「デジャヴの謎が解けた」やはりパラレルワールドの情報だった!? ミチオ・カク博士らの見解とは? | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 初めて訪れた場所なのに「前に来たことがある」と感じたり、これまで直面したはずがない出来事に「これと同じことを経験したおぼえがある」と思ったことはないだろうか。これこそがデジャヴ(既視感)である。長らく謎が深まるばかりだったデジャヴ現象だが、不思議情報サイト「Disclose.tv」などによれば最近ではいくつか有力な科学的解釈が登場しているようだ。

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■70%の人が体験している“デジャヴ”

 米・テキサスA&M大学の調査によれば、デジャヴ体験は約70%の人がそれまでの人生の中で1度は体験しているということだ。かようなまでによく知られた現象であるデジャヴだが、これまでそのメカニズムを説明する有力な仮説はあまりなかったといってよい。解釈の幅も広く、脳神経の不具合が原因という説や、オカルト的超常現象であるという説明までよりどりみどりだ。

「各人が過去に体験した報告で、不明瞭で特定できない刺激がデジャヴを引き起こしているので、実験室でデジャヴを研究するのはとても難しいのです。それでも約3分の2の人々が、それまでの人生で少なくとも1度はデジャヴを経験していることが多くの研究からわかっています」と語るのは、テキサスA&M大学ヘルス・サイエンス・センターのミシェル・ホック助教授だ。

 研究者はこれまでもデジャヴを決して神秘的でミステリアスな現象とはとらえずに、脳内の“技術的問題”として理解を試みてきた。たとえば、過去の体験を思い出して懐かしさを生じさせる脳の部分が現在と過去の間で混乱を生じさせているのではないかという説などがある。


■脳神経科学からのアプローチ

 そしてホック助教授によれば、デジャヴは神経の“通り道”が違ってくることで起こる脳内の情報処理プロセスに起因するものであることが、いくつかの研究によって指摘されているということだ。

 感覚情報(sensory information)が脳の上位の皮質領域に到達するのには、まず情報が分割されてそれぞれ別の通り道を伝っていくのだが、分かれてはいても同時に皮質に到達していることで脳内で体験を再構築している。しかし何らかの理由でいくつかの情報が、少し遅れて到達した場合、そのタイムラグが脳にデジャブを感じさせると研究者は説明している。

「感覚情報の処理に相違が生じると、認識は乱されて分離した2つのメッセージが別々に脳に届けられることになります。すると脳は、遅れて届いた2番目の情報を独立したものとして理解するのです。しかしその情報は現在の体験を完全に表現したものではなく、目の前の体験と一致しないものであることはわかるため、ならばきっと過去の体験からくるものだと“曲解”することでデジャヴが引き起こされるのだと、ある研究者は指摘しています」(ホック助教授)
 つまりデジャヴは、現在の体験の一部の情報が、過去の体験から来ているものであるという“思い込み”であるということなのだ。


■平行(多元)宇宙論からのアプローチ

 ホック助教授の説明はなかなか説得力のあるもののように感じられるが、日系アメリカ人の理論物理学者、ミチオ・カク博士はまた別のアプローチからこのデジャヴを解説している。その切り口とは「平行宇宙(parallel universes)」、あるいは「多元宇宙(multiple universes)」からの解釈である。

 身の周りには見えている“現実”のほかにも、自分が選ばなかった無数のパラレルワールドが満ち満ちているという考え方に立脚すれば、不意に訪れた“エラー”で一瞬別の世界に片足を突っ込んでしまうこともあるという。それがデジャヴ現象が起こるメカニズムであるというのである。

 1979年にノーベル物理学賞を受賞したサイエンティスト、スティーヴン・ワインバーグ氏もパラレルワールド論の支持者で、たとえば部屋の中にはいくつものラジオの電波が届いているが、基本的に部屋の中では1台のラジオでひとつの周波数を選んで聴くのが普通だろう。しかしなにかの拍子に操作ボタンに触れてしまい、予期せず別の放送を聴くことになる場合があるかもしれない。このちょっとしたハプニングでパラレルに存在する別の世界を垣間見てしまう一瞬があってもおかしくないということだ。そしてその瞬間こそがデジャブ体験なのである。

 ではどんな時に別の世界を垣間見てしまうのか? それは量子力学の分野で説明されている「量子デコヒーレンス」(quantum decoherence)が起こった時であるという。

 量子力学では、2つの状態が同時に共存している「重ね合わせ状態」という現象が存在しているが、量子デコヒーレンスはこの重ね合わせ状態が何らかの外部的要因で損なわれてしまうことをいう。この場合、“現実”世界の量子が持つ波動性が弱まるため、相対的にパラレルワールド側からの干渉が一瞬であれ強まってくる。そしてまさに一瞬、パラレルワールドを垣間見てしまい、これがデジャヴ体験をもたらすのだ。

 今回、脳神経科学とパラレルワールド論から、デジャヴ現象にメスが入ることになったわけだが、この2つのどちらに、より説得力をもたせることができるだろうか。ともあれ今後の研究の進展に期待したい。
(文=仲田しんじ)