■身体によって相手を選択している

アルフレッド・アドラーは、

愛と結婚の課題について、

その相手の身体に惹かれることも

愛の本質である

と指摘しています。

 

愛と結婚の課題とは、

子孫を残し、

人類の種の保存することを目的とした

異性の問題です。

 

その課題を共に取り組む相手は、

身体によって選択しており、

それこそが愛の本質である、

というわけです。

 

なお、

アドラーが「身体」としているのは

体つきやセックスのことだけを

示しているわけではなく、

相手がどんな表情をするのか、

相手がどんな振る舞いをするのか等、

内面が表現されるようなこと

「身体」に含まれているのだと、

私は感じています。

 

なぜなら、

第一印象が好印象でなかったとしても、

会うことを繰り返すうちに

魅力的に感じられてくることもあるからです。

 

ただ、その基礎となっている

体つきなどの外見から受ける影響は

決して小さくはないと考えられます。

 

■「好み」の変化は人類の進化

子孫を残し、

人類の種の保存として

どんな相手が有用だと感じるのかは、

人類の必然的な進歩に応じる

とアドラーは指摘しています。

 

人類の発達する精神の状況によって

選ぶ相手も変わる、ということです。

 

一般的によく登場する「好み」とは、

相手の身体についての評価

ということです。

 

高い評価の相手には

よく魅力を感じ、

低い評価の相手には

あまり魅力を感じない、

ということです。

 

時代によって、

魅力的に見える人の身体が

変わっているのはそのためです。

 

それをアドラーは

進化の本質、とも表現しています。

 

■「協力」よりも深い関係

愛と結婚の課題は、

1人で取り組む課題ではありません。

 

なぜなら、

1人の課題を解決するようにしても、

愛と結婚の課題は解決できないからです。

 

子孫を残すことについても、

それ以外のことについても、

すっかり自分のことを忘れて

相手に献身することで

解決されていくのです。

 

アドラーはこれを説明するにおいて

「協力」という表現を

使っていないのですが、

「協力」以上の関係が必要だと

考えているのだろうと推察します。

 

それは、アドラーが、

愛と結婚の課題の相手との関係には、

不平等の問題、相互不信の問題、

そして敵意のある意志や感情が

あってはならない

説明しているからです。

 

 

互いの身体への

魅力から始まった関係だけに、

その後の関係を良好なものとして

維持向上させていくことは、

友達や仕事仲間などの関係よりも

困難なものとなるでしょう。

 

なぜなら、

身体に魅力を感じて、

その魅力的な相手と一緒なら、

それはそれで嬉しいことで

満足を感じますが、

それだけでは愛の課題は

解決されないからです。

 

子孫を残し、

人類の種の保存との目的、

またはそれに準ずる目的に向けて

活動を進めていかなければ、

その目的は実現できないからです。

 

アドラーはこれについて、

次のように言っています。

 

2人の課題は

固有の構造を持っている

 

友達でも仕事仲間など関係でもない関係

であることを”固有の構造”として

示していると考えられます。

 

おそらく人間の問題で、

愛の問題ほど社会の中の個人の幸福に

密接に結びついたものはない

 

友達や仕事仲間などの関係よりも

深い関係であるために、

感じるしあわせについても

より深いものになる、と解釈できます。

 

単純に「恋愛」や「結婚」といっても、

これらを愛と結婚の課題として捉えると、

なかなか深いですね。

 

深すぎるかもしれません...

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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