安直な優越性の追求とは、
相手の特別な存在になるために
健全でない方法を
選び、実行することです。



例えば
相手へ暴力したり
ルール破ったり
大切な約束を反故にしたり。

ちょっと悪印象くらいでは
ちょっとの注意しかもらえませんから
特別な存在になるには
すごく悪印象な方法を
選びます。

でも、相手の注意を
獲得はできるかもしれませんが
こんなこと続けていたら
苦労ばかりが増えてしまいます。

優越性の追求、
つまり「よりよい自分になる」ことの
手段にするなら
不健全なものより
健全なものを選ぶ方が
人生は楽しくなります。

そして、
健全な方法を選ぶ
心の力を「勇気」と言います。



幼い頃、
私は親の注目に
飢えてました。

親の注目は
親の言うことに疑問を持たずに従う
従順で優等生な姉、
または
末っ子で何してもかわいく
親の言うことに反発などしない弟の
どちらかに多くが注がれていて、
私にはほとんどありませんでした。

私は親の言うことが
よくわからなかったり
疑問に思ったりすると
「なんでそうなの?」と
根拠の提示を求める子でした。

姉も弟も
そんなことは訊きません。
どうしてわからないのに
訊かないんだろう?と
不思議でした。

でも
親から見ると
姉や弟は扱いやすい子で、
私は最も面倒な子だったのでしょう。



姉がテストで高得点を取る。
すると親が注目する。

そうか、テストか。
自分もテストで
高得点をもらえば
親の注意をひけるかもしれない。

しかし、
勤勉な姉にはかなわず
テストの得点では
親の注意はひけないと
悟ります。



無邪気な弟の
その無邪気さに親が注目します。

そうか、
子供っぽく(笑)なれば
自分も注目されるかもしれない。

しかし
子供っぽく演じる自分と
本当の子供っぽさを持つ弟では
本物と偽物みたいな状況で、
親の注意はひけないと
悟ります。



年上である姉から
ケンカをふっかけられたとき、

年下の自分が負けて
泣いてれば
親は自分に注意を
向けるはず。

しかし、実際は
「お前は男の子。
おねえちゃんは女の子なんだから
お前がやさしくしないといけない」と
力でもかなわないことは
無視された形で
やはり注意は姉に向きます。



弟が
私の物を壊したとき
さすがに親も
私の方がかわいそうと
弟より私に注意を向けるはず。

でも実際は
「お前はおにいちゃんなんだから
これくらいで弟を責めてはいけない」と
物を壊された私が悪者扱いされ、
やはり注意は弟に向きます。



そんなこんなで
何やっても親の注意は
ひけない。

どうしても
姉や弟にはかなわない。

もうまっとうにやってても
ダメだ。

そう思い
親を喜ばせることをやめ、
親を悲しませることを
やろうと思いました。

例えば
・夜更かしする
・大音量で音楽をかけてうるさくする
・食事中に汚い話をする
・わざと長風呂して迷惑をかける
・母親の化粧品をいじる

大学生になると
・お酒を大量に飲む
・家の中で喫煙する
・連絡しないで朝に帰る
・親が心配するような場にわざと行く

その他いろいろとやりました。
やる度に親が困った顔したり
悲しんだりするので、
それを見て喜んでました。

すればするほど嫌がったり
やめさせようとしてきます。
それが私にとっては
「注意を向けてもらえたこと」と
なっていたのですね。

当時はそんな自覚はなかったので
どうしてそんなことを
したいと思うのか、
よくわからずにやってました。

自分の人生を楽しくすることではなく
親の注意をひくことを目標として
活動していたんですね。

安直な優越性の追求を
この頃に知っていたら、
違っていたと思います。



営業職の頃も
そうでした。

たいした営業成績では
注目されないので、
問題を起こして注目されようと
狙ったこともありました。

机の上に乗って
ヘンなことやったり
いきなり大声あげたり。

おかしい人ですよね。

でも
そんなことで注目を集めても
感じるしあわせは増えないと
悟ったときから
「営業職は売るのが仕事」なので
その仕事を優先するようにしました。

注目は集められませんが
次第に売れるようになっていき、
トップセールスになったときには
安直な優越性の追求なんて
しない方が楽しくなると
実感しました。



相手に好印象なことで
相手から特別扱いされたら
うれしいですよね。

でも
好印象かどうか、
特別扱いするかどうか、は
相手の課題です。

相手の課題を
自分は操作できませんから
相手の好印象をもらって
さらに特別扱いしてもらうことは
簡単ではありません。

でも、逆なら簡単です。
すぐに特別扱いしてもらえます。

相手に悪い印象を与える。
例えば、相手を叩く。

すると相手は
叩いた人のことを
すぐには忘れないでしょう。

そして叩かれたことを
誰かに話す可能性は高いです。

自分の話を
相手がする。
何度も。

そんな注目を集める自分は
優秀な自分...と感じる。

でも叩くのは暴力です。
条件が整ったら違法行為に
なる可能性もあります。

こんな感じで
安直な優越性の追求し続けたら
人生が楽しくなっていくと
感じるのは難しいでしょう。

減らしていくと
人生の楽しい感じは
増えていきますね。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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