ディズニー映画語り リトル・マーメイドII Return to The Sea | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。



ハイドウモ。



今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。 



いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実は素敵な作品だって、いくつも世に出してるんですよね。



まぁ同じディズニーって言ったって別スタジオですから、経営からスタッフアニメーターまで全てが違うわけで、このスタジオが作る続編というのは言ってしまえば公式公認の二次創作なわけで、、そりゃまぁ難しいと思いますよね色々。



さて。


今回はそんな数ある続編シリーズの中から、ディズニールネサンスを代表する大ヒット作「リトル・マーメイド」続編作品について語っていきたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)



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  リトル・マーメイドII Return to The Sea

(原題:The Little Mermaid II: Return to the Sea)

2000年

監督

ジム・カマラッド




データ


「リトル・マーメイド」から役11年ぶりの続編として2000年に公開された長編アニメーション。第一作のその後の物語を描いています。


公開形態はビデオスルー

日本では期間限定生産のDVDとして販売されました。


監督は「ターザン2」「ポカホンタス2」等多数のディズニー続編作品を手掛けたジム・カマラッド

音楽は劇団四季のアラジンやリトル・マーメイドのオーケストレーションも担当しているダニー・トルーブ


挿入歌をくまのプーさん」「チップとデールの大作戦」等ディズニーテレビ用の良質な楽曲をいくつも手掛けたマイケル&パティ・シルバーシャーが担当。






主人公はアリエルとエリックの娘・メロディ

テレビを中心に様々なディズニーキャラクターを演じているタラ・ストロングが声を務め、日本語版はタレントの中山エミリさんが担当しました。


アリエル役のジョディ・ベンソン(日本語版・すずきまゆみさん)やセバスチャンサミュエル・E・ライト(日本語版は山寺宏一さんへ変更)等オリジナル声優の多くが続投しています。


さらにアースラの妹・モルガナ役として、第一作でアースラを演じた故・パット・キャロルも出演しています。日本語はタレントの久本雅美さん。



人気作品であるリトル・マーメイドの満を持した続編という事もあり、ソフト売り上げは高セールスを記録し、収益面では大きな成功となりました。


しかし評価面では非常に厳しい批判が相次ぎ、以前から囁かれていた【ディズニーのソフト続編は酷い】という定説を名実ともに確固たる物とした、ある意味大きなターニングポイント的な一本となってしまいました。


ただし、メロディのキャラクター性いくつかの点評価もされており、少数派ではありますがファンの間では今作を支持する根強い声も一定数あります。



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あらすじ




アリエルとエリックとの間に待望の娘・メロディが生まれる。


陸と海合同で盛大な祝祭が開かれるが、祝祭の最中、アースラの妹・モルガナが乱入。


姉が果たせなかった海の支配者になる事を目論み、メロディを狙う。


なんとかその場を凌ぐ一同だったが、逃げたモルガナは捕まらず。必ずまたメロディを狙いに来る事を案じたアリエル達は、一度は開かれた陸と海を再び決別させメロディに海の世界の全てを隠し育てる事を決める。


それから12年。


メロディは活発で好奇心旺盛な少女に成長し、かつてアリエルが陸の世界に憧れたように、海の世界に憧れを抱いていた。


そんな時、これまで隠れていたモルガナが動き出し、メロディは姿を消す。


そしてアリエルは我が子を探すため、再び海の世界へ飛び込むのであった…



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感想



うーん…まぁ…



厳しい。ですよね…



トゥーン・スタジオは本当に本家以上に作品の完成度にムラがあるんですけど、この2000年代頭辺りの作品は特にかなりの酷さです。




何がって、やっぱり一番は作画とアニメーションと演出の粗さが、、ですね。。


デジタル処理になって画質が美しくなったのが裏目に出てて、誤魔化しが効かないからすんごい目立つんですよね。

 


ストーリーに関しても…んーまぁ良いとこもあるんですけど…やっぱりあれですね。


あくまで基本公式公認の二次創作として観るのが正解ですね。


あれです、東映アニメフェア時代のドラゴンボール映画みたいな…あんな感じですw



同じトゥーン制作でも、劇場用とかもう少し後期の作品格段にクオリティが上がるんですけどね。


一作目との圧倒的なアニメーションクオリティの差



もうこれはちょっとフォローのしようがないですね。キャラ表情や動き硬さ背景作りの甘さ簡素さ物やキャラの構図や画角による魅せ方の悪さ、全てがあまりにも御座なりと言わざるを得ません。


海関係は特にひどくて、水中での体やヒレや髪の毛の動き水から上がった時の髪や服の濡れている表現オリジナル拘り抜いて描いていた部分全無視ですし…


特に海中の背景の描き方の簡素さと雑さ……


小魚や水の流れどころか泡も何もないただ【べたな水色のみ】の水中表現とかは……ちょっと目に余ります。


このブログで散々書いてますが「細部の描写と表現に徹底的にこだわることが観ている人にファンタジーを信じさせる。」というウォルトの言葉通り、これはディズニーが徹底してやり通してる信念なわけですよね。


予算と制作期間が少ないのも分かりますが、同じディズニーを語る以上、あの名作の続編を語る以上、決して完璧でなくともここへの拘り熱意は絶対に欲しかったです。やっぱり。


ストーリー以上に作品として本当に大事な部分だと思うので。特にディズニー映画では。


正直作画&アニメーションがこのクオリティというだけで、最後まで観るのが本当にキツかったです。。



ただ予算や時間の関係等からくる作画の悪さと、情熱を感じない悪さって、観ればどっちかすぐわかりますよね。



同じところを周回しているストーリープロット



ストーリーは決してダメダメではないんです。

アリエルの娘・メロディが母とは逆海の世界に憧れるという着想自体は悪くないと思うんですが、問題はそこから全く広がっていないということ。



結局やっている事は一作目と一緒なんですよね。


メロディが【陸と海を繋ぐ架け橋】みたいになってましたが、よくよく考えるとそれはもう第一作でアリエルがやった事であって。


前作の最後今作の最後がほとんど変わってないんです。


メロディに危機が迫って2つの世界もう一回隔てただけで。


だから結局同じところをぐるぐる周ってる感じなんですよね。


トゥーン続編に良くある二世モノなんですが、他の二世モノ作品は結構それなりに二世なりの個性や課題をちゃんとストーリーに見出してたりするんです。


ただ今作のメロディは本当に海と陸にしただけであとはオリジナルを雑になぞった蛇足でしかないんですよね。




ヴィランモルガナアースラの妹というトピック以外何も持ってない感じで、目的やり口も全てにおいて劣化版アースラの域を出てません。


それとこういう事は普段あまり言わないですが、日本語声優を務めた久本雅美さんの演技があまりにも…。



一応名脇役枠ティップとダッシュも、肝心のメロディとの絡みが薄いので行動に説得力がなく流れで行動を共にしたようにしか見えず。。


キャラ的にもライオン・キングのティモンとプンバァそのままな感じでコピー以上の魅力は発揮していません



個人的にはやはりアリエルが人魚の姿に戻るシーン胸アツしましたが…

それだけでしたね気持ちが盛り上がったのは…。



辛辣な言い方をしてしまうと【ぼくのかんがえたリトル・マーメイド2】の域を出ていないプロットなんですよね…


偉そうな辛口で申し訳ないのですが…




良質な音楽


 

音楽に関しては一作目の良いところを残しつつも新たなジャンルにもチャレンジしていて、アレンジ使い所かなり良かったと思いますね。

良い仕事してると思いました。



もちろん1を超えてはきませんが…

それでもアリエルとメロディの親子ハーモニーが美しい「For a moment」等は本当に素晴らしい曲ですよね。


それとオープニングとエンディングで歌われる「Here on the Land and Sea」という曲は過去に東京ディズニーシーのイベントでも使用されていました。



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まとめ



んー単体OVAとかテレビ作品だったらこのクオリティでも問題ないと思うし良い作品も作れるとは思うんです。


やはりディズニー本家スタジオの大ヒットした【名作】の続編としてはやはり、お粗末としか言いようがない仕上がりです。


何よりも【アニメーションクオリティの圧倒的な差】は、これはもう決定的なんですよね。


まぁそもそもこの時代のディズニーのビデオスルー続編は正直「ヒット作の出し汁を使って小銭を稼ごう」という本社の姿勢から始まってるので、そもそもの目的が通常の続編とは違うわけで…仕方ない部分もありますが。



何度も言いますがスタッフもスタジオも違う【二次創作作品】なので。


この姿勢は徐々に見直されていく事にはなるんですが…特にこの辺はちょっと一番厳しい時期ですね。



音楽メロディというキャラクターにはちゃんと魅力があり、さらにアリエルやセバスチャン等既存キャラクターの使い方結構上手いとは思います。



悪いところばかりではないんですけどね。



折角「プーさんシリーズ」や「ティンカー・ベルシリーズ」「グーフィー・ムービー」等、良い作品も沢山残してるトゥーン・スタジオなだけに、この辺の安易すぎる続編作品は本当にもったいないなぁと、今では思いますね。




実際にこのあとしばらくして同じスタジオでリトル・マーメイド3も作られましたがこちらの方ではかなりクオリティアップしてるので。



それでも、リトル・マーメイドの貴重なその後のストーリーという事で1つのファンアイテムとしては充分に価値がある作品だと思いますけどね。




好きな方はごめんなさい。

あくまでも個人的な感想です。


どちらにせよリトル・マーメイドアリエルファンにとって、一見の価値のある一本だとは思いますので、こんな私見語り気にせずに未見の方は是非一度チェックしていただきたいですね♪



「リトル・マーメイドII Return to The Sea」は現在ディズニープラスで配信中です♪






はい、という事で。今回はこの辺で〜。




今回も長々と失礼致しました。




しーゆーねくすとたいむ。





 

 

 

 





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