ディズニー映画語り ファンタジア | すきなものしか語れない

すきなものしか語れない

元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。

はいどぅも。



さて、今回は2週目のディズニーアニメーション映画史。時代は正にディズニー長編アニメーション黎明期全てが始まり動き出した時代です。


史上初の長編カラーアニメーション「白雪姫」空前の大ヒットを記録し、その勢いのままディズニーは続く第二弾の長編アニメーション「ピノキオ」を発表。


好評価を獲得しますが収益面では失敗に終わり、徐々にディズニーの財政面は圧迫されていきます。


そんな中ピノキオのわずか9ヶ月後、ディズニースタジオの命運を掛けたウォルト最大の挑戦作がリリースされる事となったのです。

そしてこの作品は当時の映画エンタメ芸術界大きな激震を走らせる事になりました。





(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



  ファンタジア

(原題:Fantasia)

1940年

制作総指揮

ウォルト・ディズニー

ベン・シャープスティーン


データ

ウォルトディズニーアニメーションスタジオ3作目の長編アニメーション。


前作「ピノキオ」公開からわずか9ヶ月後、第二次世界大戦中1940年に公開されました。


ステレオシステムが使用された世界初の映画であり、尚且つ現代のサラウンドシステムの原型である【ファンタサウンド】が独自開発・導入された映画史において非常に重要な歴史的作品


今後多発する事になるディズニー初めての「短編オムニバスによる長編作品」ともなりました。



兼ねてからウォルトが考案していた【シリー・シンフォニー】(※音楽とアニメーションの調和を主軸に置いたディズニーの短編シリーズ)の進化系の制作、そして短編で不動の地位を手にしたミッキー・マウスに新たなステージを提供する、という2つの点がきっかけとなり制作されたウォルト・ディズニー最大の試験作


レオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団により演奏される著名なクラシック音楽に乗せてアニメーションが展開する8つの短編を連ねた構成になっています。


制作を指揮したのはウォルト・ディズニーとこの時期のほぼ全てのディズニー作品で中核を担う存在であったベン・シャープスティーン


シークエンス監督にはデヴィッド・ハンドハミルトン・ラスクノーマン・ファーガソンウィルフレッド・ジャクソン等まさにディズニーの歴史を作り上げたレジェンド達が名を連ねています。


脚本にはディズニー黎明期を支えた後1度退社、90年代にカムバックし「美女と野獣」「ライオン・キング」等でルネサンス期に大きく貢献する事になるジョー・グラントと、ディック・ヒューマー


今作は8つの短編アニメーションが、縦軸の実写シーンで繋がる構成がとられていて、オーケストラによる演奏シーンが描かれています。

このオーケストラは実際の演奏を担当しているフィラデルフィア管弦楽団ではなく地元のプレイヤーディズニーのスタッフ達がオーケストラに扮して出演しています。

つまりドキュメントではなくお芝居なんですね。


実写パートには、解説と進行役に音楽家のディームズ・テイラー指揮者レオポルド・ストコフスキー、さらに演奏家役としてミッキーマウスの2代目声優ジミー・マクドナルドやディズニー音楽の主要人物ポール・スミスなどが出演しています。




今作では基本的にアニメーションに台詞は一切ありませんミッキー・マウスのみ指揮者のストコフスキーとの短い会話シーンがあり、ミッキーの声はウォルト・ディズニーが演じています。日本語版は青柳隆志さん。



世界大戦中という世相があったこと、さらに新音響システムをはじめとする莫大な開発費による制作費の膨らみ、その音響システムを導入できる劇場が圧倒的に少なかった事、それにより思い通りの劇場公開が行えなかった事等度重なる逆風につぐ逆風に見舞われ、今作は興行収入面では大きな赤字を出す大失敗となってしまいました。


9ヶ月前ピノキオの失敗とのダブルパンチで、ディズニー社は本格的な財政難倒産の危機に見舞われる事になります。


しかし評価面ではクラシック音楽の編曲構成解釈において一部クラシック愛好家や音楽家から批判が出たものの、その独自の芸術性やアニメーションの根底を覆すその発想力と斬新さ非常に高く評価され話題となりました。


その後幾度となくリバイバル公開が行われ、今ではディズニーの歴史、そして映画に留まらずエンターテイメント・芸術の歴史にとって欠かすことの出来ないディズニー史上最大最高の伝説的な異色作として非常に高い認知度と支持を獲得し続けています。


作品自体は音楽や芸術古典資料として重要視され、90年には米国議会図書館により「文化的、歴史的、または美的観点から重要な作品」として指定され音楽学校芸術学校教材として多く取り上げられるようになります。


又、ファンタジアでミッキーが演じた【魔法使いの弟子】役は彼の最大の代表作となり、大衆に浸透、今日でもグッズやパーク等で広く親しまれています


その一方で、公開当初からあった「エンターテイメントとして」「アニメーションとして」何よりも「大衆娯楽である映画として」どうなのかという議論はその作品の認知度が上がる度に高まり続け、ディズニー作品の中でも最も賛否両論別れる問題作であるという側面も持った作品となっています。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あらすじ




ディームズ・テイラーのナビゲートと共に音楽からインスパイアされた様々な短編アニメーションがフィラデルフィア管弦楽団の演奏と共に展開されていく構成。


アニメーションパートは一部を除いて台詞なし。


☆収録作品


トッカータとフーガ ニ短調

組曲 くるみ割り人形

魔法使いの弟子

春の祭典

交響曲第6番 田園

時の踊り

禿山の一夜 / アヴェ・マリア


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


感想




今回はちょっと短いです!
上手に語れる気がまるでしないのでw

というのも、まず最初に言わなければならないのは自分が生粋のファンタジア信者だということ。


ディズニーだけではなく、全ての「映画」の中でファンタジアが一番好きな人間です。


そして同時、にファンタジアみたいな映画は最も評価やレビューが意味を成さないタイプの


好きな人は無条件に感覚で好き。

無理な人は無条件に感覚で無理。


そういう【感覚】の映画だと思っています。



理屈や頭や言葉ではなく、感覚で楽しむ映画だからこそ、その魅力を言葉で表すのは本当に難しいです。


だからこそ今まで語るのを避けていたというのもあります。


それともう一つ。


信者の自分でもこのファンタジアは【大衆娯楽である映画】そして【アニメーションエンターテイメント】としては間違いなく失敗作だったと思っているからです。



ある意味では行き過ぎた娯楽の成れの果て、といった所でしょう。


現代の人であればある程、この作品に価値を見出すのは難しいのかもしれません。


子供にはまったく向かない。


台詞もストーリーも無いから退屈で眠くなる。



ごもっともです。


エンターテイメント映画としては失格に思えるかもしれません。


ついでに言うと、大衆娯楽である映画必要以上の芸術性を盛り込むのは個人的には本当にナンセンスだと思っています。


ファンタジアを芸術作品だと思って観たことは1度もありません







じゃあ何でこんなにも好きなのか。



よくわかりません。



ただ感覚で好きなんです。



はじめて見た時、ただ感覚で素晴らしいと思い、ただ感覚で鳥肌がたち、ただ感覚で泣いていました。


音楽とアニメーションの見事すぎるシンクロや、作画の素晴らしさとアニメーションの滑らかさ演出の匠さキャラクターの逸品さ、そりゃ具体的に上げだしたら色々ありますよ。


だけどそういうのを通り越して感覚で心が震えたんです。


そしてそういう人達にとってこの作品は間違いなく一生物の宝であり、何にも代えがたい最高のエンターテイメントなんですよね。


トッカータとフーガ禿山の一夜〜アヴェ・マリアを見て、一つも何も思わない、何も感じない人にとっては本当に何の価値もない映画だと思います。


ミッキーマウスキノコのダンスカバとワニのダンスヘラクレスみたいな世が面白かった、とかそれくらいでしょうか。


それだけでも観る価値はあると自分は思いますが、エンタメとしてな流石に弱すぎるでしょう。

(※これは何度も色んな所で言ってますがミッキーの出演時間はわずか約10分です!)


もっと素晴らしいエンタメ映画がディズニーには他にいくらでもあります。



理屈映画を見る人には絶対に向きません。



そしてそれを自分は激しく肯定しています。



当然でしょう


エンタメ映画としては欠点だらけなので。



観る映画でも聴く映画でも考える映画でもなく、感じる映画だと思います。

そして感じれるか感じれないかがこの映画の全て


だから【何がどうだ】と言われた所でダメな人はダメだし、そんな事言われるまでもなく好きな人は感覚で好きになる。



【どこがどう凄いんだ!】

言葉説明する映画ではないんですよね。


だから、おときちにとって波間違いなく永遠不動の人生の一本なのですが、他人にすすめられるかと言ったらそれはなんです。


まったく面倒くさい映画ですw


ただ勘違いしないで欲しいのはこの映画が、お高く止まった芸術映画を目指して作られたかと言われればそうではないんです。






制作側は、子供も楽しめる最高峰の娯楽映画だと思って作っています。


だからミッキーマウスを登場させしかも喋らせたし、ワニとカバのダンスも神々の世界も最高にコミカルだし、チェルナボーグはヴィランとしての存在感は半端ないし、わざわざテンポを悪くしてまで音を擬人化したサウンド・トラックくんを登場させたし、台詞がない分最初にディームズ・テイラー必ずストーリーやあらすじを説明してくれるんですよね。


娯楽性を高めるためこだわりや努力は本当に沢山なされています。


それでも観た人の何割かは眠くなり、大半の子供は視聴に耐えられない


だからやっぱり単純なエンタメ映画としては失敗作なんですよね。




ディズニーがこれまでしてきた多くの偉業、そのほとんどはその後様々な会社や人々に模倣され尽くしてきました。

本当にそのほぼ全てを。


ただ、このファンタジアだけは完全な模倣というのが未だに出てこないんです。 


ザッと思い当たるのは「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」くらいでしょうか。


ただあれもあくまで参考の一つ程度ですよね。


完全に「これはファンタジアの模倣だ」言い切れる映画には出会えてません。(知ってる人いたらぜひ教えてください!)



難しいというのもありますが、恐らくその理由の大きな一つは「成功すると思えない」からでしょう。


実際にこのファンタジアも収益面では成功していません


「ファンタジアは早すぎた」とよく言われますが、これに関してはに時代が進み優れたエンタメ映画が出てくれば来るほどどんどん賛否両論が増してる気がしますね。



ただ、その中の何割かの人心は決して掴んで離すことはない、そういう映画です。



映像が、音楽が、キャラクターが、ストーリーが、、そういう物を超越してファンタジアという世界にただ惹かれ何度でも感動してしまう


そういう、人によっては最高峰の娯楽映画です。



「ファンタジア2000」でも語りましたが、この先もし「ファンタジア」を名乗る作品がまた現れたとしても、それはやはり別物であり、この作品と肩を並べる物は絶対に出てこないでしょう。



そして確定的に娯楽映画としては失敗作でありながらそれでも尚、今後もこの作品は間違いなくディズニーが誇る唯一無二の傑作として輝き続けそれが揺らぐことはないでしょう。


だから今回は申し訳ないですが具体的な話はせず終わろうと思います。



一つだけ言えることがあるとすれば「気になってる人が居たら、まず途中までのつもりで良いから観てほしい」という事でしょうかね。


そして無理だと思ったら、遠慮せず途中でやめましょう。



それからもしもこの作品が「合った」なら、きっとこの映画はあなたの宝物になります。


少なくとも自分にとってはどんな作品よりも最高のエンタメ映画ですし、間違いなく一生見続ける大切な人生の一本です。



と…。





今回はかなり抽象的な記事になっちゃいましたね…。


大変申し訳ございませんでした(^_^;)




この映画はちょっと想いが強すぎて永遠にまともに語れそうもないです!





ごめんなさいw





「ファンタジア」は現在ディズニープラスにて配信中です♪







はい。





というわけで!





今回はこの辺で。


いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!




では、また次回!






しーゆーねくすとたぁーいむ。