本日はオーケストラの配置の話。
オーケストラの配置ってのは
指揮者の指示で弦楽器群の…
セカンドやチェロの場所やコントラバスの左右が入れ替わる事がある。
それ以外でもオーケストラによって異なり、
打楽器や金管の場所が後ろに行ったり横に行ったり入れ替わったりする。
各オケの長年の伝統や、ステージマネージャーさんの采配、その日のコンサートの編成、設備により
毎公演ごとにカスタムして組まれているのだ。
我がオケ、東フィルは劇場のオーケストラピット内の業務にプライドを持っているので、
コンマでのアンサンブルを要求される劇伴用のシフトなんかもあったりする。
という事で東フィルの配置に慣れている状態で
他のオケにお邪魔すると、
弦楽器、木管楽器の配置は変わらないが
それ以外の方々がいつもの所にいないので、
アンサンブルの感覚が異なる。
こぼれ話。
うちの妻は、その昔 東京佼成ウインドさんにエキストラとして初めてお邪魔した時に
しばらく気付かずホルンの椅子に座って音出ししていたとの事。爆🤣
オーケストラと吹奏楽はフルートの位置が違うのよ。笑
そんな配置についてだが、
東フィルではいつもはトランペットはこの辺
オーケストラの後方なのに
↓
本日はココ!
↓
合唱が入る編成のために
トランペットの配置がいつもより手前に来ていたのだ。
ヴァイオリンの真後ろ。
いつもより指揮者にかなり近い位置。
ヴァイオリン奏者の椅子の背もたれには
トランペットからの音の直撃を避けるためのアクリル板が付けられた。
この日は合唱付きの曲なので、スペースの問題と
色々なバランスを考えた結果こうなったみたいだが、
どうなったかと言うと、
「トランペットさん、そこ早いよ」
という指示が頻発したのだ!!!
ステージとは狭い空間で
奥行きなんてたったの10メートル?20メートルしかないのに、
なぜか演奏においては時差が発生する。
トランペットさんは長年の経験とセンスで
「いつもの場所」にてその時差を超越して、
合奏にピッタリとタイミングを合わせて発音する技術が体に入ってるのだが、
近くなった途端、その技術が仇になり
先の不具合が発生してしまったのだ!!
例えば料理人は、
夏の工事現場のお弁当用のオカズを作る時には
冷めても美味しいように、
汗で失われたミネラルを補給するため、お塩をきつめにする。
その料理人が冬のレストランの温かいお料理で
同じ塩加減で提供してしまって
「しょっぱ! 」みたいな?
そんな感じ。😅
私も過去に経験あるのが、
現代曲の演出で、ステージの最奥
この辺、ティンパニの横あたりでピッコロを吹いた事があったが
その時はタイミングが分かりづらすぎて苦労した。
そして先述の吹奏楽のコンサートにたまーにお邪魔すると
フルートは指揮者のどまん前なので
ジャストのオンタイムで発音。
室内楽を演奏するような感覚になる。
東京フィルのティンパニ奏者は、毎公演 録音を録って聴いて…を繰り返ししている。
「タイミングってホントに謎。」
「えいや!って早めに叩いてみて、実際にどうなってるか録音を聞くまで、どうなってるか分からない」
との事。
このようにティンパニくらい離れていまうと
時空を超越する能力を身につけなければならない。
実際オーケストラにとって
ティンパニ奏者は神とも崇められる存在。
オケの旨さは
「ティンパニとコントラバスで決まる」と言われている。
もちろん、コンマスもオーボエも大事だが、
この辺はソリストとして上手い人が沢山いる。
そして、ホルンも大事だがこれは
トップ奏者に上手いソリストが一人いたら、それだけでセクションの評価が鰻登りする面があるので、少し異なる。
ティンパニは一撃の失敗でその日の演奏会をぶち壊す危険性があるのと、
コントラバスは楽器の値段がものをいうので、
「良く鳴るベース隊」とは、
まんま積んだお金の総額で決まる。
団体の財力はそうやすやすと向上させる事が不可能なので、
コンバスの音イコールオーケストラのレベルとなるのだ。
話それたけど…
そんなオーケストラの配置の話でした。
トランペットはリハーサル数回で見事順応して
本番ではバッチリのタイミングで決めていました!🤠