その満田さんの言葉から。
自分の名前を残すだとか、作品で何かを伝えたいだとかいうよりも、自在置物が江戸の末期から脈々と続く工芸品として現在も残っているという状況にさせておく、そして、私の次の代の未来へと渡すことが最終的な自分のやるべきことだと思っています。
(『初等教育資料』Feb.2019 No.977)
思えば、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さん、お母さんの教えって、これと似ているのかもしれません。自分の損得勘定は抜きにして、人として大切なことを伝えていこうとする言葉。子どもたちが立派に大きくなるように、それだけを願って残されていく言葉。
「お茶碗にお米を残したらダメだよ」
「親に隠れてするようなことは、したらいかん」
「嘘をついたら、閻魔様に舌を抜かれるよ」
今さらながらに、そんな言葉が、あたたかく、そしてありがたく響いてきました。