「城を建てるときは便所の天井を高くしておけ」
武士が戦いの一刻を争うような時に、のぼりを差したまま用を足せるようにとのことです。
磯田道史さんによれば、強い集団ほど現実的で細かい知恵やノウハウが、全体に行き渡る工夫がされているのだそうです。
また、こういうのもあります。
「朝は常に早く起きるように心掛けねばならぬ。遅く起きるならば、召し使っているものまでが気持ちを緩めてしまう。」(北条早雲)
(確かにそうなのだけれど、そういうことはやめてほしい・・・)という部下たちの心のつぶやきが聞こえてきそうですが・・・。
そして、これらのことから、磯田さんは次のように結論付けます。
こうしてみていくと、戦国武将たちが重視したポイントがわかる。それは、もしこうなったら・・・という脳内シミュレーション能力の高さである。
・・・心に刺さりました。
実は私、今日までに仕上げておかねばならない宿題ができておらず、昨日の昼ごろからやっと手をつけ始め、我ながらものすごい集中力でなんとか仕上げたところです。締め切りが今日ということは、ひと月も前から分かっていたのにもかかわらず、そして、後回しにすれば大変なことになるのも分かっていたはずなのに・・・。
なんというシミュレーション能力の低さ。戦国時代に生まれていたら、真っ先に敗れ、領地を奪われ、妻子ともども悲惨な生活を送っていたことでしょう。
現代に生まれてよかった。
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