「好き」とは感情であって、

理論理屈や思考ではありません。

 

なので「好き」であることには、

そもそも理由などありません。

 

「好き」という感情が最初にあって、

次にそれを感じた自分が

その状況に対してどんな態度をとるか、

というだけの話です。

なんでそれが好きなの?

と質問してくる人がいたら、

それは、

あなたがそれを好きなことを、

私が納得したいので、

それを助けてください。

と要求してきているだけです。

 

なぜなら、

「好き」であることには

自分も含めて

誰の許可も納得も必要ないからです。

 

「無い」ものは、無いのですから、

当然ですがそれを示すことなど

できません。

 

しかし、

「なんでそれが好きなの?」

とは言い換えれば

なぜあなたがそれを好きなのかを示せ

という命令です。

 

言い方は命令ではなくても、

内容は命令です。

 

そこで、

「無い」ものを「ありません」と

答えることが、

その質問に誠実に答えている

ことになるのですが、

質問者は「有る」と信じて

質問しているので、

「ありません」と答えても

納得してくれないこと

よくあります。

 

「好きは”好き”であって、

理由なんてありません。」

と答えても、

そんなことないよ、

何かあるでしょう?

みたいに返されてしまったりします。

 

こうなると、

質問者の要求は「私が納得したい」から

回答者への「私を満足させろ

という命令になっていきます。

 

回答者は「無い」ものを

「有る」と示せと言われているので、

誠実にし続けることができなくなります。

 

そこで回答者は、

質問者の期待に応え、

やりとりを終えるために

”質問者の納得”を目的にすることになります。

 

そうなると、

「無い」ものを「有る」とする必要があり、

そもそも「好き」にはない理由を

捏造し始めることになります。

 

「そうだね...色が良いからじゃない?」

「○○と関係があるからかな?」

「青いから」「やわらかいから」

「おいしいから」みたいに、

想像つくことで答え始めます。

 

その回答を聞いて

質問者の期待する答えであったり、

それに近いものであれば、

「やっぱり!」とか、

「なるほど、だから好きなんだね」

みたいに一人合点して

このやりとりが終わります。

以上のように見ていると、

なんだか

質問者の個人的利益の追求だけに

役立つようなやりとりに見えます。

 

しかし、

これを整理して行えば

自分の「好き」についての理解を

より深めることができるのです。

 

そしてそれは、

なんでそれが好きなの?

という質問ではなく、

至福の瞬間はどの瞬間?

という質問にすることで、できます。

 

”至福の瞬間”以外の言葉でもOKです。

 

「最も幸せな瞬間」

「最も自分らしい瞬間」

「最高だと感じる瞬間」

みたいな感じです。

 

「好き」を最も感じる

特定の、ある一瞬、を

観察するような質問にできれば

何でもOKです。

 

意外と自分が好きなことについて

ぼんやりと全体は感じられても

「どこが好きなのか」

「何が好きなのか」みたいな

特定の一瞬までは

観察してはいないでしょう。

 

その特定の一瞬がわかると

何ができるかといえば、

味わうこと」ができるのです。

 

感情は、感じるだけなので、

感じたら過ぎ去っていきます。

 

ちょうどそれは、

自分のいる駅を通過する電車を

見ているようなものです。

 

特定の一瞬がわかっていれば

電車が過ぎ去ってから

「あー、カメラ準備しておけばよかった」

とならずに、

電車が来た時に

好みのタイミングで写真を撮る準備が

できます。

 

そうして、

好みの写真が撮れたら、嬉しいです。

 

もし撮れなくても、

次からは○○を試してみよう」と

創造的に改善策をあげていけるでしょう。

 

それに、

特定の一瞬がわかると、

それは「新たに自分を知った」となります。

 

ただぼんやりと

「なんか好き」となっていたのが

自分はこの瞬間が好きなんだ

とわかることは、

知らなかった自分を知った

ということです。

 

そうして自分を知ることができると、

嬉しくなります。

 

知ってる自分が増えれば、

自分で自分の面倒を見るときに

何をすると面倒みたことにできるのか、

を見ていくことに役立ちます。

 

自分の好みが変わったときにも

新しい特定の一瞬がわかれば、

新しい状況に適応することも

簡単になります。

 

そしてこれは、

自分だけではなく、

他者に対してもできます

 

他者を理解することや、

貢献することに役立つのです。

 

また、

「好き」以外の感情でも

同様にすることが可能です。

 

その感情を味わうことや、

自分自身(個性)の理解を深めることに

役立ちます。

 

自己愛が深まります。

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「男性優位社会を知る」シリーズ

 

 

結婚は”女性の役割”との和解ではない

~36歳の女性の例に学ぶ シリーズ(全6回)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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