以前読んだ、「祖母姫、ロンドンへ行く」の表紙の切り絵を作られた方のエッセイ本です。

祖母姫の感想を書く際に、Twitter(X?)を検索した時にこの方の存在を知りました。

表紙が素敵だなと思っていましたが、まさか新聞で作られたちぎり絵だとは気づいていませんでした。

他の作品を見て、ちぎり絵の中に文字があったりして新聞だと理解出来ました。

新聞でこんなに素敵な作品を作れるなんて凄い。

長寿なのもまた素敵。

原画展も開催されているみたいなので見てみたいなって思いました。

 

ちなみに、90歳セツの新聞ちぎり絵という本も出ています。

90歳からちぎり絵を始めたそうです。

それでこの素敵さ。

昔から嗜んでいた人の作品だと思っていました。

 

本の内容は、ちぎり絵と文章による日常の描写です。

Twitter的な、話し言葉で書かれているので、方言とかがちょっと分からない時がありますが、セツさんの人柄が伝わるようなほのぼのした内容でした。

読んでいて、こういう人になりたいと感じさせる素敵な方でした。

 

 

 

発売前に存在を知って、読んでみたいと思っていた本でした。

読んでいる途中に、感想はこう書こうと思っていた文章をすっかり忘れてしまいました。

 

他の人の感想を見てみると後半失速したと感じている人がちらほらいるようですが、私は勢いに乗ったからなのか後半の方が読みやすかったです。

 

バレエのために生まれてきたような萬春という男の子が主人公の物語。

1章は共に過ごした友人、2章は叔父、3章は幼馴染の視点で描かれています。

そして最終章は春本人の視点。

俯瞰して語られる天才の物語という時点では、ジャズ漫画のブルージャイアントみたいだなと感じていました。

ブルージャイアントは途中で脱落してしまいましたけど。

最終章は春本人の視点と言うことで、結構生々しかった。

まず衝撃的な展開から始まり、3章までのつかみどころのない「春」から生身の人間である「春」になっていったように感じました。

4章の一番の見どころは春の集大成と言っていいのか、「春の祭典」でしょうか。

それがよく分からないと言われたけど、それが私にとってのコンテンポラリーのイメージかも。

私の感じるコンテンポラリーとは良く分からない抽象的なバレエって印象なので、それを描写するとああいう感じなのだろうかとぼんやり思いながら読んでいました。

なんて言えばいいのか。

バレエをするために生まれてきた春が、それに出会うまでの言い知れぬ不安、それが故の周りとの不協和音、出会って開花してバレエのために全てを捧げる人生を表した舞、なんだろうなと感じました。

 

前半の読み難さは、文章がというより私自身の教養の足らなさ故だと思います。

バレエをよく観る人は教養がある人が多いのかも。

春を構成する要素である、映画、読書、音楽、それらの作品が知らないものが多くて、想像が追いつきませんでした。

教養は視野を広げる要素だと改めて感じました。

 

ちなみに。

主人公の萬春は、羽生結弦さんのイメージです。

 

読書系Youtuberさんがお勧めしていたので気になって読んでみました。

小説家である著者が、祖母と二人でロンドンへ旅行に行った際のエッセイです。

読んでいるとエッセイというより小説に感じる時がありました。

祖母姫とあるように女王気質な祖母の最後の旅行として、著者が留学したことがあるという理由でロンドンへ一緒に旅行することに。

著者一族がお金持ちらしく、素敵なホテルに滞在して、高齢である祖母に無理のない範囲での観光を楽しんでいます。

観光よりも祖母の買い物、ホテルの従業員とのやり取りが面白かったです。

現在祖母は亡くなっているようで、もっと一緒に過ごしていればと後悔する描写が時々あります。

しかし、ロンドンで一人で祖母の面倒を見ただけでもかなりの孝行だったのでは感じました。

ホテルの従業員には秘書だと勘違いされていたみたいだし、海外で高齢の方の身の回りの面倒を見るのはとても大変だったと思います。

セレブの旅行の様子を知ることが出来てとても面白かったです。

著者のロマンス的な展開はちょっと蛇足かなと思ったり思わなかったり。

それが小説感を感じさせる要因だった気がします。

 

一緒に読んだ人は、著者の文章の癖が合わなかったらしく途中でリタイア。

私はなろう系とかも読むので、フランクな文章にさほど抵抗感がないので、最後まで読めました。

本作の続編が出たタイミングで読みました。

続編が出るっていうことは好評である証だと思います。

 

物語は主人公の父親が何者かに殺害され、その事件を主人公の叔父とともに解き明かしていくという展開です。

ミステリーというよりエンタメよりの内容だと思います。

叔父は元マジシャンで性格は破天荒、主人公はその分無個性に感じました。

実写化もあり得そうな雰囲気なので、キャスティングを考えながら読んでました。

事件の調べ方は探偵的というよりは、叔父のマジシャンとしての能力を活かした手法です。

事件の背景には、コロナ過で観光客が減った過疎化した町の不安を解消するためのアニメの聖地作りの問題が見え隠れします。

アニメの聖地って、一発逆転を狙うには持ってこいのシステムなんですよね。成功すればですが。

実際にもそういうトラブルは発生しているみたいなので、なんだかリアルだなと思いながら読んでいました。

 

読める時間に限りがあったので、集中して3時間ほどで読み終わりました。

3時間で読めた自分凄い!というより、3時間集中して読める面白さだったなと感じました。

本格ミステリを求める人には向いてないようですが、マスカレードシリーズ的なエンタメ系が好きな人にはお勧めだと思います。

やっぱり東野圭吾さんの作品は読みやすいです。

 

本作を読み終えて、一緒に読んでいた人と感想を話し合ったのですが、主人公の父親の行動が理解できないと言われました。

まあ、父親の余計な行動が事件のきっかけになった訳なので、なぜそんな行動をと思う気持ちは分からないでもないです。

父親としてはただ良かれと思った、もしくはマイナスな考えなんて抱きもしなかっただけなんだろうなと。

その行動に対して、実はこうなんですと話していれば発生しなかったトラブルであったよなとも思います。

悪気はなかったけど、悪いことであるという認識は出来たというのもあれですけど。

いわゆる理瀬シリーズの最新作。

だと思って読んだのですが、書き下ろし作品一つを含む再録の短編集でした。

理瀬シリーズを読むのが久しぶりの私にはちょうど良い作品でした。

これは最初から読み直すべきかも。

 

恩田陸さんの作品は初期から読んでいたのですが、ある時期から合わなくなって読まなくなっていました。

というのも、私自身がホラー作品が読めなくなっていたので、ホラーかミステリーか判断がつかないのはなるべく読まないようにしていました。

某作品でホラーと知らずに読んで途中で読むのを辞めたものの、結局気になって頑張って読んだらなんじゃこりゃーな結末で凄くがっかりしたこともあったなあ。

 

ただ、恩田陸作品は少女が女性に移り変わりゆく様の描写がとても好きで、その一つである理瀬シリーズは好きでした。

シリーズものでもナンバリングが打ってないと追えない今日この頃です。昔からだったっけ。

蛇行する川のほとりも好きです。

 

今回の短編集は、ヨハンが主人公の作品が好みでした。

一番ミステリーしてた。

理瀬に執着するヨハンが美しい。

理瀬が少女だったころの作品も良かったけど、謎の女性の正体がすぐ分かったので、美しい女性というよりジブリに出てくる魔女のイメージで読んでしまった。

最後の短編は理瀬が大学生の設定だったのですが、久しぶりに読んだせいか、大人になってしまったなあという印象を抱いてしまいました。

なんていうか、あの独特な雰囲気が薄くなってしまっているというか。

あの学園の雰囲気が好みだったのかな。

もう一度読み直したら、この短編も感慨深く感じるのかな。

にしてもお父さんやばいな。

 

2月はほぼ読書しなかったな~。

でも、1月か2月かに読書したけど感想を書いてない本もあって、それが何の本かすら忘れてしまいました。

下書きで止まっている本もあったし。

12月頃読んだ本の感想も書いてない。あれは途中で読むのやめたからかな。

やっぱり読んだら即記録を心がけたいと思います。