おとな日和さんと愛用自転車の心が通う物語。
おとな日和さんと自転車の関係は、私と車の関係のようです。
といっても、私の車も「カッコイイ車」ではありません。ごく普通の普通車です。走行距離17万キロ。納車して15年目。この間には、(まるで夫婦の仲のように)危機もありました。エンジンが不穏な音を出し、買い換えた方がよいのではと思ったこともありました。それでも今は、倦怠期(?)を乗り越え、買い換える気持ちは全くありません。道を走っていて、エンコして路上で立ち往生するまで乗り続けようと思っています。
まだ小さかった息子が、「目(ライト)が怖くない車がいい」と言って決めたのが、この車。
買ったばかりのころに、家族で高知へドライブに行ったのも、この車。
雪の日の朝早く、娘を部活の試合に連れて行き、山道でどうにも進めなくなったのも、この車。
もし、買い換えたら、思い出が遠ざかっていきそうです。
新しさは、日が経つごとに失われていきます。でも古さは失われません。思い出と一緒にどんどん積もっていきます。
おとな日和さんが、愛用自転車にいっそう愛着をもったように、私も、愛車をいたわりながら、末永く付き合っていこうと思います。