ディズニー映画語り チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ(1989) | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。



はーいどうも。

今回はディズニー制作のテレビ用アニメーションについて語っていきたいと思います。

ディズニーと言えば劇場用アニメーションがやはり代表的な主流事業であるイメージがもちろん強いと思いますが、実は1980年代頃からディズニーはテレビカートゥーンにもかなりの力を入れていて、現在でもディズニーチャンネルを中心に沢山のテレビアニメーションの名作を生み出した続けているんです。

有名なところでいくと「フィニアスとファーブ」「キム・ポッシブル」最近では「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」「悪魔バスター スター・バタフライ」等が高い人気と評価を得ています。


今回はそんなディズニーのテレビ産業の礎を作ったディズニーテレビアニメーションブーム草創期のこちらの作品について語ります。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)



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  チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ

(原題:Chip 'n Dale Rescue Rangers)

1989-1990年

制作

タッド・ストーンズ

アラン・ザスラブ


データ

1989年〜1990年に制作・放送された全65話のディズニーのテレビアニメーションシリーズ


ディズニー初の本格テレビアニメーションシリーズと言われれ「ダック・テイル」の大ヒットを受けて、新たに企画制作されたシリーズの一つ。


「ダック・テイル」同様ディズニーのレギュラーキャラクターの基本設定のみを使い、全く新しい世界観と物語を付与するスターシステム方式で作られた第二弾のテレビシリーズです。


制作はタッド・ストーンズアラン・ザスラブ。ダック・テイルをはじめ後の数々のテレビアニメーションを制作し、ディズニーテレビアニメーションの草創期を支え礎を築いた二人で、「アラジン ジャファーの逆襲」等の長編作品も手掛けています。



ディズニーの人気キャラクターであるチップとデールを主役としたオリジナル設定アドベンチャーコメディ。2人がレスキュー・レンジャーズというチームを組織して困っている人や動物を助ける活動を行っていく…というプロット。





チップとデールはもちろん全話に登場する他、レスキュー・レンジャーズの一員として発明家のガジェット、冒険家ネズミのモンタリー、勇敢な小バエのジッパーレギュラーキャラクターとして全話に出演しています。



ダック・テイルのような探偵アドベンチャーモノという初期案でスタートしましたが、内容としては謎解きや冒険よりも、全編通して兎に角個性的なキャラを最大限に活かしたギャグ応酬のコメディアニメーションとなっています。


基本的には子供向けではありますが、一つ一つのエピソードは必ずしも単純ではなくダック・テイルほどでは無いですが大人の視聴にも耐えられるストーリー展開も数多くあります。

特にレスキューレンジャーズの誕生を描いた全5話に及ぶスペシャルエピソード「お助けチーム誕生」多方面で高い評価を獲ました。


何よりもその奇想天外で魅力的なキャラクターが大当たりする形で作品は子供以上に大人達から支持を集め、大きなヒットを記録しました。


キャラクターグッズの展開やパークでのグリーティングやアトラクション化ゲームコミック等様々なメディアミックスが行われました。


日本でもテレビ東京にて4クールの放送が実施され人気を博します。ゲーム化もされ、さらに東京ディズニーランドトゥーンタウンには今作のキャラクター「ガジェット」をモチーフとしたアトラクションも登場。


さらに2022年には30年以上の時を越えて続編となる長編映画がリリースされる等、ディズニーテレビアニメーション随一のヒット作の一角として現在でも根強い人気を集め続けています。


テーマソングを「ダック・テイル」マークミューラーが手掛けジェフペシェットが歌い、こちらも大ヒットとなりました。


制作に日本の東京ムービー新社ウォルト・ディズニー・ジャパンが深く携わった事でも知られています。


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あらすじ





※シリーズの序章となる13話〜17話「お助けチーム誕生(To the Rescue)」のあらすじ。



チップとデールは警察署に入り浸るリスの二人組。かねてから人々を助ける警察官に憧れを抱いており、顔なじみであるベテラン刑事ドレイク警部の相棒犬プレイトーのもとをたびたび訪ねていた。


ある日チップとデールはドレイクとプレイトーによる宝石窃盗の捕物にたまたま同行する事になる。


二人の活躍もあり無事に盗まれた宝石のルビーを取り戻す事に成功するが犯人を捕まえることはできず、ドレイク警部はその手口の類似から昨年溺死した犯罪者クロデーンの仕業ではないかと疑い始めていた。


そんな時警察署内で取り返したルビーがまたしても盗まれる事件が発生。なんとドレイク警部の私物から盗まれたルビーの一部と航空券、賭博場の借用書が発見される。


ドレイク警部と愛犬のプレイトーは窃盗の容疑をかけられ拘束されてしまう。


一部始終を見ていたチップとデールは二人の無実を晴らすため、真犯人とルビーの捜索を開始することに。


道中に出会ったチーズ好きの冒険家モンタリーや発明家の娘ガジェットを巻き込みながら、それはやがて予想もつかない大冒険へと発展していくのであった…


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感想



ディズニーの第一次テレビアニメーションブーム爆発期の作品なので非常に勢いのある作品です。

人気キャラクターチップとデールのレギュラー起用、低予算高クオリティアニメーション制作に定評のあった日本への制作委託、数々のユニークで魅力的なキャラクターやアイテムのデザイン、子供向けの水戸黄門のようにお決まりパターンな勧善懲悪、その中でも毎話入り乱れる大騒動、一本筋ではないギミックやストーリー…

以後にも続くある種のテレビカートゥーンシリーズにおけるお決まり基礎形成した作品の一つ。


ダック・テイルの成功に続くため、ディズニー社がかなりこの作品に力を入れていた事がよくわかります。

小ネタやキャラクターの繋がりはあれど縦軸のストーリーはほぼ皆無完全1話完結型
深みやメッセージ性、ダークな要素の全くない徹底したコメディアニメーションなのも最高です。

今はディズニーもテレビシリーズですら縦軸や練られたストーリー等が当たり前になっていますからね。

個性的なキャラクターによるカオスアドベンチャー




この作品の最大の魅力はやはりその奇想天外でぶっ飛んだキャラクターの数々となんでもありの世界設定から生まれる突っ込み所満載のドタバタ劇。

海賊から幽霊、宇宙人、魔女、ミイラ、果てにはジュースを崇めるネズミの宗教団体等ほんとに何でもありカオスな世界感は毎回飽きさせない大きな見所の一つです。

動物が人間と同様に共生しているわけではなく「ビアンカの大冒険」同様動物達は人間社会の裏で独自にコミュニティを作り生活している設定で、レスキューレンジャーズはあくまで困っている他の動物達(と人間の子供)を助ける組織と位置付けられていますがその前提も結構早い段階でかなりあやふやになりますw


アニメーション自体は結構細かい所まで描き込まれていて力が入ってるんですが、描写やモーションは劇場作品にはない良い意味でのずさんさやいい加減さがあり「これ重力とか物理的にどうなってんの…」みたいな御愛嬌な表現や演出がとっても多いですw

ノリは激軽ですが毎回毎回、実は人間社会・国・世界をも脅かすような大事件が次々に巻き起こってます。

決して手を抜いてるわけではない、だけど細かい事に囚われない「面白ければ何でもありでしょ」的ノリな古き良きスタイルのアニメーションなんですよね。


そしてこの作品最大の武器は次々に登場する魅力的なキャラクター達です。



毎話登場するゲストキャラクターにもちゃんとクセの強い個性付けがされていて、本当イカれた人達ばっかり

この時点で最高に面白いんですが、まずそもそもレギュラーキャラクターがチップと小バエのジッパーを除くとネジの何本か抜けたキチガイばっかりですw



モンタリーはチーズの匂いを嗅ぐたびに理性を無くすチーズ中毒者


全てにおいて大雑把で粗野ですが、とても自尊心が高く自分が拘ることには周りが引いてしまうほどの執念を燃やし後先考えず突っ走るかなりの困りもの…

正直ほとんど人格破綻者ですw




デールはもともとのドジでお調子者という性格に加えて今作では異常なまでにミーハーですぐに何かに流され、それでいて自己中心的なワガママ者という設定が追加されていて最早手をつけられないこちらもほぼほぼ人格破綻者


レスキューがうんぬんじゃなくて大半のエピソードにおいてトラブルの根源はこの2人だったりしますw




ガジェットは今作中で主役の二人を凌ぐ一番人気のキャラクター。

冷静な判断力と様々な発明でチームを助けるレンジャーズのブレインです。



他者に媚びず自分をしっかり持った自立した女性として描かれていて、そこがこのキャラクターの人気の理由となっています。

(余談ですがロシアではこのキャラクターをひたすら崇める宗教団体が実際に存在します…)



が、このガジェットもよく見ると結構ネジが外れていて、発明に平気で素人レベルの致命的ミスを施したり言動が絶妙に少しずつ要点からズレていたり、、実は影のトラブルメーカーだったりもします。



おそらく登場人物の中でこの小バエのジッパーが一番まともで頼りになりますw

いつも皆の為に陰ながらファインプレーを連発する功労者です。




ヴィラン達にも個性豊かで魅力的なキャラが沢山いて、このファットキャットはもっとも登場回数の多いレスキューレンジャーズの宿敵
個人欲求を満たすためにかなり下らない悪巧みをしては必ずレスキューレンジャーズに阻止されるまるでバイキンマンのようなキャラクターです。


中でもおときちが個人的に大好きなヴィランが…



こちらのニムナル教授

人間の科学者で間違いなく頭脳は天才なんですがこれがまた最高に憎めないマヌケでドジな小悪党

史上最強に憎めない小物ヴィランなんです。



「もう悪巧みは諦めて真っ当に生きるわ…」
とか言って急にマッシュポテト量産機作り出したと思ったら、結果電力使いすぎて電気を止められて挙げ句自家発電の為に街のネズミを片っ端から誘拐しはじめた時なんかもう愛しくて仕方なかったですねw

日本語版の故・上田敏也さんの演技がもう最高にハマってるんですよ…



その他にも毎回毎回頭のおかしい愛しいキャラクター達が次から次に登場するんで、本当に飽きないんですよねぇ…


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まとめ【大人もハマる古き良き子供向けテレビアニメーション】





教訓や深みや泣ける要素など微塵もない。

ポリコレやコンプラにも縛られない。

物理法則なんてしったこっちゃない。

重ねてになりますが兎に角細かい事に囚われない「面白ければ何でもありでしょ」的ノリな古き良きスタイルのカートゥーン

今子供向けでもこういうアニメ、ほとんど無くなってきましたよね。

だからこそ、今観ると一際輝くモノがあります。



もちろん現在主流の【何か意味がありげなアニメーション】が好きな方にはこういう作品はただ退屈なだけなのかもしれません。


だけどそういう考え過ぎなアニメや映画にフと疲れた時、是非観ていただきたい作品です。

何も考えずに、ただおバカな彼らの奮闘を観て楽しむだけの、そういうくだらなくて最高の作品です。

65話と結構なボリュームがありますが、少しでも気になっている方はぜひ気軽に試してみてほしいですね。


一つだけ言うならば、彼らの始まりの物語である13話〜17話「お助けチーム誕生」から観ていただくとグッと世界観に入りやすくなると思います。



「チップとデールの大作戦」は、現在ディズニープラスで全話配信中です♪




はい!

というわけで今回はこの辺で!


今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪



また次回。



しーゆーねくすとたぁいむー。