子どもが生まれ、なぜかロックを始めた「先生」。でも、先生が求めていたのは、ロックではなく、「ロール」でした。
先生は言います。
「ロックは始めることで、ロールはつづけることよ。ロックは文句をたれることで、ロールは自分のたれた文句に責任とることよ。ロックは目の前の壁を壊すことで、ロールは向かい風に立ち向かうことなんよ」
じゃけん、と先生はつづけた。
「ロールはオトナにならんとわからん」
大人になった「僕」は、白髪になってもステージでギターを弾く先生に語りかけます。
転がり続けること。
生き抜くこと。
センセ、ボクはロールしよりますか。キープ・オン・ローリングしよりますか。
止まってしもうとっても、もういっぺん動き出したら、まだ間に合いますか。
止まらないということ。終わらないということ。生き抜くと言うこと。
ずっと見ていないと、一瞬見ただけでは、それは気付かれません。目立たないけれど、「止まらない」「終わらない」「生き抜く」ことは、やっぱりオトナの生き方だと思うのです。