魚三昧その2 | ぽんのあれこれ

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徒然なるままに日暮し、スマホに向かいて心に移り行くよしなしごとを書き連ねます。基本的には備忘録。


気になったらお好きにコメントしていただければと思います。

  ここまでのお話

https://ameblo.jp/yusuke19870920/entry-12776651206.html 


  ヒブダイ編

さて。ちょっと扱うには邪魔なので、鱗と頭を落として作業しやすくします。


でかすぎて色々やりにくいわ!


ヒブダイの鱗は大きく、あちこちに飛び散りがちなので、鱗取りはちょっとコツがあります。


それは、斜め方向に鱗を外すこと。尻尾から頭に向けて鱗取りを動かしてもほとんど取れない鱗が斜めに外すとポロポロと外れていきます。


頭は首の骨の関節に出刃で切れ目を入れて鯖折りすると包丁が痛みません。無理して叩くと刃が欠けます。ここまでやるとまな板に乗るサイズになったので作業が楽になります。


まな板に乗るサイズとは…

あとは普通に三枚おろし。あばら骨でさえ強烈に固いので無理そうならニッパーで切ると良いです。怪我する前に。

外したアラを塩水で茹でます。

途中、あくが出るので一旦滑りとともに全部洗っておきます。これサボると臭いです。

洗ってるときに気付いたんですが、ヒブダイの胸鰭の筋肉は赤いんですね。赤い筋肉はマグロ等のように動き続ける魚の特徴で、疲れにくい筋肉とされてます。大きな体を素早く回転させるためにも胸鰭の筋肉は赤い筋肉である必要があったんですねぇ。

対して体の殆どは白身で、瞬発力がある代わりに疲れやすい筋肉とされています。赤い筋肉はマラソン選手、白い筋肉は短距離スプリンター。ヒブダイの餌を拾ってからのダッシュは白身の筋肉が発達しているからこそだと思いますが、スタミナが無いのはこれだけの重さの体を釣り人に逆らって動かすには相当なエネルギーを使うんでしょう。

パーツ一つ一つを丁寧に洗ってから再度塩水で茹でます。

マース煮の完成ですが、絵的に映えないのでカット。敢えてマース煮にしたのはちょっと訳あってですね…

おろした身は1cm程の厚みに切り出し、

塩コショウしてから

小麦粉をまぶして

バターでソテーします。皮目が最高に美味しいので皮は残した方が絶対美味しい。フランベするときは人に向けてはいけません。今回はブランデーでフランベしました。

毎回彩りというものを考えてないというか、きちんとした皿なり青葉なりあれば、もっと見映え良くなるとは思うんですが、うまけりゃ良いんです。すだちはレモン代わりに。酸っぱけりゃ良いんです。

  魚尽くし完成!

たんぱく質のオンパレード。これだけ魚使えばお腹も満足。


  マース煮にした理由

というのはですね。このフィッシュグリップさえ傷モノになるニッパーのような歯の標本を作りたかったから。

生きてるときに噛まれたら指なんかなくなるで

マース煮した頭から歯だけを引き抜いて掃除して、漂白剤に浸けて(ついでにマグカップも綺麗になるし…)たんぱく質を溶かし、生臭さも落として乾かして、ボンドで再結合させました。

歯石(歯苔?)すごいね。良い歯医者紹介しようか?

イシダイなんかだと、魚拓と一緒に歯の一部を保管する人が居ますし、イノシシだとキバを抜いてアクセサリーにしたりします。ヒブダイでやった人は聞いたこと無いのでやってみましたが、顔に似合わず結構カッコいい歯してますね。キバ無意味じゃない?笑

この歯で岩に生えた貝やらなんやらを噛み砕いてるんですが流石にこのサイズになると貫禄が凄い。思いつきでやってみましたが満足です。

沖縄等でみられる星の砂、あれは珊瑚の死骸が細かくされた際に出来るものなんですが、死んだだけでは星の砂にはなりません。何があれを作っているのか。それはヒブダイ等のアオブダイ科の魚たち。死んだ珊瑚ごと餌として食べ、下痢のようなうんちを撒き散らすことで星の砂は出来上がります。

沖縄の星の砂を見たら、彼らのうんちであることをぼんやり思い出してみてください。