■そもそもすばらしいあなた

あなたは
そもそもすばらしい存在です。

もしも
自分はすばらしくない存在だと
説明するなら、
自分の「すばらしい」以外の話を
すれば良いので、
無限に出てきます。

無限に出てくる話を
無限にしても
疲れるだけです。

それこそ
感じるしあわせを増やすことに
役に立ちません。

感じるしあわせを増やしたいなら
それに役立つことを
ちょっと大変でも
今の自分にふさわしい要領で
進めることです。


■共同体感覚を高めること

アルフレッド・アドラーは
共同体感覚を高めることで
感じるしあわせが増えると
言っています。

その方法として
行動面では次の2つ。
①自立する
②社会と調和する

その行動を支える心理面では
次の2つ。
①自分には能力がある感覚
②他人は自分の仲間との感覚

これらを指針として
感じながら行動を起こしていけば
感じるしあわせは
増えるというわけです。


■行動面①自立する


自分が疲れているなどして
状態が悪いと感じるなら
まずは休むことです。

誰かの世話になることで
世話できる喜びを
相手に提供できることもありますが
まずは自分で立っていられる状態を
ととのえることです。

経済的な意味だけでなく
精神的にも。

すぐに弱音をはいたり
愚痴をぼしたり
悪態をついたり
自分の課題の責任を
他人に転嫁したりするのは
自立できていない状況です。


■行動面②社会と調和する


「自分より相手優先」を
自ら進んで発揮すると
社会と調和しやすくなります。

相手が自立できていないなら
その自立を手伝ってあげる。

自分の自立ができていないなら
その自立を相手に手伝ってもらう。

対話することを遠ざけず
大切にしていくことで
自然と相手と調和できていきます。

「相手より自分優先」になって
相手の弱みにつけこんだり
相手を騙したり
相手を脅したりしてみても
その相手との調和はできません。

ただ、競技大会など
一定のルールの下に競う場合なら
お互いに力を競うため
「相手より自分優先」の姿勢で
取り組んだとしても、
そのルールを厳守することで
相手とは対等な関係でいることができます。


■心理面①能力がある感覚

あなたには能力があります。

それが他人とくらべて
少なくても多くても
能力は、あります。

「能力がない」ことは
ありません。

自分にふさわしい能力かどうか
評価を下しているにすぎません。

その「ある」を
「ない」としないことです。

自立することや
社会と調和することに
役立つ能力を
誰しもが持っています。

困難に直面すると
つい「ある」ものを
「ない」ものとして
劣等コンプレックスや
優越コンプレックスに
利用したくなったりします。

不足を感じるなら
鍛えたり
異なる能力を組み合わせたり
他人に協力を求めたりすることで
自立や社会との調和を実現できます。

劣等コンプレックスや
優越コンプレックスを使うより
「ある」ものをどうしていくかを
見ていく方が楽しいです。


■心理面②他人は仲間との感覚


相手を悪とすることで
自分を善としたくなると
ついつい相手を敵にしがちです。

相手を敵にして
その敵を倒すことで
自分が前進できるなら、
前進のために敵が必要な
仕組みを強化することになります。

そうなると
困難を感じたら
すぐに敵を探します。

敵が見つからないと
今まで味方と扱っていた人を
敵にしたりします。

そうして味方が減っていくと
自分の孤立がどんどん進みます。

アドラーは
「孤立とは社会的な死だ」と
言っています。

敵を見つけて倒す、を
繰り返すことで進む仕組みは
自分の「社会的な死」をも
進める仕組みというわけです。

それよりも
他人は自分の仲間と
ちょっと困難を感じても
思ってみることです。

仲間といっても
全員が一緒に暮らすわけでは
ありません。

近い人もいれば
遠い人もいます。

例えば競技大会では
勝ち進んで優勝します。

でもその優勝は
敗者がいないと成立しません。

その競技大会の参加者が
自分一人だと
「自分が優勝だ!」と
大喜びはできません。

競技大会にかかわる
すべての人が仲間なわけです。

競技大会でなくとも
皆、社会を構成する仲間と
思ってみれば
他人は自分の仲間との感覚を
感じることができます。


■勇気を使う

共同体感覚を
高める道には
困難があります。

その困難を避けようとして
自立や社会との調和を
崩してみたり、

自分の弱さを武器に
相手を支配しようとしたり、

相手を敵と扱ってみたり、
したくなることも
あります。

でも困難をさけ続けることは
山の頂上を目指しているのに
「登るのが大変」だとばかりに
同じ高さを歩き続けるようなものです。

同じ高さの道を
いくら歩いても
頂上には着きません。

ちょっと困難でも
自立や社会との調和、
また自分の能力を見たり
他人を仲間と感じてみることを
少しでもやってみようと
「今の自分にできる挑戦」をすることで

今までとの違いは
確実に生み出せます。

そうして続けるうちに
すばらしい自分は
形になっていきます。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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