拍手は麻薬 | 神田勇哉のブログ

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フルーティスト 神田勇哉の日記



サントリーホールで

素晴らしきテノール歌手

ステファン・ポップさんのオーケストラ伴奏。




なんたって「パバロッティの再来」と言われる程の世界的な歌手ですから

歌声や表現力が素晴らしいのはもちろん


陽気な様はまさにイタリアのテノール!


…と言いたい所だけど、


お名前がイタリア系じゃないのが気になっていたら

なんとルーマニア出身だった。😳




クラのアレッサンドロが言うには、

「さっき話したけどイタリア語がペラペラで発音も完璧でした。」

「2006年から10年住んでたって言うけど

めちゃ凄いです。」


との事。



いくらオペラ歌手で常に外国語を歌ってると言えども、

子供の頃から住んでるならまだしも


計算すると18歳から28歳まで住んでたとして

それで言語が完璧なのはかなり凄い事。



一般にネイティブになるには少なくとも中学生くらいまでには外国の環境に染まっていないと無理

と言われている。


もちろん言葉や文化が遠ければ遠いほど

習得は困難。

そして本人のモチベーションや環境による。






この世で最も素晴らしい楽器は「歌」だ!

と断言する言葉がある。


声は「楽器」と言うのか謎だけど、

言葉の定義を話し出したらキリがない。


ピアノだってオーケストラだって、

もちろんフルートだって

良い楽器なんだけどね。


声が一番なのはその通りだと思う。




歌ってのはほとんど全ての人が持ってる「声帯」を使うので、


人間離れした大音量の歌声アピールされたら

心を揺さぶられるのは必然。


それに加えて歌詞で意味も伝えられるという。


ただ音程を演奏するだけの器楽とは違って

感情やストーリーも乗せられてしまうというチート楽器なのです。




丁度この公演の裏では

ムーティのイタリア音楽アカデミーというのが

上野文化会館で行われており


かの巨匠 リッカルド・ムーティが

オペラ アイーダを振るというので見に行った。



歌手も一流、オーケストラもプロの若手を集めた素晴らしいオーケストラで

アイーダは割と長い演目なのだが、

時が経つのがあっという間だった。



歌は素晴らしいと言ったが、

さすがにオペラで3時間歌い聞いていれば飽きてくる。


だが、キチンとバランスや表現を時間をかけて調整すると、

ここまで気持ちよく集中して聴けるのだと勉強になった。




時間をかける。これはプロジェクトによるが、

どのオケでも気合いを入れれば出来るのだが、


鶴の一声でみんなの言うことを聞かせられるのは

やはり巨匠の持つオーラ。



棒さばきと経験と伝え方が

最も大事なものです。


指揮者だけでなく、世の中のリーダーって

そういうものよね。😁