ディズニー映画語り バンビ2 森のプリンス | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。



はーいどーもー。




今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。 



いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実はとても素敵な作品もいくつも世に送り出しています。


今回はそんなトゥーンスタジオの作品の中から、現在でも尚圧倒的評価と支持を獲続けているあのレジェンド名作映画のなんと64年ぶりなるまさかの続編作品ついて語っていきたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  バンビ2 森のプリンス

(原題:Bambi II)

2006年

監督

ブライアン・ピメンタル


データ


1942年に公開され、その凄まじい芸術的完成度の高さから現在でも非常に高い知名度を誇る伝説の名作「バンビ」の実に64年ぶりとなった初の続編作品


2006年劇場公開&ソフトリリースされました。

(フランスやイタリア、オーストラリア、メキシコや各ヨーロッパ諸国劇場公開。アメリカ、イギリス、日本等6カ国ではソフトリリースされています。)


監督は「美女と野獣」「アラジン」「ターザン」等でストーリーを担当し「グーフィー・ムービー ホリデーは最高!!」で脚本を執筆する等そのストーリーテリングに定評のあるブライアン・ピメンタル


脚本は実写テレビドラマの執筆で知られるアリシア・カーク


音楽「ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!」「ミッキー・ドナルド・グーフィーの三銃士」等のディズニー作品をはじめ様々なテレビや映画の劇伴を手掛けているブルース・ブロートン。


オリジナル楽曲にはアリソン・クラウスマルティナ・マクブライドカントリーミュージックに長けた著名ミュージシャンも参加しています。



シリーズの原作はオーストリアの作家フェリックス・サルテンによる1923の小説「バンビ 森の生活」ですが今作の内容は主に原作で空白の期間とされていた時期の物語であり、ストーリーは実質ディズニーの完全オリジナルとなります。


母を人間に殺されてしまったバンビが森の王である父親と共に悲しみを越えて王子として成長していくネイチャードラマ


ナンバリングは付いてはいますが、内容としては前作のバンビの母が殺されてから彼が大人になるまで空白期間に起きた出来事を描いたスピンオフ的なものになっています。


主役のバンビ役には「ファインディング・ニモ」ニモ役で知られるアレクサンダー・グールド

日本語版は柴井伶太さん。


森の王を演じるのは「スター・トレック」シリーズ等で有名はメジャー俳優パトリック・スチュワート。日本語版は「アラジン」イアーゴ2代目等様々なディズニーボイスを演じている大川透さん。


フクロウ役にキース・ファーガソン

日本語版は熊倉一雄さん。数少ない前作からの続投出演となりました。


バンビの母役にキャロリン・ヘネシー

日本語版は杉村理加さん。こちらも前作からの続投となります。


ヤマアラシ役には監督のブライアン・ピメンタルが自ら出演。日本語版はベテラン声優の茶風林さん。



ディズニーの歴代作品の中でも特に人気の高い「バンビ」の64年ぶりの続編という事で、劇場公開も視野に入れた、トゥーン・スタジオ作品の中でも特に丁寧な制作が行われた続編作品として概ね好意的な評価を各国で獲得し、アニー賞も受賞


「酷い続編が多い」と言われていたトゥーン・スタジオですが、今作は【低予算続編とは思えない】という声が非常に多く、名実ともに同スタジオの代表作の一つとなっています。


特に日本をはじめ1作目「バンビ」が本国程の絶対的な評価を獲られていない国等では、前作で欠けていたファミリーエンターテイメント性がうまく改善できているとして、前作よりも高く評価されている傾向もある程です。



反面、1作目の良さ特徴を完全に消してしまっているという批判的な声も根強く上がり続けていて、スタジオが閉鎖された今も度々話題に上がる事の多い賛否両論な作品となっています。



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あらすじ



バンビの母親が人間に殺されてしまった。

そんなバンビの元に突然やってきた父親である森の王は、フクロウに説得されるがままに別の母親が見つかるまでの間バンビの面倒を見る事になる。

これまで会話もした事が無かった父子は互いの距離感に戸惑いながらも少しずつ親子としての絆を深めていく。

バンビも次第に母の死を理解し、受け止め、悲しみを懸命に乗り越えようとしていた。

と同時にとんすけやファリーン等、幼馴染の仲間達との親交も深めていくバンビだったが、小鹿のロノだけはバンビを認めずにたびたびちょっかいを仕掛けてくる。

危険な目にもあいながら、少しずつ王子としての成長を見せていくバンビ。

そんな彼の様子を見て父親は兼ねてから持っていた「王は子育てなどするべきではない。」という考えを改めようとしていた。


そんな時、王に依頼されていたバンビの新しい母親を連れてフクロウが2人の前に表れる。。


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偉大すぎる1作目




いやぁ頑張ってるとは思います。

何せあの「バンビ」ですからね。

ディズニー史上最も美しい作品と言われているあのバンビです。

トゥーン・スタジオの中では間違いなく最高のアニメーションクオリティになっています。

CGも上手く使いながら現代の解釈でバンビの美しい世界観やアニメーションの質感再現する事にある程度成功していて、自然の表現の仕方特徴的な影の付け方構図まで1作目をよく研究されています。


変態的な凄さだった動物のモーションアニメーションに関しても、何とか同じ世界として成立させられるぐらいまでには近付けられているとは思います。


とにかく背景画キャラクター描写共にトゥーンスタジオとは思えないクオリティの高さである事は間違いないです。


ただまぁ、、いずれにせよやはり1作目には遠く及んでいません

これはもう仕方ないです。

誰も責められないです。

普通のディズニー作品ならいず知らずあのバンビですか…。1作目が異常なんですw



音楽に関してはカントリーミュージックを基調とした新曲を何曲か挿入しているのですが、この新曲自体は正直そこまで特筆すべき物ではない出来栄えなんですけど、うまいな〜と思ったのはこのオリジナル曲の前後1作目の楽曲(名曲のLove is a SongLet's sing a gay little spring songなど)の一部を巧妙に挟み込んでるんですよね。

これをやる事でオリジナル楽曲が浮かないんですね不思議と。

テイストの少し違うオリジナル新曲がバンビの世界観を壊すことをしっかり防いでいます。

これはうまかったです。



続編の意義




今作は1作目の続きではなく空白期間を埋めるストーリーになっています。
原作では1作目の後もしっかり物語があって、それこそトゥーンスタジオが多用していた二世物なんですが、今回はあえてスピンオフのストーリーを選択しています。

なんでかなぁと見るまでは不思議だったんですが、観ると納得出来ます。

この隙間の物語を描く事に続編の存在意義がある、と判断したんでしょうね。

というのは、1作目ではバンビは母を殺されてすぐ父親と会い、母親がもう戻ってこない事を知らされてからすぐに、悲しむ間もなく時間が飛んで大人になっています。

大人なので母親の事はもう当然過去のこととして振り切っています。

しかしどうやって母親の事をのみこみ、どのように父親と関わってきたのかは見てる人には全くわからない構成になってるんですよね。

そこを今回の2ではメインテーマとしてしっかり描いてくれています。

これまでのトゥーン作品のようにただ惰性で作ったような続編ではなく、描きたい事がハッキリとしていてそれがちゃんと観ている人にも伝わるんですよね。

これが一本の作品として、続編として価値と魅力をしっかりと保持する要因になってると思います。

父と子の描き方はちょっとやり過ぎかなぁとも思いましたが母親の存在描写はかなり上手に表現されていたと思いますね。


特に「過去を振り返るなと」と頑なに母親の事について触れようとしなかった父が最後の最後に彼女との思い出を一言だけ口にするシーンは、本当に良かったです。

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まとめ



上述のように傑作とは言わないまでも基本的には抑えるとこを抑えた良作な続編と言える作りになっていると思います。

ただ一番気になったのはやはり「エンタメ性」「バンビらしさ」バランス

中でも台詞の数は気になりましたね。

バンビという作品は、その作画や演出の美しさと同じくらい「キャラが喋りすぎない」というのが最大の特徴の一つなんですよね。

余計な事は言わず、表情演出観客に伝える静の美しさが大きな魅力なんです。
コメディもちゃんとあるんですけどね。

ここまで【バンビらしさ】意識しながら、そこを踏襲しなかったのはちょっと大きかったですね。残念でした。

普通に要らないことまで喋っちゃう普通のアニメ映画になっちゃってました。

これによって確かに「1作目苦手」て人にも取っつきやすい作品にはなってるんですけど、1作目のファンからするとちょっと、、ここだけもし踏襲してくれたら、ディズニーが誇る傑作続編になり得たんじゃないかと思うとやはりとってもったいなかったです。

他の部分がとても頑張っていただけに余計に…ですね。

あとクライマックスがちょっと弱かったかな。と。


まぁこれも空白期間のストーリーなので結局本編に繋がなきゃいけないってとこで仕方ない部分もありますが。


ただここは人によりだいぶ印象変わると思いますし、お子さんとか楽しいエンタメ派からしたら2の方が見やすいのは間違いないんですけどね。

1作目のように圧倒的な何かを感じる作品ではないですが、普通に気軽に楽しめる、普通の良作ディズニー映画のレベルには充分仕上がってます


うん。


これは良い続編でしたね!




はい。


というわけで今回はこの辺で!



今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪



また次回。



しーゆーねくすとたぁいむー。




 

 




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