ディズニー映画語り ティンカー・ベルと月の石 | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。


はいどうも。


今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。 



いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格としても名高いこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実はとても素敵な作品もいくつも世に送り出しています。


特に今回語らせて頂くティンカー・ベルシリーズは、そんなトゥーン末期の作品でありながら、特に評価と人気の高い代表作として沢山の人々に愛されているコンテンツです。


今回はそんなティンカー・ベルシリーズ第2作目となるこちらの作品について語っていきます。



(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)



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  ティンカー・ベルと月の石

(原題:Tinker Bell and the Lost Treasure)
2009年
監督
クレイ・ホール

データ


「ピーター・パン」シリーズに登場する妖精ティンカー・ベルが彼に出会う前の物語を描いたシリーズの第ニ作目


制作中止を乗り越え公開された第一作目の好評を受け無事にシリーズ化が正式決定した事で、翌年間髪入れずに公開されたシリーズ第二弾でした。


本国ではソフトリリースのOVA作品として、日本では劇場用作品として2009年に公開されています。


妖精の谷ピクシー・ホロウを舞台に、生まれたばかりのティンカー・ベルが妖精として成長する様子を描いたファンタジーアドベンチャー


原作はピーター・パンと同様イギリスの作家ジェームス・マシュー・バリーの有名な戯曲「Peter Pan; or, the Boy Who Wouldn't Grow Up」及び同作を小説化したPeter and Wendy」ですが共通点は極一部キャラクター設定のみで、ストーリー含め基本的には大半がディズニーのオリジナル

又、前作同様フランチャイズコンテンツ【ディズニーフェアリーズ】のキャラクターや設定等とリンクした内容になっています。

監督前作「ティンカー・ベル」のストーリークリエイトカーズのスピンオフ「プレーンズ」も手掛けたクレイ・ホール


脚本は実写版「美女と野獣」「リトル・マーメイドⅢ」「シンデレラⅢ」等も手掛けたエヴァン・スピリオトポウロス


音楽は実に様々なディズニー続編作品を手掛け、ティンカー・ベルシリーズにとって無くてはならない存在であるジョエル・マクニーリー


又メインテーマである「The Gift of a Friend」「キャンプ・ロック」でお馴染みのデミ・ロヴァートが手掛けた他、同じくキャンプ・ロックアリソン・ストーナー等も楽曲を提供する等、ミュージカル作品ではないながら音楽面豪華な顔ぶれで制作されています。



ティンカー・ベル役を務めたのはテレビや映画で女優としても活躍するメイ・ホイットマン

日本語版はオーディションで大抜擢された新人の

深町彩里さん。


今作でティンクのバディを務めるテレンス役はミュージシャンとしても活躍するジェシー・マッカートニー。日本語版は細谷佳正さん。



さらに、、「ディセンダント」クリスティン・チェノウェスや今や売れっ子女優の一人でもあるルーシー・リュー数多くのディズニーキャラクターをこなすベテラン声優ジェフ・ベネットロブ・ポールセン等…脇を固めるメンツにも実力者揃い踏み


ちなみにジェフロブは今作で、異なるキャラクターを3役ずつ演じるという芸達者ぶりを魅せてくれています。


収益面では前作と同等の数字を記録し、その人気を維持することに成功。


分かりやすいアドベンチャーストーリー教訓要素キッズ向けとして高く評価され、今作でフューチャーされたキャラクター・テレンスにも注目が集まりました。


日本でもこの近年でフェアリーズ人気は本格化東京ディズニーシー2009.2010年に行われた春のイベントでは今シリーズのキャラクター達や音楽が大きくフィーチャーされ、グッズ展開なども盛んに行われました。



現在ではどちらかといえば知る人ぞ知るコアなディズニーシリーズという立ち位置にはあるものの、じわじわと大人達やファン達からの再評価も進んでいて、さらに2024年今シリーズを題材としたアトラクション東京ディズニーシーに登場した事で再び注目を集めるなど、未だに人気の高いシリーズとして特にディズニーファンから非常に愛されており、制作スタジオが閉鎖されても尚、さらなる続編を望む声は未だに上がり続けています。



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あらすじ




秋の祭典が間近に迫るピクシーホロウ。


ある日クラリオン女王とフェアリー・メアリーから、妖精の粉の力の源である【青い妖精の粉】を生み出す為に必要な【月の石】をおさめる、聖なる杖の制作という大役を命じられたティンカー・ベル。


思わぬ抜擢に舞い上がるティンク。


妖精の粉の番人であり友人のテレンスと共に制作に励むが、些細なことから始まった二人の仲違いが原因で、妖精達にとって何よりも大切な月の石は粉々に大破してしまう…


悲しみに暮れるティンクだったが、ネバーランドの何処かに眠るという、願いを叶えてくれる【インカンタの魔法の鏡】の伝説を聞き、月の石を鏡に修復してもらうという解決策を思いつく。


伝説を頼りに、自作の気球に乗り魔法の鏡を求めて旅立つティンク。


しかし、親友のテレンスとは依然仲違いしたままであった…。




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感想





シリーズ初作としてティンカー・ベルの成長ピクシーホロウや世界観イントロダクションを描いた前回と違い、今回はわかりやすい教訓的アドベンチャー

今回準主役に抜擢されたのはメインキャラの自然の妖精達ではなく、まさかの粉の番人テレンスでした。

前作でも顔見せ程度に登場していましたが、今作ではティンクのバディという大役を務めます。


子供にも伝わりやすい教訓テーマ&メッセージ冒険要素ヴィジュアル面の楽しさ等でエンターテイメントとしてより広がりを増し、前作で打ち出した細かい設定ディテール活かした良いストーリーと構成になっているとは思うのですが…


うーん…全体的に見ると色々惜しいところが…というのは正直否めないですかね。


シリーズ2作目いきなり主舞台であるピクシー・ホロウを離れたアドベンチャー物で、非メインキャラバディを務めるなど、結構挑戦的な事してますが、それでもしっかりシリーズの世界観深め広げる事に貢献しているのは見事でした。


妖精の粉の秘密



今回はまずピクシー・ホロウディティール関連として【妖精の粉】の秘密が初めて明かされています。
これは結構大きなポイント

ピーター・パンでも重要な要素であった【妖精の粉】は決して無限ではなく、八年に一度のチャンス都度蓄えているという…。

そしてこれは一作目粉の番人】という役どころが粉を守り必要量のみ妖精達に与えている…という描写から実はすでに示唆されていました。

ここは結構観ている側には興味深い所だったと思うんですよね。

だからこそもう少し丁寧に深く描いて欲しかったです。

なんかちょっと描かれ方が軽いんですよね。

妖精の粉、そしてその源となる月の石は妖精達にとって死活問題なわけです。

なんかそれが【ティンクがやらかすけど、友人と協力してなんとかする】という展開のダシの為だけに扱われていて、、この辺は説角大人ファンが食いつきそうな要素の一つだったんですが、ちょっと子供向けにふりすぎたかな…と。

いや今回のメインテーマは【友情】だと思うのでそこにフォーカスが寄るのは仕方ないんでが。

シリーズ通して言えることですが、子供向け要素大人へのアピール要素がうまく交わりきれてないのがちょこっと惜しいポイントなんですよね。


準主役のテレンス



その【友情】というテーマですが、どうして相手をテレンスにしたのかというのも少々疑問

シリーズものの第2作目って結構大事じゃないですか。

折角初作でキャラを立てた季節の妖精達とかクランク・ボブルがいるのに、ほとんど顔見せ程度だったテレンスをここでもってきたのは…


初作を観た人達の引き込まれ方が全然違うと思うんですよね。いや、テレンス自体はイケメンの異性の友達って立ち位置全然良いと思うんですけど、ここで持ってくるキャラかなと。。

しかもその初作の主要キャラである自然の妖精達がほとんどモブ扱い…前回ヴィラン的立ち位置で良い味出してたヴィディアなんかほぼワンシーンのみでしかも台詞なしという…

ここはちょっと残念でした。
まぁ色々な面でこれ、3.4作目にやるエピソードじゃないかな、、というのが本音ですかね。

だってそもそも四季を描く四部作のはずが、前作の【春】の後が今回【秋】ですからね。

ちなみに【夏】のエピソードは三作目で描かれます。ここが入れ替わったのは何か事情があったんでしょうかね。。


ストーリーの違和感




そしてメインのストーリー

子供にもわかりやすい冒険物ティンクキャラも活きてるし良いんですが、、最後の落ちだけがどうも…


ティンクの機転モノ作りの能力友情の力危機を乗り越えるのは良いんですが、やっぱり悪い事をしてしまった事は女王正直に話して謝って欲しかったです。

結局もみ消したみたいになっちゃってますからね。結果オーライとはいえ…。子供向け意識してるなら尚更です。

だってこの作品、テレンスとの流れを見る限り【素直に謝る】というのも一つのテーマですよね?

ここが個人的に今回一番残念なポイントでした。

最後素直にティンク良かったねーってなれないってゆう…


総合的には楽しくうまくまとまった脚本だとは思うんですけどね…。


丁寧な描写と魅力的な新キャラ




前作に引き続き雰囲気ディティール造り音楽逸品ですし、ティンクの「短気で怒りっぽい」という特徴全面に押し出した展開は楽しいです。

そしてそこを反省友情の大事さ素直になる大切さを学ぶ過程はとても時間と労力をかけて丁寧に描かれています。

特にトロールのくだりは素晴らしかったですね。

ブラザー・ベアヘラジカ兄弟まったく同じ役回りですが。


それと新キャラクターのブレイズ

これが非常に愛らしい良いキャラをしていて、今作の最大の立役者と言っても過言ではありません。
作品的にもストーリー的にも彼の存在相応大きかったと思います。

あと、今作から始まったティンクの衣装バリエーションは、今シリーズ大きな魅力の一つとなりましたよね。

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まとめ




やはり総評すると…
色々惜しかった!!
という所感が一番大きいです…

本当に良いところもいっぱいあるんですけど、特に脚本ちょこちょこ雑と言うか…

まぁ、このシリーズは丁度ディズニー全体の大きな変換期に作られていたシリーズだけあって制作背景が本当に色々前途多難で…6作も作られたのが奇跡的なんですよね…。

思うに、なんかこの作品は急遽2作目に持ってくることになって、かなり急いで作ったんじゃないかなぁ…と勝手に思ってます。

折角の良質なシリーズなのでもう少し大事にしてほしかったな…と。


特典映像NG集とか凄く面白かったのに、どうしてエンドロールに入れなかったのかとか、、本当色々惜しいんですよね。


結局、収益と話題作が期待には届かず日本での劇場公開はこの二作目で打ち切りとなってしまいました…。

ですがこのティンカー・ベルシリーズ

実は3作目以降から内容も話題性も格段に向上するんですよね…皮肉なもので。。


まぁしかし、こういう事が起こるのも映画産業です…

だからこそ、今作がイマイチ…ともし思った方も、出来る事なら挫折せず最後まで完走してほしい!

これは強く思いますね。

特に続く三作目は個人的にはシリーズ最高傑作なので!!


いや…今作もファミリーエンターテイメントとして充分に良く出来た作品なんですけどね。



「ティンカー・ベルと月の石」及びティンカー・ベルシリーズディズニープラスにて全作配信中です!




はい。


というわけで!


今回はこの辺で。


いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!




では、また次回!




しーゆーねくすとたぁーいむ


 

 



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