不思議なことに、よく似た出来事が届けられるものです。
昨日、刑務所で言葉を覚えたSさんのことを書いたところですが、その日の新聞に、私の地元・香川の刑務所で点字を覚えた受刑者のことが取り上げられていました。
高松刑務所では、同市のボランティア団体「点字サークル・ライト」のメンバーが、点字の授業を行っているそうです。昨年12月21日には、1年間の受講を終えた1期生3人が、自身で点訳した絵本1冊を、市内の図書館に寄贈しました。
「受刑者は子どもが絵本を読む姿を思い浮かべ、真面目に丁寧に取り組んでいる」と、点字サークル・ライトの益田隆子代表。
「初めて点字を触ったが、文字や数字を読めるようになった。自分にもできることが見つかった。」と、ある男性受刑者。
受刑者が、子どもたちに届けたいと、ひと文字ひと文字刻み込んだ1冊の絵本。誰かはわからないけれども、それを指でなぞりながら、絵本の世界を想像する子どもがいる。点字を媒介にして、指と指とがふれあっています。
だからでしょうか。この記事の見出しは、「点字絵本 温かい手で」。