七夕に ─『おこだでませんように』(くすのき しげのり)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

くすのき しげのり・作  石井聖岳・絵

『おこだでませんように』

七夕には、この絵本のことについて書きたいと思っていました。

 

 

小学校1年生の「ぼく」は怒られてばかり。

学校では先生に…。

家ではお母さんに…。

本当はいい子になりたい「ぼく」は悩みます。

 

 ぼくは どないしたら おこられへんのやろ。

 ぼくは どないしたら ほめてもらえるのやろ。

 ぼくは……「わるいこ」なんやろか……。

 

 せっかく しょうがっこうに にゅうがくしたのに。

 せっかく 1ねんせいに なったのに。

 

7月7日、「ぼく」は、学校で七夕様のお願いを書きます。

習ったばかりのひらがなを、ひと文字ずつ、心をこめて書いたのは…。

 

 これを読んだ先生は─

 

 せんせいが ないていた。

 「せんせい……、おこってばっかりやったんやね。……ごめんね。

  よう かけたねえ。ほんまに ええ おねがいやねえ」

 

 お母さんは─

 

 「ごめんね、おかあちゃんも おこってばっかりやったね」

 そう いいながら、おかあちゃんは ぎゅうっと だきしめてくれた。

 

もし七夕様にお願いごとができるのなら、

私も、怒ってばかりだった子どもたちに会って、

でも、「ごめんね」なんて照れくさくて言えないだろうから、

普通に昔話をしてみたい。


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