親子で一緒に楽しく想像の世界に遊ぶ。人生の中でそんな時期は、春の夢のようにあっという間である。
(3月25日の読売新聞「編集手帳」から)
息子や娘が小さかった時─。
夜、寝る時に電灯を消すと、「昔話をして!」とせがんで来るので「桃太郎」のパロディを創作して変な終わり方にしたり、怖い話をして怖がらせて楽しんだりしていました。
もう、その頃は戻って来ませんが、今でも時々、
高校生の娘は、私の部屋の机の上に絵本があると、ちょこんと隣に座ってきます。私は、彼女の幼い頃、ちゃんと絵本を読み聞かせてやれなかった分まで、読んでやるのです。
もうじき、この今さえも、あっという間に過ぎて、春の夢のように思い返す時が来るのでしょう。でも、そこにはきっと、また新しい春の日が待ってくれているはずです。