本の描く、優しい風景 ─『このほん よんでくれ!』(ベネディクト・カルボネリ)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

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「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

『このほん よんでくれ!』(ベネディクト・カルボネリ)

 本の面白さに目覚めたオオカミが、ウサギに「このほん よんでくれ!」とおねだりする話。

 一度読んでも「もういっかい! もういっかい!」。

 「なんども きいて あきないの?」というウサギに、「ぜんぜん! もういっかい! もういっかい よんでくれ!」。

 そして、それまでのオオカミからは想像もつかない結末に・・・。

 

 

 やんちゃ坊主君も、気持ちを言葉で表現できないためにすぐに手が出てしまう困った君も変えてしまう力が、本にはあるのかもしれません。そんな本の力を、又吉直樹さんがこの絵本の帯に書いています。

 

 奇跡というのか

 魔力というのか、

 「本」はこういう優しい風景をたびたび生みだす。

 

 ── ここからは、余談です。

 

 ちょうどこの絵本が家に届けられたとき、娘がいたので、一緒に読みました。

 

 その夜、娘の部屋に忍び込んで、こんないたずらをしたら・・・。

 

 ・・・私の机の上に開いていた地図帳に、仕返しをされていました。