■しあわせを感じるのは


しあわせを感じるのは
他人に見栄えの良い自分じゃなくて
あるがままの自分です。

他人に見栄えの良い自分で
他人から好評価をもらうと
それがしあわせと
感じてしまいがちですが、

感じるのはいつも
あるがままの自分です。

あるがままの自分が
しあわせの基礎です。


■他人に見栄えの良い自分で生きる人


他人に見栄えの良い自分で
生きる人は
あるがままの自分を
「無いもの」として
生きていたりします。

常に自分に対する
相手の評価に注意を払い、
悪評価を減らして
好評価を増やす活動するにおいて

あるがままの自分は
その活動に
あまり役に立たないからです。

そうして生き方が
相手の評価に依存的になるため
生きづらさが増えていきます。

それが臨界点に達すると
「もうやだ!」などと
あるがままの自分で
生きる決意をしたりするわけです。


■やってることと、感じてること


自分に対する相手の評価に
注意を払ってばかりだと
あるがままの自分が
わからなくなってしまいます。

幼い頃は
好きな毛布があったり、
走ったときの感触が好きだったり、
プロパンで走るタクシーの
排気ガスのにおいが好きだったり。

好きなことを「好き」と
認識できているのは当然でした。

それが社会に適合しようとして
受ける悪評価を減らして
受ける好評価を増やそうと
頑張るうちに、
好評価が好きで
悪評価が嫌い、という
基準にすり替わってしまいます。

あるがままの自分が
嫌なことでも
好評価されれば
好きなことになる。

あるがままの自分が
好きなことでも
悪評価されれば
嫌なこととなる。

自分が内側で
分離している感じです。

そうして
やってることと
感じてることが違ったりすれば
自然とストレスは
蓄積されていきます。


■両方同時に満たせる要素を見つける


しかし、
あるがままの自分を
何よりも優先して
生きようとすると
社会的に成立しない。

どうしよう、困った、と
なってしまいそうです。

あるがままの自分で
生きていれば
しあわせをたくさん感じられます。

究極的には
何をしていてもしあわせであれば
ドアの前で寝転がっていても
しあわせです。

でも、それじゃ
ドアを開けたい人の
邪魔になります。

そうして自分が
「相手より自分優先」と
なってしまったら、
社会的調和の実現は困難です。

そこで大切なのは
他人に見栄えの良い自分、と
あるがままの自分、との
調和です。

両方同時に満たせる要素を
見つけていくことです。


■例えば、Aさんの場合


例えば、
お子さんが生まれたばかりの
Aさん。

仕事を減らして
奥さんを助けたいけど
仕事で責任ある立場になったので
減らすことが難しい。

どうしよう...

あるがままの自分は
仕事したいし、
家のこともしたい。

他人に見栄えの良い自分は
仕事を優先すれば
会社の人に好評価、
家のことを優先すれば
家族に好評価。

でも全部は無理。



まず状況を整理しました。

会社で自分がやること。
家で自分がやると
家族が助かること。

自分が思うだけじゃなくて
会社のことは
会社の人にヒアリング。
家のことは
家族にヒアリング。

そうして「やること」を
一覧にしてみると、
全体像が見えてきました。

重要度の高いものから
順に並べ替えたり
類型に分けたりして
さらに整理が進みます。

そうしていくうちに
ピンときます。

感じたのは
「できる」の感覚。

会社のこともできるし
家のこともできる方法。

そうか、
こうすればいいのか。

他人に見栄えの良い自分と
あるがままの自分の
調和が実現していきます。



さらに
会社のことは
会社の人に相談して
自分の「やること」を
共有します。

そうすると
会社の人は
それを前提として活動します。
迷惑はかかりません。

迷惑どころか
会社の人は
Aさんの役に立てる喜びで
「ありがとう」と
言ってくれるほどです。

家のことも
家族と相談してみると
必須事項と
選択事項とに
わけられることが判明。

必須事項を優先して相談し、
Aさんが引き受けるものを
予定に入れていきます。

必須事項の予定ができると
余力をみて選択事項の相談に
とりかかります。

そうこうしていると
大変なのに
家のことも大切に思ってくれて
ありがとう、と
奥さんに言われたとか。

うれしいですね。

困っていた状況から
見通しが立った状況になり、
さらには「できる」と
わくわくすら感じます。

※Aさんは架空の人物です。
内容は常楽の行った
いろいろなセッションを
再構成したものです。


■調和は広がる


他人に見栄えの良い自分か
あるがままの自分か、の
どちらかしかダメ
ということはありません。

10%と90%とか
60%と40%とか
自分で選べます。

それも関係者と
相談して協力を取り付ける
わけですが、
その活動自体が
対人関係を良好な方向へと
進めてくれます。

自分自身を調和させることは
自分の周囲の人にも
影響します。

そうして調和が
広がっていったら
すてきです。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



《関連記事》
「自己中心的」は、その善悪の評価より使い方を知る
しあわせを感じるために
人生の調和は「識別」から生まれる
相手次第より自分次第な生き方の方が楽しい
自立とは経済上のことじゃなくて「愛する側」に立つこと
ソクラテス「無知の知」は謙虚を生む
Serenity Prayerに学ぶ