペイ役のアシュリー制作にも参加してるだけあって、彼女の事をよく理解した脚本だったと思います。

ハイスクール・ミュージカルシリーズヴィランと言われることもあるシャーペイですが、彼女の本質は決して悪役じゃないし、間違いなくこのシリーズの登場人物で最も意思の強いキャラクターなんですよね。

あとまさかのアニマルムービーになってるのも意外で面白かったですw

鋼の女性・シャーペイ



ハイスクール・ミュージカルラストで、バスケとミュージカル二足の稾を選んだトロイ科学の道を選んだガブリエラ

そんな中、自分に良く似た後輩の出現で【自分の生きる道】再確認したシャーペイ

前述した通り間違いなく全登場人物の中で一番自分を強く持った女性です。

そんな、兎に角なりふり構わず【ファビュラス(素晴らしい)】を求めて突っ走る彼女アイデンティティが、今作でもしっかり描かれています。

ストーリーは薄いですが、シャーペイの独壇場になった分彼女の内面描写成長はこれまでにないくらい丁寧に描写されてるんですよね。

前作同様、今回も彼女は自分に良く似た女性と対峙することで精神的な成長を遂げていきます。

そしてそのプロセスとして一時的に彼女らしくない彼女になる期間があるのですが、この辺の描写が実に見事なんです。

彼女の意思の強さを実に良く理解した脚本だと思います。

つまり、彼女は本当に目的の為なら何でもする女性なんです。トロイ達がオーディションを受けられないように日時を変えたりトロイとガブリエラを引き離す為にあらゆる権力を駆使したように、それと同じように、自分の目的の為なら他人のトイレ掃除だってするんです。

そして似てると思っていた人物が自分とは根本的に異なる事に気付き、自分を取り戻します。

そう、シャーペイは決してヴィランではないんです。

根本にしっかり優しさを持ってるキャラクターです。

その事は、これまでのシリーズを観てきた人ならわかるんですよね。

非常にご都合主義なストーリーではあるんですが、この辺の人間ドラマ…というかシャーペイドラマに関しては本当にこのキャラクターへの愛と拘り強く感じる素晴らしい内容だったと思います。

自分を取り戻したシャーペイアンバー言い負かすシーンは本当に痛快でした。

「私だったら黄色とオレンジを同じ週に着たりしない」

はもう、これぞシャーペイ!て感じでしたね。


ただ1つを言うのであれば、シャーペイ自分を見失ってる事気づかせるのは、やはり過去の彼女の生き方よく知る人物であって欲しかったですかね。

オースティン・バトラー演じるペイトン良いキャラなんですけど、この役目を務めるにはシャーペイとの付き合いが短すぎるので。

やっぱり弟のライアンとかがよかったですね。
ていうかライアン役のルーカス・グラビールもどうせ出演してくれるなら、媒体限定とかじゃなくてちゃんと出て欲しかったですね〜本当に。

せめてディズニープラスでは完全版を見れるようにして欲しかったです。


エンタメ性の低下




とはいえやはりハイスクール・ミュージカルシリーズと言えば何と言ってもミュージカルシーン最大の目玉なわけで、その意味では今作での大幅な劣化はとても残念でした。

曲数も少ないですし、そのほとんどが非常に簡素なもので、しかもほぼ全てがステージ上でのシークエンスになっています。

つまりこのジャンル特有のストーリー中に急にミュージカルが始まるお決まりの演出は1つもなく、最早ミュージカル映画言っても良いのか疑問な程です。

やはりハイスクール・ミュージカルシリーズ名乗るのであればこの部分は手抜きして欲しくなかったですね。

特にミュージカルに誰よりも真剣であるシャーペイ作品なら尚更です。

演出等の全てが簡素ありきたりであり、なんだかシャーペイが可哀想になるくらいでした。

まぁただリアルワンちゃん一緒のミュージカルはある意味なかなか面白かったですけどねw

この映画、結構エンターテイメント面ではワンちゃんに救われてる部分がかなり大きいと思いますね。

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まとめ




ストーリー自体はシリーズ未見でも問題ないですが、シャーペイの人物像最大の見処になっている部分と、このシリーズで唯一一般ライト層を唸らせる武器であったミュージカル弱体化してしまっこと、トータルで加味するとやはりファンの為のサービス作品といった立ち位置に落ち着く一本だとは思います。


ただ、これは結構色んなところで言われてることですが、シャーペイというキャラクターはホントにディズニーの長い歴史の中でも10本の指に入るくらい魅力的なキャラだと思います。


今からでもせひもっと沢山の人達にこのキャラクターを知ってほしい、とは思いますね。


まぁそのためには今作だけでなく、シリーズ1から観てほしいところですが…。



ホントにたまに思うんですけど、実写映画って歯痒いですよね。アニメーションとは違って、永遠の高校生ではいられないわけじゃないですか。

どうしても時は流れるし、ホントはもっとこの若々しくキラキラしたシャーペイをはじめハイスクールミュージカルのキャラクター達を見ていたいけど、時間は戻ってこないですからね。。

余談ですけど、あのファミリーシットコム「フルハウス」を見てるのとなんとなく似た気持ちになってくるんですよね…。ちょっと切ない…。

まぁ兎に角、おそらくファンの人が一番見たかったであろうシャーペイの内面の掘り下げを、シリーズ完結から3年も経って見事に形にしてくれた制作陣には本当に感謝ですね。


でも、たとえ時は経ってしまったとしても、ファンはまだまだ全然続編待ってますよ〜。



「シャーペイのファビュラス・アドベンチャー」は現在ディズニープラスで配信中です♪

未見の方は今からでも是非、彼女の生き方に力をもらってみて下さい♪


はい。


というわけで!



今回はこの辺で。


いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!


では、また次回!


しーゆーねくすとたぁいむー。