凸と凹が響き合いながら | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 ほぼ時を同じくして、二つの言葉と出会いました。二つとも同じメッセージが込められていました。

 

 だれでも得意なこと、苦手なことがある。凸と凹がうまくかみ合い、響きあう。そんな世の中になっていければ。

 (朝日新聞「天声人語」(2019.4.7)より)

 

「あれもできなかった、これも失敗した、だけど今ちゃんと大人になれている。だから、たくさん失敗していいよ。その代わり、何か別のもので人より得意なものがあればいいね。お互いが補って、助け合って、人間社会ってできているのだよ」

 (「初等教育資料」2019.4月号、ヨシタケシンスケさんの言葉から)

 

 もしかしたら、頑張れば自分一人でも成し遂げられることができるかもしれない。自分の力を伸ばして、たくさんのことができるようになることも大切かもしれない。

 でも、中島みゆきさんの「糸」ではないけれど、縦の糸の自分と、横の糸の誰かと、互いに足りないところを補い合いながら一つのことをなすことができたとき、人は仕合わせを感じるのでしょう。