今月末までの、TSUTAYA旧作1本無料券があったので、このぎりぎりの時期にビデオを借りてくることにしました。
家族に「何か観たいの、ある?」と聞くと、大学生の息子が、「『シザーハンズ』が観たい」と。
この映画は、私が大学生の時(およそ四半世紀前)にビデオで観たもの。おそるべきDNAと思いながら、どんな話だったかもよく覚えてはいないので、借りてみることにしました。
「シザーハンズ」 ─ はさみの手と、繊細で優しい心をもつ人造人間エドワードのお話。エドワードは、鋭利な自分の手で、図らずも周囲の人を傷つけてしまいます。奇異な外見も重なり、彼の居場所はしだいに失われていきます。結局、彼が抱いた、少女への純真な恋も、結ばれることはありませんでした。
人はだれも、どこかで周りの人を傷つけながら生きています。また、理不尽にいわれのないことで傷つけられてしまうこともあります。それでも、それらをすべて受け入れ、静かに一人の人を恋する気持ちの貴さに、自分が大学生の時は、気づけていなかったように思います。今、大学生の息子は、どんなことを考えながら、私の隣でこの映画を観ていたのでしょう。
映画の脚本を手がけたキャロライン・トンプソンさんが言っていました。
“寓話とは信じはしないが共感はできるもの”だ。
映画の寓話も信じはしないと思う。
それでも共感できるのは
あらゆる感情が描かれているからよ。
自分にない感情や持ってみたい気持ち
持つべき感情や決してない感情などが
伝わるの。
山上のお城に、手がはさみになっている一人の男が住んでいるなんて、私も信じません。
それでも、彼が人を恋う気持ち、周囲に誤解され孤独な世界へと帰っていくせつなさに共感します。
私の今年のブログも、これで結びとします。
「もう今日はブログを書かずに寝よう」と思ったときに、フォローして下さったり、コメントを下さったりした方がいて、何とか頑張ることができました。また、これまでの自分だったらおそらく出会うことのなかった本を紹介していただき、自分の世界も広がりました。
1年間、ありがとうございました。
どうぞよいお年を。
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