はぁぁあいどうも。
今日は色々と時間がないので申し訳ないですがリサイクルの再掲記事です!
ご容赦下さい!
今回はディズニーの大人気作品、そして自分も大好きな「リロ&スティッチ」の続編シリーズ語りの第二弾でございます。
二回目の今回は第一作目「リロ・アンド・スティッチ」の直接的な続編であり、続編シリーズ随一の名作と名高いこちらの作品について語っていきたいと思います。
時系列で言うと初作の次に当たる、リロ・アンド・スティッチの後にまず観る続編としてオススメしたいのがこちらの作品です。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
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リロ・アンド・スティッチ2
(原題:lilo & stitch 2: stitch has a glitch)
2005年
監督:
トニー・レオンディス
マイケル・ラバッシュ
データ
2002年の第一作、2003年の「スティッチ!ザ・ムービー」に続いて矢継ぎ早に公開されたスティッチシリーズ三作目の長編作品。
テレビシリーズ「リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ」放送中の中での公開でした。
制作はディズニー・トゥーン・スタジオですが実写部門であるウォルト・ディズニー・ピクチャーズも制作にわりとダイレクトに携わっているのも特徴です。
公開形態はビデオリリース。
当初は劇場公開が予定されていましたが諸々の事情で制作途中でビデオリリースへと変更されました。
監督は共に「ホーム・オン・ザ・レンジ」を手掛けたトニー・レオンディスとマイケル・ラバッシュ。脚本はドラマ「フレンズ」や「SEX AND THE CITY」を手掛けたアレクサ・ジャンジと「ウォーキング・デッド」を手掛けたエディ・ガゼリアンが監督二人との共同脚本で参加しています。
音楽は様々なトゥーン・スタジオ作品を手掛けてきたジョエル・マクニーリー。
スティッチの声は引き続き一作目の監督でありスティッチの生みの親クリス・サンダース。
今作はテレビシリーズと平行して制作された作品の為にリロ役のデイヴィ・チェイスがそちらの収録で多忙なことから、とある友人を推薦。
それが今や有名女優となったダコタ・ファニングでした。
その後の作品では再びデイヴィに声優が戻るので、今作はシリーズで唯一ダコタがリロを演じた貴重な作品でもあります。
主役は引き続きリロとスティッチ。
一作目の「リロ・アンド・スティッチ」の数週間後の物語を描いています。
「スティッチ!ザ・ムービー」から続く【イトコ編】よりも前の時間軸の話で、それらの展開とは切り離したストーリーになっています。
続編としては珍しい事なのですが、登場人物が一作目よりも大きく減っているのが特徴的で、主要キャラはリロとスティッチ、ナニ、ジャンバ、プリークリー、そしてデイヴィッドのみ。
銀河連邦関連やガントゥ、コブラ・バブルス等は登場しません。新キャラクターもゼロで、新たなヴィランが登場するような事もありません。
スティッチシリーズはやはりエンジェル等の人気キャラクターが多数登場する【イトコ編】が最も有名ではあるのですが、一本の作品としてのクオリティ・一作目の直系続編としての正統性等から続編作品群の中でも随一の高評価を獲続けている作品です。
多数のビデオ続編を手掛けてきたトゥーン・スタジオの中でも特に力の入った傑作として、特に一作目のファンからは圧倒的な人気を誇っています。
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あらすじ
スティッチがリロとナニのオハナになってから数週間。ペレカイ家の人々は新しくなった環境に慣れようと努力しながらも、それぞれが悩みを抱えながら暮らしていた。
ナニは家計をささえる為働きながらも新しい家族の絆を強めようと賢明に試行錯誤し、ジャンバとプリークリーは地球の環境とお互いの存在に未だ居心地の悪さを拭えず、デイヴィッドはようやく付き合いを始められたナニとの進まぬ関係性に悩む。
そしてリロは、両親を失った悲しみを完全に癒やすことが出来ず、スティッチは【自分が悪い子に戻ってしまう】悪夢に悩んでいた。
そんなある日、リロが通うフラの教室でコンテストが開かれる事になった。
そしてリロは亡き母親が以前同じ大会で優勝していた事を知り、母親の後を継ぎ優勝する為フラの制作に闘志を燃やす。
スティッチも喜んでリロを手伝い、二人のフラ作りが始まる。しかしそんな中、スティッチの体には大変な危機が迫ろうとしていた…。
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感想
スティッチシリーズに関わらず全てのディズニーの続編作品の中で間違いなく一番好きな作品です。
この作品、続編としては異常な地味さなんです。
前述の通り前作より登場人物は減ってるし新キャラクターや新たなヴィランが登場するような事もなければ物語としてのスケールも大幅にダウンしています。
前作「リロ・アンド・スティッチ」で「新しい家族」を見つけた登場人物達が新たな環境に戸惑いながらも「家族としての絆を少しだけ深めていく」ただそれだけのお話です。
リロとスティッチだけではなく、二人を通してナニとデイヴィッド、ジャンバとプリークリーもまたそれぞれの絆を少しずつ深めていきます。
そうして全体が少しだけ家族として前に進む。
それだけのお話し。
そしてそこに絡んでくるのは「亡くした両親の存在」とフラとハワイとプレスリー。
全てがあくまで一作目の補完に留まっているんですよね。
これこそ「リロ・アンド・スティッチ」が大好きな人が本当に観たかった続編じゃないでしょうか。少なくとも自分はそうでした。
「新たな出会いや展開で広げていく続編」も良いですが、こういう「前作にソッと寄り添い補完する続編」が世の中に少なすぎると思うんですよ。
トイ・ストーリーの1〜3みたいに両方しっかり出来ちゃってるような凄い映画もありますが、こちらは後者の方に全フリした作品になっています。
続編を観るとき、自分が本当に観たいのってこれなんですよね。新しい問題や新たなキャラクターじゃなく。
この作品がやったことって1での結末を少しだけ補足して補完した、ただそれだけなんですよ。
それで充分なんですよね。
前作が素晴らしければ素晴らしい程、続編ってそれで充分なんですよ。
特に今作は主役の二人だけではなく、それを取り巻くナニ、デイヴィッド、ジャンバ、プリークリーにも内面的物語とそれぞれの絆の変化が少しずつ描かれていた事と、以降の続編シリーズではほとんど忘れさられてしまう「早すぎる両親との別れ」を改めて取り上げ、新しい家族の結束へと繋げている点が個人的に本当にポイント高いんですよね。
ただこれは平行して新たな方向性であるキャラクター特化型の【イトコ編】が同時展開されていたからこそ出来た事だとは思いますが、当時既にイトコ編が爆発的なブームに乗っていた中で、敢えて原点である【始まりの物語】に立ち返ったこんな素敵な続編を作ってくれた制作陣に本当に感謝したいですね。
この一本はシリーズ全体において本当に大きかったと思います。個人的にはこの作品がなかったら早々に多分スティッチから離れてましたね。
沢山のシリーズが作られた中で
【唯一のナンバリング作品】。
もう、この事実が全てを物語ってますよね。
ということで詳しくは↓以下↓で!
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キャラクターの内面と関係性をクローズアップした丁寧な脚本
本筋のストーリーは極めて蛇足的です。
特に大きな驚きもなく、意地悪に言えば非常に安直なアイデアの後付けの薄っぺらい展開となっています。
イトコ編のようなカラフルなキャラクターが登場する賑やかさも皆無ですし、一作目のような宇宙や島全体を巻き込んだ大事件も起こりません。
あくまで小さな小さな1つの混合家族に起こった小さな事件を扱った小さな物語です。
だから退屈な人には、特にイトコ編のようなスティッチを期待して観た人とかには本当に退屈だと思います。
そのかわり、即席家族で新しい環境になったばかりのペレカイ家の人々が、戸惑いながらもどうやってオハナとして絆を深めていくかがとても丁寧に描かれています。
家族を支えるため必死に働きながらも、何とか家族の絆を深めようと無理して始めた【一家団らんの日】に乗り気じゃない皆にイラつくナニ。
地球の環境と今の「家族」に馴染めず「悪の天才」に未練を持ち、それでも今までにない情が芽生え始めた事に戸惑いながら自分の作品でしかなかったエイリアンを「スティッチ」「626」と混ぜこぜに呼ぶジャンバ。
地球の環境を楽しみながら、成り行きで一緒に居ることになった「悪の天才」に対して嫌悪感を感じながらもどこかほっとけないプリークリー。
ナニとようやく付き合える事になったものの、家族の事で頭がいっぱいの彼女を鑑みて一歩引いた態度を取り続けるデイヴィッド。
亡き母親の過去を知り、自慢の娘で居たいとムキになり奮闘するリロ。
そんなリロを賢明に支えながらも自分に起きた異常に気付き、家族を傷つけないよう姿を消そうとするスティッチ。
この六人がお互いに絡み合い作用しあって、1つの絆が出来上がっていきます。
本当に良いシーンがいっぱいあるんですよ。
ジャンバとプリークリーがクム(フラの先生)に怒られそうなリロを変装して必死に助けようとするシーン。
救いたい一心で必死になる中でポロッとスティッチの事を「家族だ」と明言するジャンバと、そんな彼を何とか励まそうとするプリークリーのシーン。
ずっと一歩引いていたデイヴィッドがナニに「僕がいるから」とさり気なく支える決意を告げ、その言葉を嬉しそうに受け取るナニのシーン。
母親の事で周りが見えなくなっているリロを支えながらも、彼女を想い密かに姿を消そうとするスティッチのシーン。
何よりも、リロとナニの喧嘩のシーンは本当に大袈裟ですがディズニー史に残る名シーンだと思います。
リロがナニに向かって「あなたじゃなくてお母さんがいい」と言い放ち「私も一生懸命やってる」と反論するナニにさらに「足りないよ」と言う。
そんなリロにナニはただ「わかってる」とだけ答えます。
そしてその後二人で大きなため息を付きお母さんの思い出話をして笑いあい、最後にお互いを讃えます。
書いてるだけで泣けるくらい良いシーンですw
家族になったばかりの六人の藻掻きながら前に進もうとする様子が痛いくらいに丁寧に描かれているんです。
ストーリーよりもキャラクターの心情と関係性の描写、すなわち人間ドラマに特化した、恐ろしく丁寧な脚本だと思います。
実写の人気人間ドラマをいくつも手掛けるアレクサ・ジャンジとエディ・ガゼリアンの功績が大きいのが容易く想像できますね。
賛否はあると思います。
ストーリーとしては面白くはないので。
それでも一作目が大好きなファンにとっては何よりも心を揺さぶる物語になっている事は間違いないです。
最後にリロの為に皆で踊るフラのシーンとかもう最高ですよ、、本当に、、。
世界観を継承したアニメーションと絶妙な音楽
この作品はストーリー以外の部分でも非常に一作目を大事にした要素を幾つも取り入れています。
その代表例が
「エルヴィス・プレスリー」です。
一作目でリロが憧れる存在として登場し、音楽も多数使用され、スティッチにも多大な影響を与えたこの作品をの最大の個性の1つなのですが、正直プレスリーの使い方は一作目より数倍上手いです。
これは見事です本当に。
スティッチを励ますためにリロが話したプレスリーのエピソード。実話かどうかはわかりませんがとても良いシーンです。ミートローフが好物だったというのは本当らしいですけどね。
そしてフラのアイデアを求めてプレスリー縁の地を巡る二人と、最終的に彼からアイデアを授かるシーンも大きな見処ですね。良く出来ています。
楽曲も一作目とは被らない選曲でオリジナル音源がたっぷり使用されています。
それともう一つ、一作目の大きなアイコンであったのがハワイとフラ。
こちらも前作に負けないくらいこだわって作られていて、特に最後にリロ達が踊る「Always」という曲はハワイで有名な「ヒイアカの伝説」をテーマとして作られていて、フラも楽曲も今作のオリジナルです。
本当の大きな見処の1つですね。
それとフラコンテストのシーンはマートルの奇妙なダンスや会場、音源等も凝った作りで面白いです。
背景とキャラクター作画、アニメーションに関しても一作目にギリギリまで近い物を目指した気迫を感じる渾身の出来です。
特にこのリロ・アンド・スティッチという作品は作画が難しいようで、正直イトコ編からの作画崩壊は半端ないものがあるのですが(リロ等の顔パーツやスティッチのサイズ等)今作はその中でも最も一作目に近い、2の冠に恥じない素晴らしいアニメーションに仕上がっています。
さすが劇場公開を想定して作られただけのことはありますね。
もちろん、超えてはきませんが。
一作目が素晴らしすぎたので。
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まとめ【全てにおいて初作の精神を引き継いだシリーズで唯一の正統続編】
断っておきたいのは、「ザ・ムービー!」から始まるイトコ編も、リロ・アンド・スティッチのエンタメ性を追求した素晴らしい正式続編シリーズだということ。
それとは別の意味でこの作品はリロ・アンド・スティッチのタイトルを使用するに相応しい「唯一の作品」だとやはり思うんです。
それはやはりこの映画が「家族愛」をテーマとした物であり、愛を失った少女と愛を知らないエイリアンの二人が出会い、自分達の家族を作る物語だからなんです。
そういう意味でリロ・アンド・スティッチの続きを描いてくれた作品は沢山のシリーズの中でこの作品だけなんですよね。
逆に言うとこの作品があってはじめてイトコ編に行けるんですよ。あのシリーズはイトコという「少し遠い家族」の為に二人が奮闘するお話なので。
一般的に言う続編としてはやはり地味ですし、ストーリーも面白いとは言えません。
見る人が見たら「酷い続編」と言われてしまうのかもしれません。それでも自分はこんなにも「初作へのリスペクト」を感じる他者制作の続編を他に知らないんですよね。
リロ・アンド・スティッチという一本の映画が大好きな人の為に贈られたギフトのような作品だと思っています。
トゥーン・スタジオが制作した全ての続編作品の中でも、間違いなく自分は一番好きです。
「リロ・アンド・スティッチは好きだけど、何から続編を観たら良いかわからない」という方がいたら、ぜひまずこの作品から観てみてほしいですね。
はーい。
という事で今回はこの辺で。
長々と駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
しーゆーねくすとたーいむ。