物語やファンタジーなどを好む私。非文学も読まなくもないのですが、おそらく私の最も苦手なのが、政治や経済に関する文章です。お恥ずかしながら、小学生のころから、社会が大の苦手でした。
それでも、大人になってからは、社会人としての常識を身につけようと、それ関係の本などを意識して読むようにしています。
『社会人として必要な経済と政治のことが5時間でざっと学べる』は、池上彰さんが執筆されており、私のような初心者も優しく受け入れてくれます。5時間ではとても足らず、トータルでおそらく10時間ぐらいはかかったような気がするのですが、それでも、私はたくさんの知識を得ました。世の中が少し見通せそうな気になりました。
私は、これまで、日本銀行が「銀行の銀行」と呼ばれているのは知っていましたが、それは、「男の中の男」と同じく、銀行の親分みたいなイメージを表している言葉とばかり思っていました。そうではなく、銀行などの金融機関のみを相手にする銀行だから、「銀行の銀行」と言っているのですね。銀行の親分のキャッシュカード持ちたさに、「日本銀行のキャッシュカード、作って下さい」などとお願いに行かなくてよかったです。
・・・会社が不渡りを出してしまったんだ…。
よく小説などでこの台詞を聞いていました。売れない商品のことを、店から客へと渡っていかないという意から「不渡り」と言うのかと思っていたら、どうもそうではないようです。取引先に、「いついつまでにお金を支払います」という約束を兼ねて渡した手形を現金に換えることができない、という状況なのですね。悲壮感の度合いが違います。
このほかにも、「日本国憲法は、本当に『押しつけ憲法』なのか」「大統領と首相の違いは何か」など、答えられそうだけれども口ごもってしまいそうなことを、池上さんの分かりやすい説明とイラストで教えてくださいます。
知れば誰かに無性に話したくなります。明日、身近な人をつかまえて、蘊蓄をかましてみましょうか。
うっとうしがられない程度に、さりげなく。