202406月茶会レビュー:後半、本日の茶譜 | 船橋市茶文化資料室

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悠々茶館主催【茶書を読む月茶会】書籍
2020-2024/2中国唐代・陸羽『茶経』
2024/3~現在・『茶の民族誌ー製茶文化の源流』

本日の茶譜20240601-02

①  冷茶:石古坪烏龍茶(荒茶)

これは先月石古坪村を訪ねた時、村の茶農家・藍逸森さんの家で購入したもの。まだ荒茶の段階でこれから火入れをして仕上げていくと言ってた。折角に村に訪ねたので半斤、250gと藍さんの手作り蜂蜜を購入。

②  鳳凰山紅茵茶。野生茶樹。元祖鳳凰単叢品種。海抜800m以上。現地の人にわけてもらったもので非売品。紅茵茶についていろいろな伝説があるが、「潮州鳳凰単叢茶博物館」の解釈を引用すると、鳳凰単叢茶樹は紅茵茶樹→鳳凰水仙茶樹から選抜して普及させたもので、鳳凰単叢は野生紅茵茶樹のDNAが入っているとのことらしい。(「宋種」と言われるものはこの図をみると、石古坪烏龍系と紅茵茶系、二系統がある)

現地情報では、紅茵茶について最も重要な点は人工的に栽培しようと思ってもなかなか育成できない点と、険しい崖渕にボツボツあるだけで、山道になれている村人でないと、発見できないという点。”紅茵茶樹をみたいなぁ”と言ったらこのお茶をくださった曽さんという鳳凰単叢の生産者が、”無理無理無理”と大声をあげ、”紅茵茶樹への道は私たち普通の茶農家も行けないほど危ない道だ。大きなへびもあるし、虎にも遭うかもしれません”。”このお茶は自分が摘んだものではなかったか?”と聞くと奥山に住む友人が偶々紅茵茶樹を見つけて摘んできたものだったとか。

紅茵茶は月茶会で大好評だった。鳳凰単叢と比べたらやや味が淡く香りのインパクトも弱かったが、選抜される前の、昔の鳳凰山の茶樹の名残を味わっていただけたのではないかと思う。

③  ハイグレード鳳凰単叢:烏崬東方紅

これは紅茵茶を頂いた、鳳凰鎮の鳳凰単叢生産者ー曽さんのところで購入したもの。曽さんは今回同行したHさんの友人で鳳凰単層の製造に関しては大ベテラン。企業名は「鳳凰尖峰茶業」。烏崬東方紅と言えば単叢の中で高価のものになる事が多いだが、今回はまずランクの低いものから試飲し、すこしずつ金額(ランク)をあげて最終的に私とHさんが一番納得にした東方紅を購入した。茶会のとき、メンバーの一人が”本物の東方紅は一煎目の水色だけややピンクの色をします”と教えてくれて、、、危うく一煎目、洗茶として捨てるところだった。

お味は本当に上品な優雅な味わい。余韻が長く、、、舌全体が包み込まれるような感じ。

④  金牡丹大紅袍。荒茶vs仕上げ茶。武夷山に唯一の畲族村ー星村鎮黎前村鐘さんの作品。金牡丹は母親鉄観音、父親黄金桂が交配した品種。近年小品種大紅袍によく使う品種。正岩茶、半岩茶、洲茶という分け方をするなら、「洲茶」地区にあたるが、実に味がよく金牡丹の香りの良さをうまく生かした一品だと思う。

⑤  純種大紅袍。陳永霖茶師。純種大紅袍とは何かを改めて考えさせる一品。そして岩茶もプーアルと同じ4,5煎が過ぎてからいよいよ味の良さを感じるようになり、10煎まで淹れてあげたいのは私の本音。この陳先生の大紅袍はやはり5煎目が過ぎた頃からやっと焙煎香が抜け、品種本来の香りを感じるようになり、、、10煎目あたり、、もう会の終了の時間になり、急いで片付け始めた。(陳永霖先生の紹介はこちらの記事へ)

 

次回の月茶会(2024/7/6-7)は雲南プーアル茶旅の報告に併せて紅河州金平県の普洱茶、そして布朗山系列の普洱茶(賀開、班盆、帕沙犀牛塘,班章、老曼峨)を飲む予定。お気をつけてお越しくださいませ。(Jun20240616。茶会の写真はメンバーのKさんの撮影。謝謝です。)