質量分析計のキャリブレーション | 日本一タフな質量分析屋のブログ

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日本で唯一、質量分析に関するコンサルタント、髙橋 豊のブログです。エムエス・ソリューションズ株式会社と株式会社プレッパーズの代表取締役を務めます。質量分析に関する事、趣味の事など、日々考えていることや感じたことを綴っています。

ウルトラマラソンランナー、日本一タフな質量分析屋、高橋豊です。


質量分析計(MS装置)におけるキャリブレーションの話を1つ。



MS装置のキャリブレーションとは、

MSで得られるマススペクトルの横軸(m/z、mとzは斜体で表記、mはイオンの質量でzは電荷数)

を補正する操作です。

正確にはマスキャリブレーション、日本語では質量校正と言います。


MSはイオンを分析する技術であり、

マススペクトル上に観測されたイオンのm/z値から

元の分子の質量を知ることができるため、


m/z値が正しいかどうか


と言うことは

質量分析で最も重要なことです。


つまり

キャリブレーションが正しく実行されたかどうか

あるいは

今の装置が正しくキャリブレーションされている状態かどうか


を検証することが

極めて重要です。



最近のMS装置はソフトウェアの機能がとても充実していて、

キャリブレーションが正しく実行されたかどうかを検証してくれます。



その機能はとても有用で便利なのですが、

機能に頼りすぎてしまい

自ら検証できる分析者が少なくなっているように思います。



今日、

大学でLC/MSの技術指導をしていて、

先日LC/MS分析士二段を取得した学生が、

キャリブレーションの検証をサボったので、

大切なことは繰返し伝えないとなぁ

と思いました。



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