■低下したら改善を試みる

他者の失敗が嬉しく感じたら、
それは自分のしあわせ体質が
低下した合図
です。

なぜなら、それは、
自分の目標に向かう途上にある
困難を避けている証拠だからです。

自分が、その困難に向き合うと
他者の失敗にかまっているヒマなど
なくなります。

でも、
その困難に向き合わずに
避けていると、ヒマになります。

そのヒマで
他者の失敗にかまい出すわけです。


他者の失敗を見て
”失敗はしていない自分”を感じ、
味わうことができます。

そう感じ、味わうことで
優越感を得られるのです。

そうして優越感を得られると
束の間、安心を感じます。

それはただ、
他者の失敗を見つけただけで
自力では何もしていません。


でも、
自力で何もしていないけど
安心(優越感)を得られた、
という成功体験をすると、
なので、また同じ体験が
欲しくなります。

そうして、
他者の失敗を探し出すことを
繰り返すことになると、
どんどんしあわせ体質が
低下してしまいます。

それは、
自分はゼロのままなのに
相手が勝手にマイナス1
なったから、
相対的に自分がプラス1
なったように感じただけです。

自力で得た優越感ではないので
いくら得たとしても
自分は変わりません。

変わらないどころか、
筋力と同じで使わないと
どんどん衰えていきます。


そうして衰えることが、
しあわせ体質を低下させて
しまうのです。

だから、
他者の失敗が嬉しい、と感じたら
それは、しあわせ体質の改善を
してみることで状況を
変えていける時期

ということです。

■しあわせ体質とは

しあわせ体質が高い状況は
共同体感覚が高い状況です。

逆に、
しあわせ体質が低い状況は
共同体感覚が低い状況です。

共同体感覚が高い場合に
他者の失敗を見つけても
嬉しくはなりません。

ただ、お気の毒に、と
感じるだけです。

相手が身近な人であったりすれば
その相手に今の自分が
何かできることはなにかな?と
考えたり、
できることがあれば
それを相手に伝えたり
することもあります。

つまり、
共同体感覚が高い
相手の成功は嬉しくなるし、
相手の失敗は悲しくなる
わけです。

これが逆転していたら
共同体感覚は低い状況です。

ただし、これは
共同体感覚が高い=正しい、
共同体感覚が低い=間違い、
などと優劣をつけるものではありません。

共同体感覚が高いことは、
しあわせ体質が高いことであり、
共同体感覚が低いことは、
しあわせ体質が低いことです。

これは、すなわち、
高いか低いかによって
感じるしあわせが多いか少ないか、が
決まるだけ
、ということです。

その人が、
「今自分はしあわせだな」と
どれだけ感じられるかが
変わるだけです。


人間は
優越性の追求をする存在ですから、
感じるしあわせが多い方が
それだけ安心や喜びも多くなります。

今の自分の居心地の良い高さの
共同体感覚を備えていると
何もせずとも満たされた感覚になります。

今の自分の居心地の悪い高さの
共同体感覚しかないと
満たされない感覚を感じます。

もしも、
これを他者と比べたくなったら
他者の失敗を見て
嬉しくなるのと同じで、
しあわせ体質が低下した合図です。

■しあわせ体質の改善

しあわせ体質の改善は
共同体感覚を高める活動
することです。

共同体感覚を高めるには、
端的にいえば、
他者貢献活動をして
客観的な貢献感を得ることです。

共同体、すなわち、
何かで集まる人たちの
利益になるようなことをして
その人たちに喜んでもらえると、
うれしくなります。

それが客観的な貢献感です。


人間は社会的な存在なので
ただ生きているだけでは
満たされません。

満たされるのは
ただ生存しているだけでなく
社会的に生存しているという
感覚を得られたとき
です。

その「社会的に生存している」を
確認できるのが、
客観的な貢献感であり、
共同体感覚
です。

なので、共同体感覚は、
自分の居場所がある感覚」と
言い換えることもできます。


他者の役に立つ自分は
その他者に居場所を与えてもらえます。

例えば、
クラブ活動で、
そのクラブや他の部員の
役に立とうと活動している人は
他の部員から「いてほしくない」とは
思われにくいですし、
むしろ「いてほしい人」とか
「ありがたい存在」と
思われるようになるでしょう。

逆に、
他の部員の失敗を見て喜ぶ人は
他の部員には悪く見えてしまいます。

どちらが居場所のある感覚が
高いかは明白です。

その感覚を高めるためにも、
実際に他者貢献活動をするにあたり
誰に喜んでほしいのか」を
具体的にすることが大切なのです。

■実際の活動方針

他者の失敗が嬉しい状況は
共同体感覚が低い状況です。

そこからすぐに
他者貢献活動をしようとしても
なかなかうまくいきません。

なぜなら、
共同体感覚が低い状況は
自分の関心が
他者の利益には向かずに
自分の利益ばかりに向いている状況

だからです。

この状況は
自分の利益が何かは
すぐに見つかりますが、
他者の利益を普段から見ていないので
すぐには見つからない状況です。

だから今すぐ
他者貢献活動をしましょう、
とすぐに活動してみても、
実際にやったら喜んでもらえず、
ときには嫌がられたり
怒られたりしてしまって
悲しくなるだけで
あ~あ、やらなきゃよかった
と嘆くことになりがちです。

なので、まずは、
他者貢献活動を
すぐには行動に移さないこと
です。

行動に起こさずに
観察するのです。

自分が喜んでもらいたいな、と
思う相手のことを
継続して観察するのです。

そうして観察を続ければ
この人にはきっと
〇〇が役に立つに違いない

みたいに案が出てきます。

さらに観察を続けると
先日思った〇〇はやっぱり違うな
と改善を感じたり、
やっぱり思った通り、
〇〇が役に立つに違いない
」と
確信を感じたりします。

もしかしたら、
「この人は今の自分が
一番喜んで欲しいと思う人じゃなかった。
本当はあの人の役に立ちたい。」とか、

「自分は本当は、この人だけじゃなくて
所属する人たちみんなの役に
立ちたいと望んでいるとわかった。」
みたいに対象が変わるかもしれません。

そうして
行動に移さない貢献活動」を
続けることで、
自分の他者への関心
練り上げられていきます。

メンタルコーチがいたら
それをコーチと共有します。

評価を下さずに
一緒に取り組んでくれる人がいたら
その人の共有しましょう。

もしくは一人でするなら
簡単な記録を日記みたいに
つけてみます。

そうして、
客観的な確認ができると
より効果的です。

そうして観察を続けていくうちに
「絶対に役に立つと思うから、
どうしてもやってみたい」みたいに
自分の中であふれ出る感覚を感じたら
相手に提案してみることです。

「〇〇すると役に立てると思いました。
もし可能ならさせていただけませんか?」
みたいに。

相手に精神的に依存せずに
取り組むこと

そして、
その相手とその後も
良好な関係を続けること

目標にしながら。

それを心理的に支えるなら
「今の自分のできることをする」と
「相手は敵・味方ではなく
ずっと仲間である」との感覚

感じながら取り組むことです。

やりやすくなります。

ただし、
自分に過度な犠牲
払わせない範囲ですることに
常に注意することです。


そうして、
関心が他者の利益にも向いて、
他者の利益を実現する活動をして、
共同体感覚が高められていくと
しあわせ体質も自然と向上し、
他者の失敗を見た時の感じ方が
変わった自分を感じるでしょう。






お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。





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