『らんだむ・りいだあ』は、「古本に導かれて」のブログで少し触れた本です。
この本の中で、橋本治さんの『桃尻娘』という大河青春小説のことが取り上げられていました。
その小説に登場する女子高生は、受験生の思いを、女子高生らしい言葉に託して訴えています。
例えば─
普通の高校生の普通の高校生活を送ってて、それでなおかつ大学に入れなかったら、絶対そっちの方がおかしいわよネ。ネッ、そうでしょ?
さらに─
エーッ、日本の教育制度について御報告をしたいと思います。
畜生、あたしは、綺麗さっぱり、ゼエーンブ、落っこちました。落っこちたのよ、落っこったの。これ以上の事はもう書きたくありません。
あれ、この言い回し、どこかで聞いたことがある。何だろうと思っていたら、これでした。
何なんだよ日本。
一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。
どうすんだよ私活躍できねーじゃねーか。
(以下略)
池澤夏樹さんは、このブログの全文を見て、「生半可なコピーライターには絶対に書けない名文」と言い切りました。もしかしたら、40年前の「桃尻娘」まで読破した上で書いている、非常な読書家の方だったのでしょうか。
まさか、桃尻娘さんご本人とか。
いや、橋本治さんがこのブログを書いた?
ありえない勝手な想像をお許しください。
40年の時を経て、似通った二つの文章を発見したのがちょっと嬉しかったもので。