一般には、ずるがしこいと思われがちなキツネと、乱暴者と思われがちなオオカミ。
そんな二人が織りなす「ともだち」絵本。
『ともだちや』は、シリーズ第1弾。キツネとオオカミが初めて友達になるお話です。
「えー、ともだちやです。
ともだちは いりませんか。
さびしい ひとは いませんか。
ともだち いちじかん ひゃくえん。
ともだち にじかん にひゃくえん」
こんなキツネ、どう思いますか?
一方、オオカミはキツネを呼び止めて一緒に遊ぶものの、お代を請求するキツネに対して、
「お、おまえは、ともだちから かねを とるのか。
それが ほんとうの ともだちか」
と、きばをカチカチ鳴らします。
なるほど、オオカミも負けてないな、と思うでしょう。
でも、実は、そういう二人ではないところが、この絵本の魅力。
ずるがしこそうなキツネとオオカミでありながら、本当は情に厚いところに読む人の心は温められ、情に厚いのに、見た目はいかにもキツネとオオカミというところがユーモラス。
波瀾万丈な二人の「ともだち」関係と出会えそうです。
明日、あさってと、キツネとオオカミの声に聞き耳を立ててみましょう。
絵本の中の、ミミズクのように。