C.S.ルイス作、『ライオンと魔女』。
小学生の時の休日。朝起きると、この本を本棚から取り出し、ふとんの中で1冊読み通していました。読み終わって時計を見ると10時過ぎ。でも、わくわくした充実の朝を過ごした記憶が残っています。
大人になって、映画「ナルニア国物語」が流行しました。自分は、その20年以上前にこの話を知っていたことを、ひそかに誇らしく思っていました。
それからさらに十余年。お気に入りだったその本も、いつのまにか無くなり、あまり気にもとめなくなっていました。
先日、書店の絵本コーナを歩いていたら、ふと目にとまりました。「C.S.ルイス、『ライオンと魔女』」。あの頃のままの装丁で、オレンジ色のケースに入って。
迷い無く購入しました。
ゴールデンウィーク中に、40年前と同じように、朝、ベッドの上で読み通そうと思っていたのですが、なかなかそうはいかず、結局、昼、夜、翌日とかけて読破しました。40年経っても記憶に残っているもので、「あ、次、あの言葉が続くぞ」という場面が、何か所もありました。
ただ、あのころと同じ感動をもって読むことはできませんでした。感じ方というのは、やはり年とともに変わるのでしょう。
しかし、「子どもの頃、この場面を読んで、こう感じていた自分」というのは、感じることができました。だから、この本は、子どもの頃の自分の思いがこもった本として、もう無くさずに、大切に本棚に立てておきます。