われわれの来し方・行く末 ─『オリジン 上』(ダン・ブラウン)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 ダン・ブラウンの大ファンである知り合いが、

「オリジン」が文庫本になったよ。本屋に平積みされているよ。ぜひ、読んでみて。」

と強く薦めてきました。

 以前『ダ・ヴィンチ・コード』を薦めてきた方で、なるほど面白かったので、今回も早速購入してみました。

 

 

 「われわれはどこから来たのか。われわれはどこへ行くのか。」

 これが、「オリジン」全3巻を通しての大きなテーマとなりそうです。

 

 人間の起源と運命を問われたコンピューターは、

“データ不足により、正確にお答えできません。”

と答えるそうです。

 

 一方で、人間の脳は答えが無いと非常に不安になり、なんとか答えをひねり出そうとします。そこで生まれたのが、神話や宗教であり、未知の世界にも、確かに秩序と体系があると思わせて、人間は自分を安心させようとするのです。

 そして、悲しいことに、多くの人が、その疑問の答えを知っていると思い込み、それが宗教によって異なるため、文化圏同士の争いが起こると言います。

 

 では、宗教の時代が終わり、人類にとって普遍である「科学」が人を支配すれば、人々は結びつくようになるのでしょうか。

 

 「われわれはどこから来たのか。われわれはどこへ行くのか。」

 『オリジン』と共に考えていきたいと思います。