笑って、泣いて、喧嘩して ─『本所おけら長屋(六)』(畠山健二)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 おけら長屋の住人は、がさつで気の向くまま、でも人情に厚い。いつも騒動を起こしながら、それでもそんな人間関係の中に自分もいたい、と思わせてくれます。

 

 だから、おけら長屋の人たちの生き方を語る、こんな言葉がすっと胸にしみこんできます。

 

「子供のことを考えて一生懸命になってさ。でも、それがなかなかうまくいかない。うまくいかないから面白いのさ。笑って、泣いて、喧嘩して、それが必ずいい思い出になる。そんな人生の方が楽しいと思うよ。」(畠山健二、『本所おけら長屋(六)』より

 

 今も未来の自分から見たら、人生を形作る大切な1ピース。

 だから、笑って、泣いて、喧嘩して…。