ツンデレの魅力 ─『あしたも ともだち』(内田麟太郎 作、降矢なな 絵)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 木の陰に倒れているクマさんを見つけたオオカミさん。

(おれは、やさしい ことを しない おおかみだぞ。)

と思いながらも、こっそりクマさんを助けます。

 乱暴者をウリにしているオオカミさんは、決してだれにもばれないように、毎日、クマさんの看病に通います。

 

 事情を知らないキツネさんは、オオカミさんが遊んでくれなくなり、寂しくなります。

 こらえきれず、こっそりオオカミさんの後をつけたキツネさんは、親身になってクマさんを看病するオオカミさんの優しさを見たのでした。

 

でも、何も知らないオオカミさんは、照れ隠しに今日も歌っています。

 

くまは まったく

こまった やつだ

りっぱな きばが ありながら

くりやなんかを たべたがる

こまった くまった

くまった こまった

 (内田麟太郎、『あしたも ともだち』より)

 

 “ツンデレ”の魅力あふれる1冊です。

 

 明日も友達。だから明日もけんかして、反省して、仲直りして・・・。

 内田麟太郎さんの「ともだち」シリーズは、3日間でご紹介したほかにも、まだまだあります。

 どうぞ味わってみてください。