Last Christmas. | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 去年のクリスマス(Last Christmas)は、こんなクリスマスでした。

 そして、今年、娘がリクエストしたクリスマス・プレゼントは、目指す大学の赤本3冊。

 本屋さんで、赤本3冊を「ラッピングして下さい」とお願いするのも、なんだか教育パパみたいで気が引けたのですが、「いやね。娘が、これがいいって言うもんだから・・・」などと言い訳がましく言うのもなんだしな・・・と思いながら、そそくさと買って本屋を出ました。

 

 家に帰って部屋にこもり、まず、こんなメッセージを書き、

本を隠すなら本棚とばかり、私の本の中に紛れ込ませておきました。

 今日の朝、娘が起きる前に、枕元にこのメッセージを置き、今日1日、これを見つけ出そうとしている娘の姿を想像しながら、仕事をしていました。

 

 

 長男はすでに県外で一人暮らし。この長女ももしかすると4月から県外の大学へ。そうなると、子どもたちが小さい頃からずっと繰り返してきた我が家のクリスマス恒例行事も、これが最後(Last Christmas)になってしまいます。

 幼い頃は、この手紙を見て、子どもたちは「サンタが来た!」と大喜びで、プレゼントのありかを探して家じゅうをあさっていました。その風景を見るのが楽しみでした。

 中学、高校と進むにつれ、あからさまに喜びを表現しなくなりましたが、それでも「サンタさんは、お父さん」とは分かっていても口にせず、クリスマスの気分を家族で味わっていました。

 もう10年もしたら、長男、長女も子どもをもっているのでしょうか。その時に、幸せなクリスマスを演出してほしい。そして、おじいちゃん、おばあちゃんになった私たち夫婦に、同じように幸せな気分を味わわせてほしい、そう願っています。