真っ正直に生きること ─『日本語大好き』(金田一秀穂)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

詩人・谷川俊太郎さんの詩に『ことこ』という詩があります。

この詩と出会って、最初は不思議そうな顔をする子どもも、この詩を声に出して読み、その意味に気付いたとき、本当に嬉しそうな顔をします。なぞを自分で解決した喜びです。

そして、それは大人でも同じです。解読できたとき、やり遂げた表情を見せてくれます。

みなさんも挑戦してみてください。

 

ことこ


       谷川俊太郎


このこのこのこ

どこのここのこ

このこのこののこ

たけのこきれぬ

 

そのこのそのそ

そこのけそのこ

そのこのそのおの

きのこもきれぬ

 

 

さて今日、ご紹介するのは、『日本語大好き』という本。

キンダイチ先生が、言葉の13人の言葉の達人と対談をしていますが、

その中で谷川俊太郎さんはこう言っています。

 

僕は、「どうやったら詩がうまく書けますか?」と聞かれたら、「真っ正直に生きればいいんじゃないですか」と答えます。

 

自分の感じたことを、自分の素直な言葉で表すということ。

谷川俊太郎さんの詩が、子どもにも大人にも親しまれる理由は、こういうところにあるのでしょう。